永遠の仔〈下〉

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著者 : 天童荒太
  • 幻冬舎 (1999年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877282868

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永遠の仔〈下〉の感想・レビュー・書評

  • 生きていてもいいんだよ。

  • 人から借りて、あらすじを知らないまま読み始めたのですが、ディープです・・・。
    あっという間に上下読んでしまいました。
    本に出てくる登場人物全員辛すぎます。悲しすぎます。
    とても心に重く圧し掛かり、考えさせられました。
    最後は震え、そして涙があふれてきました。

  • 心が揺さぶられた。
    嗚咽しながらボロボロ泣きました。
    フィクションだと分かっていても、読了後は静かに目を閉じるしかなかった。
    それぐらい衝動的で悲しい真実に彩られた心理物語。

    物語の構成と伏線の伏線も見事で騙されました。
    そして最後の伏線も悲しい真実があった。
    でも悲しいだけで終わらせない、子に対する母親の愛情が見えた伏線で心が打たれた。

    抉るような心に傷を抱えた登場人物たちが、今を生きる心の苦しさと葛藤そして迷いが理解出来る。

    性的虐待、育児放棄、イジメ、身体的劣等感、心の病など、様々な問題を生々しくこの物語で描いているが、
    登場人物たちと同じく子供に受けた心の傷は、大人になっても簡単には消えはしない。
    普通の人と同じように生きようと、もがけばもがくほど現実に苦しむ。

    今、この瞬間にも、それらに悩み葛藤しながら生きている人達がいることを思い浮かべてしまう。

    だからこそ物語の3人には、最後幸せになって欲しかった。
    笙一郎の結末が悲しすぎて泣いてしまう。
    普通に生きたいだけなのに、心の闇や現実問題がそうさせない。
    生きてても良いんだよ。と、私も3人に語りかけたかった。

    ルフィンとジラフとモウルの名前も、悲しい現実だが下巻で名前の意味を理解できた。
    煙草の火の押し潰された痕が無数にあるから、キリン=ジラフ(英語名)だとわかった時に胸が苦しくなった。

    どんな結末でさえ、優希と梁平、笙一郎の、3人の絆と生きた証が残る物語だった。

    今まで読んだ本で同著者の「悼む人」と同じくらい一番心が揺さぶられた物語でした。
    様々な感情が取り巻くが、読めて素直に良かったと思える物語です。



    下巻の個人的なメモ↓

    イフェメラの日記P113
    「ときどきこの世界って、親が大人とはかぎらないってことを、忘れるみたいね。子どものままでも、親になれるんだから。
    親ってだけで、子どものすべてをまかせるのは、子どもに子どもを押しつけてる場合もあるのよ。
    子育ては競争じゃないって伝えるところが、どうしてないの。
    支える道も作らずには、未熟な親を責めるのは、間接的に子どもを叩いているのと同じかもしれないのに。」


    P292の施設長が笙一郎に語る、介護の考え方が新鮮で救いがある。


    P443優希
    「つらさばかりを感じながらも、どうにか生きてこれたのは、いつか、ほめてもらえる日のあることを信じ、それに憧れ、求めていたためだと思う。」


    P490優希(梁平の回想)
    「生きていても、いいんだよ。
    おまえは…生きていても、いいんだ。
    本当に、生きていても、いいんだよ。」

  • たとえ普通に愛されて育っても、人の心には、
    自分の存在理由を問い続ける罪の意識が常にある。
    そして、いくつになっても、親に認められたい
    のが人間というものだと思う。
    だからこそ、この本はたくさんの人の心に響く。
    三人とその家族は、悲鳴を上げたいほど傷ついた
    魂をあらわにすることで
    そのことを拡大して見せてくれる。

  • 次々と明らかになる真実。
    最後まで目が離せませんでした。

    もし、彼らが神様に出会っていたら、何か変わっていたのかな…
    なんて思いながら読みました。
    救いは、ここにあるよ。


    とてもメッセージがストレートな作品だなと思いました。
    核心をぐさぐさ突いてきます。
    やりきれなさは残るけれど、どうか彼らに未来がありますようにと
    願わずにはいられません。
    「嘘」の優しさではなく、「真実」の傷を選ぶ勇気も必要なんだ。

  • 読んでいてとても辛かった。サスペンス的な要素もあって、真相はなんなのか気になったけど、それよりも、どうかこの3人が救われますようにって祈る気持ちで読んでいた。
    どんなにひどいことをされても、子供は親を思っていて、嫌われないように捨てられないように、自分を犠牲にしてしまう。自分が悪いと思ってしまう。子供はひとりでは生きていけないからつらい。
    子供時代に、子供でいることを許されなかった子供は、結局大人にもなりきれず、子供なまま親になって、また同じことを繰り返してしまうのか。そう考えると救いがない。

