夢について

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 79
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (52ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877280246

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  • エッセイ集。
    人間が手の届かないところで、人間らしさが見えることとか、超人的な作用がこの世の中にはあるんだなぁと。
    それは超能力とかそういう言葉で片付けられるんじゃなくて、想いとか違和感とか空気感とか直感とか。
    吉本ばななはそこを追及するというより、そのものを受け入れ、そのままを楽しんでいる。
    やわらかいヒトだ。

    個人的には『正確とは?』が好き。
    突き詰めると深い話。
    恋人を愛して止まないということを雄弁に語るNくん。
    しかし彼は本来物静かで、女々しい人。
    恋人への賛辞や情熱に、周りの人は見惚れる。
    しかし待っていたのは死。自殺。
    自分の中にも違和感を持ってたんだろうなぁ。
    きっと恋人にふられたんだと思うな。
    感覚的にだけどわかる気がする。

    「誰かに話したいと思っていることを、もうすでに何らかの形で伝えている」
    「すぐさま仲良くなった人は、時間や距離を置いても変わらなく付き合える。それはその人の魅力そのものを好きになったから」
    「人は人を本質的には裁けない」
    「人間は何に関してもこの程度でいいんじゃないか」
    「その人の身から出た言葉は深い」
    「いろいろ大ざっぱな点や不合理なところがあってあらゆる官能を忠実に感じながら生きていたい」



著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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