空と風と星と詩―尹東柱全詩集

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著者 : 尹東柱
制作 : 尹 一柱  伊吹 郷 
  • 影書房 (1984年11月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877140649

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空と風と星と詩―尹東柱全詩集の感想・レビュー・書評

  • 原詩ももちろん味わい深くて良いが、日本語訳が良い。
    序詩ばかりが有名になってしまった感もあり。
    だけど確かにあれは傑作だ。

  • 和図書 929.1/Y98
    資料ID 20111034889

  • 尹東柱(ユン・ドンジュ)は、1945年2月16日にわずか27歳で獄中死した朝鮮の詩人。

    その2年前、同志社大学に留学していたとき、朝鮮独立運動にかかわっているとして悪しき治安維持法によって逮捕されて、福岡刑務所で得体の知れない注射をされ(人体実験!)もがき苦しんで絶命した、純粋な魂を持った詩人です。

    朝鮮人に対する明確な圧倒的な差別・弾圧の中にあって、けっして声高く戦闘的ではなく、純粋に詩的に自覚した心情によってハングルで詩を書いた彼は、そのことにより日本帝国主義なかんずくその手先の特高に格好の餌食となったのでした。

    あげくの果ては、福岡刑務所といえば例の米軍捕虜8名の生体解剖事件の九州大学も福岡で、しかも同じ1945年ですからピッタリ符合する不可思議な偶然の一致ですが、刑務所内で人知れず何本も怪しげな薬を注射されることによって、いわばなぶり殺しされた訳ですから、その無念といったら尋常ではなかったと思います。

    このことは、65年経てまだ明確に調査・解明されていないのですから許し難いことで、できれば留学先だった立教大学や同志社大学の後輩・卒業生有志たちの手によって暴き出して、民主党政府を動かしてもいいと思いますが、事実調査・実行犯調査を成し遂げることこそが最大の彼への供養、否、本来なら堅く熱く結ばれなければならなかった朝鮮と日本の友情のあかしであるはずです。

    本書は、本来ならソウルの延世大学卒業時に世に出されて然るべきだったのが、当時の日本統治下の弾圧情勢を考慮して出版を断念したという経緯がありますが、その後、彼の死後、友人が預かっていた生原稿が奇跡的に戦禍を免れて出版されたという、数奇な運命を辿って私たちが目にすることができた貴重な本です。

     ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
       「天を仰ぎ」
     いのち尽きる日まで天を仰ぎ
     一点の恥じることもなきを
     木の葉をふるわす風にも
     わたしはこころ痛めた
     星を歌うこころで
     すべての死にゆくものを愛おしまねば
     そしてわたしに与えられた道を
     歩みゆかねば
     今夜も星が風に身をさらす
     ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

    尹東柱は、確かにこの詩集の中に、輝くばかりにまぶしい存在として確固として生きています。

  • 09/7/14 ★★★★
    えぇと思いっきり「愛のあとにくるもの」の影響

    "序詞"

    死ぬ日までに空を仰ぎ
    一点の恥辱(はじ)なきことを、
    葉あいにそよぐ風にも
    私の心は痛んだ。

    星をうたう心で
    生きとし生けるものをいとおしまねば
    そしてわたしに与えられた道を
    歩みゆかねば。

    今宵も星が風に吹き晒らされる。


    "たやすく書かれた詩"から抜粋

    人生は生きがたいものなのに
    詩がこう たやすく書けるのは
    恥ずかしいことだ。

  • 戦時中に韓国から日本へ進学のために来た彼が、当時禁止されていた母国語であるハングルで詩を書き溜めた。
    自然をうたいながらも、その中には彼の哀しみが描かれ、読む側の私の心が痛む。
    ハングルが禁止されている状況で書かれた詩が、今日本語に訳され、愛読されているこの世の中の流れを彼は知ることができるのだろうか。


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