SLY

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著者 : 吉本ばなな
  • 幻冬舎 (1996年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877281038

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SLYの感想・レビュー・書評

  • 先にエジプト旅行が在って、行ってみたらそのエネルギーに圧倒されて小説にせざるを得なくなった。
    あとがきにあるこのような内容の文を見て、物書きとは因果な職業なのだな、とつくづく思った。
    最初から書くつもりでその下見で向かったわけではなくても、見てしまったものを物語にするわけにはいかなくなる。見たもののエネルギーと、見た人の内側で渦巻くエネルギーと。

    エジプト旅行の描写が大半を占める小説で、最後には旅行記的な写真なども載っている。
    物語中に書かれている建物や施設はすべて実在するもので、(20年以上前の小説だから変化したものもあるとは思うけれど)旅のちょっとしたガイドとしても読めるかもしれない。エジプトに行ったことがある人や、興味のある人なら尚更楽しく読めると思う。

    主人公は清瀬という女性で、元彼の喬が登場人物たちの中心にいる。
    清瀬と付き合っていた当時に喬がバイセクシャルであることが分かって別れ、喬はその後日出雄と付き合い、そして別れ、今はミミという女性と交際している。
    清瀬、日出雄、ミミは喬と付き合ったことがある、という共通点でつながっていて、4人は実際関わりがある(むしろ仲が良いと言える)。
    そんなある日、喬がHIVに感染していることが分かり、ひょんなことから清瀬、喬、日出雄の3人でエジプトに旅行することになる。

    今すぐ死ぬわけではないけれどいつか絶対に死ぬ、というのは生きているもの全ての共通点。明日、もっと言うと1分後の命があるか分からない。でも大抵の人は、明日も明後日も1ヶ月後も1年後も生きている気でいる。
    だけど病気というものが身近にくると、やはり意識はがらりと変わる。限られたものなのだということが、リアルに迫ってくる。
    そのことに気づいてしまった喬と、喬と付き合った(付き合っている)3人。
    旅に出て、壮大なものたちに触れることで、自分というものの小ささを知る。だけど、小さな命が自分にとってかけがえのないものだ、という事実は変わらない。
    楽しく過ごしていても、不意に忍び寄る“死”という影。それから逃れることはきっと出来ないまま、それでも毎日を過ごしていかなければならない。

    色んな結果が出ないまま終わる物語なのが良かった。
    エジプトとかインドとかって行くと人生観が変わるとか言うけど、あながち嘘じゃないのかも、と思った。
    日本にいて自分の小ささに触れる機会はあまりない気がする。

    エキゾチックな挿し絵も素晴らしい。

  • 恋焦がれて、全身火傷しそうな位、大好きなエジプトの話。
    凄く綺麗な情景を文章だけでも浮かんでくるから、読んでて凄い幸せだった~!! いつか絶対に行きたい場所。

    それまでは、この本を何度も読もう

  • 死ぬことが身近になるほど、生きることが見えてくる。ずーっとずーっと昔から受け継がれてきたであろう、生命の営みを感じる話でした。目に見えない大きな力と、それに触れる瞬間。

  • 男か女かも、友達とか恋人、っていうのも超越してしまってて、魂で繋がりあってるようなこういう関係に憧れる。
    エジプトが行ってみたい国リストに追加されました。
    吉本ばななさんの文章を読むと心が洗われるー。

  • HIVに感染した人物と、友人と。
    エジプトを旅するお話。
    何も解決していないなー、とおもうのにどこか情緒的。
    エジプトに行きたくなりました。

  • だいすきな人たちと一緒にいると生まれるあのきらきらとした一瞬…

  • エジプトって、こんなに生命力に溢れている場所なのかと驚いた。
    客観的に誰がどうした、ってことが描かれているというよりは、主観的に心の中の動きをひたすら描いている感じ。エジプトで見たものをどのように感じたか、感じたことに関連して過去のことや未来のことに思いを馳せる、といった心の中の変化が描かれていた。
    ラストの取材記や写真を見て、物語の世界がより深く、自分の中に印象付いた。

  • HIVポジティブとわかった喬、喬の元彼女の清瀬、喬の元彼の日出雄の3人がエジプトに旅する物語。異国の空気感、時に怖くなる3人の現実、刹那的な強さ、いろんなものが美しく切なく押し寄せる。

  • 文章といい、原マスミさんの絵といい、ホントにエジプトにトリップさせてくれる素敵な本。

  • 十数年ぶりの「吉本」作品。
    立て続けに「よしもと」作品を読んでいたので違和感。人物設定や関係性、作品の雰囲気がちがっていました。

  • 彼女の書いた本は、「ここで終わるんだ・・・」という終わり方が多い。
    でもそれって先を想像できて楽しい。

    エジプト行きたい。

  • よしもとばななさんの本は、「キッチン」以来大好きだから、どれか一冊、というのも選びがたい。
    自分の状態によって、何度も読み返す本が変わっている気がする。
    ここしばらくは、「SRY」がとても好きなので、あえての2位。

