五分後の世界

著者 :
  • 幻冬舎
3.48
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本棚登録 : 351
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877280048

感想・レビュー・書評

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  • 陸軍スパイの小説を読んだわたしに
    ブク友おびのり氏がオススメしてくれた一冊。

    面白かった‼︎
    もちろん戦争はダメです。
    けれど今もこの先も戦争がなくなる世の中がくるとはやはり思えない。


    この作品は戦争に降伏した現在の日本と5分違うパラレルワールドで今も戦い続ける世界だった。

    パラレルワールドに迷い込んだ主人公・小田桐はクズのような人生を送ってきた中年である。
    ただのチンピラですよ。
    はっきり言って生きていけないだろうと思ったし
    ラストどんな終着点になるのか一気読みです。

    気づいた時にはまるで捕虜の集団の列で歩き、凄まじい戦闘シーンが始まる。
    とにかくこの戦闘シーンが長い!武器の名前等全く無知なわたしですが描写が凄いです。
    グロい描写に手に汗握り、走る潜る戦う…
    まるで自分が戦闘中です(o_o)

    地下に潜った日本人達が今も日本以外の連合軍と戦っているのです…5分違う世界で。

    ラストの一行に痺れました♪

    おびさん教えてくれてありがとう\(//∇//)
    続編も楽しみです♪





    • おびのりさん
      読んでくれたね、ありがとう♪
      なんかさ、大谷くんやダルビッシュや藤井聡太くんだらけになる日本男児。
      どっかのレビューかなんかに書いたんだけど...
      読んでくれたね、ありがとう♪
      なんかさ、大谷くんやダルビッシュや藤井聡太くんだらけになる日本男児。
      どっかのレビューかなんかに書いたんだけど、市ヶ谷駐屯地の見学コースに、敗戦直前の地下司令部後が一部公開されてるのよ。あれみたらさ、このパラレルあり得そうだなと思ったの。
      皆さん、私は村上龍派だったのですが、途中であまりにサイコになって逃げ出したのです。
      2023/04/24
    • みんみんさん
      いや〜ほぼ戦闘だから今なら戦い方わかるよ笑
      次はメンバーも違うんだよね?
      すぐ借りてくるよ〜\(//∇//)
      いや〜ほぼ戦闘だから今なら戦い方わかるよ笑
      次はメンバーも違うんだよね?
      すぐ借りてくるよ〜\(//∇//)
      2023/04/24
    • おびのりさん
      そうそうメンバー総入れ替え。
      私は、この戦闘に戻るラストが好きなのよ。
      砂の女の男と同じで。
      とはいえ、戦うよね。私も穴に隠れられるよ。
      そうそうメンバー総入れ替え。
      私は、この戦闘に戻るラストが好きなのよ。
      砂の女の男と同じで。
      とはいえ、戦うよね。私も穴に隠れられるよ。
      2023/04/24
  • 男の人というのは女性と根本的に違う、というのが一番最初に思い浮かんだ感想だ。
    旦那の本棚にあった大沢在昌の「新宿鮫」を読んだ時にもそんな風に思ったことを思い出した。

    図書館の特設コーナーにあった本。久しぶりに村上龍を読むか、と手に取った。

    冒頭から激しい戦闘シーン。的確な描写によって脳内に何かで見た戦闘のイメージの複合物が呼び起こされる。血や肉片、泥のイメージ。読まなくていいかも、と何度も本を置く。それでも続きが気になって又読む。

    作者が女性ならこんなに延々と戦闘シーンを描かないんじゃないか、と思いながら読む。その前に読んだのがターシャ・テューダーの本だったから尚更だ。

    知らなくてもいい話なんだと思う。なんとか読み終えた。奥付けを見たら1994年に刊行された本だった。何故図書館の特設コーナーにあったのかは謎だが、村上龍の描写力は確かだなぁと気付いたのが収穫かも。

  • 主人公の小田桐(ヤクザな世界を渡り歩いた男)がある日突然気が付くと今までの世界とはまったく違う世界に入り込んでいたという設定。
    そこは日本のようであり日本でない?不思議な世界で、いまだに戦争が続いている世界。
    不思議な体験をしながらその世界が意外と小田桐の感覚になじむ世界だが、実はその世界が同じ日本だが違う道を歩んだ世界のようで、日本はポツダムで降伏をしていなかった。
    色々な人々とかかわりながらその世界を生きている中で小田桐は自分を見つめ直して生きていく。
    彼の時計はその世界では五分遅れている。

  • 「おまえの時計、5分遅れているぞ。」


    主人公、小田桐が来てしまったのは、もといた世界よりの五分後の世界。

    この世界の日本はポツダム宣言を受け入れることなく戦闘を続け、もはや純粋な日本国民は二十六万人。
    いまだ国連軍と血みどろのゲリラ戦を繰り広げる。
    平和なもとの日本とは正反対の世界。

    しかし。

    ここの日本国民は「生きていた」

    命の大事さを誰よりも知り、自分の「意志」で行動し、世界に対して常に日本人としての「勇気」と「プライド」を示し続ける。

    そんな、日本人達と行動を供にした小田桐が最後にとった行動とは・・・。





    今の平和な日本は本当にありがたいと思う。
    世界中見渡したって、こんなに平和な国はないし、こんなに豊かな国はないし、こんなに住みやすい国はない。

    でも。

    戦争が終わって以来。

    「日本人」として、失くしてしまったものも、とても大きいと思う。


    それが何なのか。


    言葉にするとありきたりになってしまうけど、この本を読むと心に浸み込んで来るような気がした。

  • 一度は、ヘッセの「車輪の下」と迷って敗れたが、結局「車輪」は読まずに返却。モヤモヤと頭に残っていた此方を借りる。

    「アーサー王」もこのぐらい描写してくれるといいのに。

    日本が敗北しなかったら、こうなりえたかも知れない との設定。日本人としての誇りや、緊張感。

  • 最初に読み終わったときは興奮したな~w。
    今でも好きな作品だし、人に薦めたりもする。

  • ろくでなしの小田桐が迷い込んだ五分後の世界。
    そこでは日本が戦争で降伏せずに地下にもぐって戦い続け,
    その軍事力と誇り高さにより世界に対して一定の政治的影響力を
    発揮していた。

    以前読んだ「半島を出よ」とくらべると観念的な印象。

  • 学生の時以来、久しぶりに読んだ。

    主人公の小田桐が、迷い込んだ世界は、先の大戦が継続している日本。

    他国に植民地化され、混血が進む中、純潔の日本人は地下に潜み、
    日本人として各個人が常に危機感を持ちながら行動している。


    危機感のない今の日本に必要な一冊。

  •  別の世界に来てしまった主人公の物語。なんとそこは、いまだ米軍と戦い続ける、日本人たちの世界であった。暗く、攻撃的で、たいへん興奮した。実は、数年前に読んだことがある。読むのこれで二回目であるけれど、まったく飽きさせずやはりどきどきして読んだ。
     2009.1.7-8.

  • 村上龍のこの手の読み物は元気が出るので好き。

著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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