- Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877282851
感想・レビュー・書評
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終わりのない負の連鎖。
本当の救いなんてあるのだろうか。
フィクションのようでいて、きっとどこかに現実として存在する問題なんだと思わせられた。
一つの歯車の狂い、ボタンの掛け違いから全てが狂っていくような恐ろしさ。
その中で幼少期の3人の絆はこの作品唯一の温かみのように感じられ、
負の感情の中にわずかな光を射してくれ、ただただ暗い作品になるのを防いでくれたように思う。
そうでなければ読破出来なかったかもしれない。
それくらい辛い内容だが、引き込んで読ませるのは作者の腕なのだろう。
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全体を通した雰囲気がとても良い
最後まで張り詰めた雰囲気が続き、一気に読破できる
読み応えがあり、大満足 -
あらすじ
再会は地獄への扉だった。十七年前、霧の霊峰で少年たちが起こした聖なる事件が、今鮮やかに蘇る-。山本周五郎賞受賞作から三年余。沈黙を破って放つ最高傑作ミステリー。 -
我が子には読ませたくない。しかし教員となる二女にだけは、読むべきだと勧めた。多様な子どものことを知るべきだと。
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何度も再読するのはつらくなる、でも一気に読まずにはいられない1冊。また舟越桂さんの彫刻の表紙がぴったり過ぎて。天童さんのお話はしっかりした取材の元書かれているので、自分の知らない世界をまざまざと見せつけられてつらい、でもそれを読書として味わえるのはありがたいことだと思います。
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2014-10-20 借りて読み始めて2週間経つ。今ようやく上巻の半分にきたところ。
児童虐待、トラウマ、性的被害など、重いテーマで、気力と体力の充実しているときでないと読めない。
今気力は充実しているけど、体力はあまり充実していなくて、なかなか読み進められない。
というわけで、延長手続きした。
2014-10-26 ようやく上巻読了。しんどい話だ。上巻読み終わるのに3週間近くかかった。
久坂優希はやっぱり父親にレイプされていたのか?
上巻読了時点ではそれくらいしか分からない。 -
まだ前編だけどすごく引き付けられる!
幼児虐待に子殺し親殺しの世
世界はどんどん歪んでいくとこんなことが日常茶飯事になるんだろうなと思う -
入り込んでしまいました。
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2014年107冊目。
小児精神科病棟で出会った3人の少年たちが17年振りの再会を果たす。
3人だけが知る秘密が明かされぬまま、事件が3人を複雑な関係へと巻き込んでいく。
幼年期の傷つきやすさ、繊細な心が見事に描写されている。
読んでいて苦しくなる場面も多い。
が、その生々しさがこの小説の優れているところだと思う。
暗くとも綺麗ごとではなく内面をえぐり出すような話を求めていたため、とても読み入っている。