    3人でエジプトに旅行に行く話。
    といったら、身も蓋もないが。
    主人公はジュエリーデザイナー。
    その元彼は基本(?)ゲイだが、現在女性で2人目の恋人と同棲の矢先、HIVポジティブなことが判明。
    もう一人は、元彼の元彼。シェフ。
    そんな3人が、いろいろな物を抱えて、エジプトに行く。

    エジプトでの様々な場面も、エジプトに行きたい気持ちを盛り上げる。
    でも、初めの方で、明け方に3人で半分凍ったいちごゼリーとシャンパンを片手に、朝日を見ているシーンが好き。
    長野の夜や、エジプトでの圧倒的な様子など、目に浮かぶような情景がいくつもある。
    若干、一緒に旅行している気分。

  • 登場人物の設定とかは興味深く最初は楽しかったけど、
    エジプトに行ってからはちょっと読み飛ばしてしまった、、、

    エジプトに行くことがあれば、読んでみたい一冊かも。

  • 連日エジプトのニュースを見ていたら、どうしても読みたくなって再読。

    大英博物館やメトロポリタン美術館で見た古代エジプトの遺跡にあった、太陽の気配を読みながら思い出していた。

    暮れては昇る太陽の国エジプト。太陽は強烈な光を毎日変わりなく放ちつづける。人間の営みは比ぶべくもなく小さいけれど、愛しくて、貴い。

    ストレートな語り。メッセージもシンプルで強い。

  • 元恋人はゲイ。そしてエイズに感染した
    という報告を受けて「私」は検査へ向かう。

    今まで当たり前だった「生」が、隣り合わせに隠れていた「死」と
    向かい合ったとき命は輝き始める。

    暑い命の燃える国エジプトの生命力と情熱、そして永遠を願う友情と愛情の切ない物語。

  • 再読。

    マリカ~同様、ばななさんの文章からエジプトのもつ剥き出しで野性的だが神がかった雰囲気や空気が伝わってきました。

    きっと命は何度も繰り返すのかもしれない。

    そこに言葉はいらなくて、本当に伝えたい、伝えなければならないことはきっと言葉を超越したものなのだろうな。

    日出雄くんみたいな友だちが欲しい。

  • 荒いのだけども透明感のある印象。
    蜜がたっぷりの角切りリンゴのような表現。
    とっても美しくて美味しいです。
    そしてエジプト行きたくなります◎

    ただ、作者自身の日記のようになっているのが残念。

  • ああ!
    なんて美しい文章!この本が200冊目のレビューで本当によかった

    『少しも加速を許さない、大いなる力。はぐくみ、こわし、芽生えさせ、土に還す。世界を創る巨大な時計。ここではまだ神が力を持っている。』

    HIVポジティブが発覚した喬と、その元彼女である主人公、そして喬の元彼であるゲイの日出雄。喬を元気づけるため奇妙な友情でつながった三人はエジプトへと旅立つ…

    よしもとばななの文章を読むけとは、アムリタじゃないけど、ほんとに、美味しい水をごくごく飲むようなものだ!
    形にはならないけど、その感動がたしかに人生に潤いをあたえてくれる。
    現実にある彼女が見たものを本当にそのまま、しかし美しく描くから、少しも嘘っぽくないし、わたしの世界をもちょっぴり美しくしてくれる。

    この表紙の絵が苦手なんだってば!と、言いたいが、きっとこのよさはわたしがもうちと成長すればわかることだろう。いまは文章やそこからくる想像の世界の美しさだけを大切にしたい時期なんだろうなあ。


    とっても素晴らしい本でした。検査結果がわからないまま終わるとこなどが普段なら気になるけど、今回気にならないのは、それがどうであっても変わらないであろう心の確かさを主人公たちが持っているから。

    全然関係ないのに、なぜか京都にいきたくなった。

    美しい、美しい話です。

  • 吉本ばななさんがエジプトで感じた何かを、自分も知りたくなる。エジプトにいるような気持ちで読み進めて、その感覚を手にした、ような気になる。
    旅行記のようで物語で、不思議な力を感じる本。
    世界中の神秘に触れてみたい。

  • 海外の国を舞台にした物語は、他にも読んだことがあるが、これはエジプトを舞台にしたもの。ただでさえ旅行は好きだが、それを描いた物語というのもまた旅行に行きたい気持ちを高めてくれる。こういうエジプトのような国には行ったことがないので、やっぱり実際行って感じることは読んで感じることとまったく別だとは思うが、何となく遠くて怖い印象が強くてなかなか行けないところなので、機会があったらやっぱりいろんなところへ行って、自分の体でその国を感じられたらいいなとは思う。
    内容はけっこう重い部分もあるのに、何となく読んだ後のやさしさに包まれた感じになれるところが、好きだなと思う。時間を見つけて旅行は行ける限り行きたいと改めて思った。

  • 高3の頃だったか
    先生に薦めてもらって読んだ本。


    性別を越えて
    人間という枠を超えて
    何もかも越えて

    いのちを「生きる」
    壮絶で美しくて
    ぎらぎらと照りつける太陽のようで

    そんな印象を受けた一冊

  • なぜか折りに触れて読みたくなります。

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SLYの作品紹介

死の輝きが、生命の影を映すとき。太陽の国、エジプト。何千年も前から、いま届いた永遠の物語。最新書き下ろし長編小説。

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