五分後の世界

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著者 : 村上龍
  • 幻冬舎 (1994年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877280048

五分後の世界の感想・レビュー・書評

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  • 「イン ザ ミソスープ」を読み終えたら、突然読みたくなったので予約。ついでに「2」の方も一緒に。「ミソスープ」と同じことを言っている。ベースは一緒。

    昔はただただミズノとかクリハラとか小隊の面々がカッコいいー。あんな形で負傷・戦死していくなんて…勿体ない…とそれだけだったけど、今は『中年おっさん小田桐チート過ぎ』のひと言かもしれない。(プレステでゲームソフトがあるのでプレイしてみたいな♪)

    昔この作品にハマったことがあった。いまは読みながら右寄りなのか左寄りなのか考えてしまう。もっと純粋に読みたいなとも思う。読んでいるとミーハー心が復活して、メンバーが皆カッコよく見えてくる、この後「伝説のゲリラ小田桐」になっていくのかな~…なんて武勇伝を想像してしまう。

    物語のアンダーグラウンド(UG)内の人々は村上氏の「理想像」なのかな。現代と比べると複雑な気持ちになる。(134ページらへん)幼い頃の大人達と今同じ年齢の自分を比べると、得たものと同時に失ったものも大きいのかな…と思ったりした。さらに自分の子ども達とUGの子ども達を比べると憂鬱になる。(比べちゃいけない・汗)次はヒュウガ・ウイルスを読む。

  • 小田桐が迷い込んだ世界は太平洋戦争で降伏することをせずプライドある日本人が地下に集まり、戦勝国に分断された日本列島を取り戻そうと戦っている世界です。

    村上龍は「力強く生きよ」的テーマをずっと書いていますね。ちょっと記憶が曖昧なのですが「愛と幻想のファシズム」とかもそんな感じだったような・・・

    この作品に出てくる日本人は、日本人であることを強く意識しプライドを持っている。日本人の地下組織である『アンダーグラウンド』の兵士はすべてにおいて優秀で戦争に降伏した日本に育った小田桐とはぜんぜん違う。
    そして小田桐は、平和な日本ではなく紛争が絶え間なく続く五分後の世界に留まることを決意する。

    村上龍の文体はどこか血なまぐさい所があり、また紛争の描写にもかなり力をいれているのでだまされそうになっちゃうのだけど、すべての人間がプライドを持って前を向いて歩く集団って実はありえない。集団というものには必ず秩序を乱そうとする因子が内包されている気がする。

    また、アンダーグラウンドの兵士の優秀さがすごく前面に押し出されているのだけど、優秀=プライドなのだろうか?という疑問も湧いてくる。能力的には優れていると言えなくともプライドを持つことは可能ではないのかなと思うのです。

    村上龍のこの手のテーマの作品を読むと様々なことに翻弄され休み休みなんとか生きている私は、五分後の世界では真っ先に脱落するだろうな~などと鬱になります。
    しかし逆に、運動会でも一等賞を決めなかったりする世の中に疑問を投げかける姿勢は好ましかったりして、せめてプライドを持って毎日生きようと思ったりして勇気も湧いてくる私なのでした。

  • Amazon Unlimitedで借りた著者エッセイ(無知をさらけだしていてムカつく記述が多い)でこの小説を知ったので借りてみた。
    なんだか意味不明は物語であった。

  • 22年前の筆者は、今までの作品の中で最高だと言う。場面転換、スピード、人物達の関わりの濃淡、確かに先駆的だけど、22年後の作品はもっと素晴らしいものがある。
    市に吸収合併される以前の町民図書館蔵書を市民図書館で借りてよんだ。借りられた痕跡のない、町民図書館の図書カードに、合併しなかったパラレルワールドを想像する。多分、あの町の人たちは読む事はなく、書架に埋もれていただろう。

  • 解釈の難しい内容でした。

  • 主人公の小田桐(ヤクザな世界を渡り歩いた男)がある日突然気が付くと今までの世界とはまったく違う世界に入り込んでいたという設定。
    そこは日本のようであり日本でない?不思議な世界で、いまだに戦争が続いている世界。
    不思議な体験をしながらその世界が意外と小田桐の感覚になじむ世界だが、実はその世界が同じ日本だが違う道を歩んだ世界のようで、日本はポツダムで降伏をしていなかった。
    色々な人々とかかわりながらその世界を生きている中で小田桐は自分を見つめ直して生きていく。
    彼の時計はその世界では五分遅れている。

  • 主人公が時空の狭間から迷い込んだ世界は5分時間が遅れていた日本。そこには第二次大戦に降伏せず、皇室をスイスに亡命させ今なお国連軍と戦闘を繰り広げる傍ら、独自の政治形態や文化を進化させ生きている日本があった。純粋な日本人は実に僅か数十万人に減ったが、その中である程度世界からのリスペクトを得て生きていく日本人たちの姿を描く。いわゆるパラレルワールド小説であるが、現代の豊かではあるが、国際的に見れば隷属的な日本への批判がそこにある。

  • 「おまえの時計、5分遅れているぞ。」


    主人公、小田桐が来てしまったのは、もといた世界よりの五分後の世界。

    この世界の日本はポツダム宣言を受け入れることなく戦闘を続け、もはや純粋な日本国民は二十六万人。
    いまだ国連軍と血みどろのゲリラ戦を繰り広げる。
    平和なもとの日本とは正反対の世界。

    しかし。

    ここの日本国民は「生きていた」

    命の大事さを誰よりも知り、自分の「意志」で行動し、世界に対して常に日本人としての「勇気」と「プライド」を示し続ける。

    そんな、日本人達と行動を供にした小田桐が最後にとった行動とは・・・。





    今の平和な日本は本当にありがたいと思う。
    世界中見渡したって、こんなに平和な国はないし、こんなに豊かな国はないし、こんなに住みやすい国はない。

    でも。

    戦争が終わって以来。

    「日本人」として、失くしてしまったものも、とても大きいと思う。


    それが何なのか。


    言葉にするとありきたりになってしまうけど、この本を読むと心に浸み込んで来るような気がした。

  • ラストシーンが印象的だった。
    この世界と共に進む覚悟を決めたように感じさせられた。

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五分後の世界の作品紹介

5分のずれで現われた、もうひとつの日本は人口26万に激減していた。国連軍との本土決戦のさ中で、アンダーグラウンド兵士の思いは、こうだ。「人類に生きる目的はない。だが、生きのびなくてはならない」。472枚、書き下ろし作品。

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