ライン

著者 :
  • 幻冬舎
3.31
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本棚登録 : 260
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877282516

感想・レビュー・書評

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  • 1990年代頃の都市部における若者たちの風俗が描かれた連作短編集。鍵になるのは、電話やテレビのコードから、その会話や映像が読みとれる「ユウコ」という女性。直接的な関係がない人の話もあるが、20人近い人物の性向を書き続ける村上龍の力は、凄いと思った。

  • みんなそれぞれに事情がある。
    みんな少しずつずれていて歪んでいて、それを少し自覚しつつも客観的に見て特別に自分を不幸とは感じてはいない不穏感。
    それが物語全体を纏う無機質でクールな雰囲気に繋がっている気がする。

  • こういうような青年たちは、いるんだろうな。
    と感じました。
    小説的よりも、
    ノンフィクションの世界のような気がしました。

    『「青春という言葉には、許しがたい響きがある」
    と村上龍は後書きに記している。

    青春は執行猶予期間で
    いずれは大人側へ行くのだという「了解事項」を拒否し
    て生きていくなら、
    青春を徹底して「消費」し「枯渇」するまで
    「自分を使い果た」さなければならない-
    という強いメッセージ 。』
    村上龍自選小説集1/(村上龍著)「消費される青春」

    青春を使い果たすまで、生きていくことは、
    青年たちにとってある意味では苦痛なのかもしれない。

  • 敏感すぎて他人と上手く関われない人と、ただのキチガイとの違いは何か?

  • 購入者:宇都宮(2008.10.20)登場人物全てどこか屈折していて、世の中こんな人ばかりだとえらいことになるなと思います。何が言いたいのか全く解らなく、とてもおもしろくなかったです。
    貸出:滝口(2008.11.18)返却:(2006.12.2)現代社会の屈折ネガティブなドキュメンタリーな小説
    貸出:中山(2008.12.9)返却(2008.12.13)
    かなり濃い内容です。村上龍って感じです。世の中には、この作品の登場人物のような人がいると思うと怖くなりました。ストーリーの主観となる人物がいきなり変わったりする所が映画的に思えました。
    貸出:今倉(2009.2.23)

  • 2007年11月20日読了。村上龍の長編を読むのはこれで何冊目だろうか?冒頭の登場人物、カメラマンの向井の奇妙な冒険、の話が続くのかと思いきや二章目で別の登場人物に視点がスイッチされることにびっくり。少しずつ繋がり合う、それぞれに歪な複数の人々の物語。終始何かが起こりそうな不吉な緊張感に満ちている。私が現実世界で少しずつ係わり合い、通り過ぎる中流の日本人、と見られる人々もその裏側には何があるのだろうか、と考えさせられたりする。結末に向かって話が収束していく直線的な読み味はないが、面白い。

  • Line

  • 前の話の端役が次の話の主役というチェインで進んでいくこの手法に、一時期とてもあこがれて真似したのは内緒です。

  • ラインを通るのは

  • リアルだ…いや、マジでこういうの実際起きてそうだけど……個人的にはグロい。

著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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