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著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 185
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877280055

感想・レビュー・書評

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  • 色んな女の人が出てくる短編集。
    作中で、性行為のことを「ファックする」と言ったり、「アフェア」と呼んだりするたび、こんな話し方する人見たことないな、と思わずにはいられなかった。
    この本が出版されたのが1994年、現在は2021年。ジェネレーションギャップといえばそうなのかもしれないけど、当時の人たちが日常的に「アフェア」という言葉を使っていたのかというと、そういう人もいたんじゃないっていう感じだ。
    (ちなみにサザンオールスターズの『LOVE AFFAIR』が発売されたのは1998年)

    ”男と女の間は、尊敬とやらが消える瞬間が一番楽しい”(P110)

    ”私の恋は、常に一対一で成り立つべきもの”(P134)

    ”恋に狂う女が星占いのページを開くことと、自分の存在価値に意味を見出そうと哲学書を開くことに、一体、どういう差があるだろう”(P201)

    ”私が彼らと違うのは、性器の形態だけじゃないか”(P241)

    これぞ山田詠美さん、という名文が何度も出てきた。すこし前の時代を描いているとは言っても、力強い文章にハッとさせられる。

    あとがきの文章がとてもクールだった。
    不幸な事件の渦中にいる人が不幸かどうかは第三者にはわからないし、幸せな境遇にいながら、そうでない人もいる。まったくもってその通りだと思う。
    ファック、アフェア、セックス。何と呼んでもかまわない。それは第三者が口出しすることではないのだ。

  • 読んでいて自分の過去の恋愛と重なる部分があり、辛くなって本を閉じることを繰り返したため、時間がかかった。
    「恋愛」という心にヒビが入っており、そのヒビの割れ目に山田詠美の文章は流れ込む。
    彼女の文章は線香花火のようだ。いずれ落ちると分かっていても、今この時を激しく花火を散らす。
    特に気に入ったのは、「ガリレオの餌」「NEWSPAPER 」「雨の化石」。

    「ガリレオの餌」→ヒッピーの女にメロメロになる年上の小説家。この話が特に私の過去と重なり、一気に引き込まれた。

    「NEWSPAPER 」→終わりがあることを想像せずに、今現在の彼を求める。

    「雨の化石」→美しいものは、現在の積み重ねであり、過去を持たない。

  • 少々不得手である

  • 2冊目の読書ノート 1993/9/5~2005/4/30に記載。

  • 軽いようでそうでないようで、刹那的なところがいい。
    隙間に、深淵が一瞬ちらっとしたりするけれど
    基本的にLightで、Freeで、そうやって表面を塗って生きていく人たち。
    一瞬が濃ゆい。

    この本が売り出された当時は、だいぶ、Hな本だと騒がれたっけ。
    今、私が読むと、もうこれは疲れるわ。
    私の中では、とうに卒業したお話。
    そんな風に感じた。

  • 求めたいひとを求めることのできる人間っていい。そこに動物の美しさ。すごい!

  • COOLの意味って、日本語と英語じゃ解釈が少し違って、もうこれは、そのどっちもがありありと描かれてて、その有様に感動します。ストーリーもおもしろいけど、はぁー!と感服するかんじ。詠美さんはすごいね。

  • 短編集

  • 読みやすかった。

  • 表紙がすごくキレイなんですけど…。さばさばした恋愛観が魅力的な短編集。私は「唇から蝶」のインパクトと、「NEWSPAPER」のありがちな感じと、「ガリレオの餌」の意外性が好きです。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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