    重たくて辛い物語だけど、読んでよかったと思った。

    2016/12/27

  • たぶん読んだことを一生忘れない本。

  • 物語がずっと消えなくて。

  • 子供の頃の虐待の記憶は、その後どんなに手当てをしても決してなかったことにはできないのだと、心に楔を打ち込まれたような作品でした。親として子供を育てていくことの責任、難しさ、覚悟を突き付けられたような…。もう少し早く読んでいたら、と後悔しながら、また、どんな悲しい結末になるのか息を詰めて読みました。素晴らしい!

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  • 児童養護施設で育った3人の子どもの、若き日と大人になったからの物語。

    天童さんはこの作品ではじめて読んだのだけれど、
    メッセージの重みと深さが圧倒的で物語の中に完全に引きずり込まれた。

    「生きているだけで、いいんだよ。」って何度も何度も語りかけてくるんです。
    本当に時間をかけて、言葉を選び物語を練り、魂を込めて書かれたと思われる至高の作品。もはや職人業である。

  • 重く辛い内容に、幾度も涙が出て、心が締め付けられる。
    度々ページを閉じては、登場人物の過去現在の苦しみををかみしめる。
    その作業を繰り返しながら読み終えた本です。
    けれど読み終わりが近付くにつれ、終わってしまう焦りがありました。辛いのに抜けだしたくない魅力を持つ作品でした。

    親となった今、読み直したらまた違った印象を受けるのかもしれません。

  • 子供の頃に受けた精神的な傷は、大人になっても癒されることがなく、かえって傷が深くなる。そして、その傷に人生を翻弄させられてしまうのではないかと思う。
    人の心の奥底に潜む闇に、触れないように、近づかないようにするのだけれど、結局は引きずりこまれてしまう。
    子供の頃に受けた傷を、どう浄化させればいいのか?
    浄化させないと生きるのが辛い。
    かなりヘヴィで、救いようがない小説だった。

  • 上巻では分からなかった真実がついに明らかになる。
    嘘に嘘を重ねていったから、余計に苦しくなってしまったのかな…って思うことはあるけど、嘘で隠さなきゃいけないぐらいの過去だった。
    最後はみんな、過去の因縁から少しは逃れることが出来たのかな。
    そうであって欲しい。
    このあとも、残された二人の人生は苦しいものになると思うけど、きっと乗り越えていける強さ、自分を受け入れる強さを身につけたと思う。

    最後に、母親から優希に当てた手紙で
    「お父さんの過去に辛いことがあったかもしれないけど、それはあなたには関係のないこと。あなたは絶対に悪くない。あなたの魂は美しい」
    って言葉には、私も少し救われた気がした。
    虐待の連鎖を断ち切るのって、正にこれだと思う。
    いくら自分が子供のときに辛い目にあったとしても、同じことを子供にしていい資格なんて誰も持ってないんだから。

    重く、辛い内容だったけど、これは完全はフィクションではない。
    現実にこういうことが起こっていると認識するべきだということを、教えてくれた。

  • 読んでる間中、辛かった。

    みんなに幸せになってほしかった。


    果てしなく重い大人たちの罪。
    邪鬼に憑依されるのか。

    罪なき者たちが
    背負わなくてはならなかった。
    あなたは悪くないって言ってあげたい。

    今もあり得る。
    子供を傷つけるなら、
    手放す勇気も持ってほしい。
    子供はあなたの所有物じゃない。

    誰しもが、いい親になれるわけでなし。
    親であることに執着しないで。
    ひとりになる怖さと向き合って。


    愛する子供のために。
    すべては愛する我が子のために。

  • 四国にある双海小児総合病院の児童精神科で出会った三人の少年少女。
    そこで起きたあることは、18年後に再会した三人の心にもまだ深く刻み付けられていた。
    親と子、こんなにも悲しい痛みの連鎖をどうしたら断ち切れたのか。誰が変えられたのか。
    読んでいて本当に苦しく、考えさせられる、読み応えのある作品だった。

    本筋とは別に心に残った部分メモ
    イフェメラのノートより
    『あなたたちは、自分が静かにしていたいとき、幼いわたしが声を上げると、愛さなかった。あなたたちは、自分のしてもらいたいことに、幼いわたしが従わないと、素直でないとののしった。自分の欲求を抑えられないのが子どもなら、本当はどちらが子どもだったの・・・・・』

  • 3人の子供が、家庭での問題から子供用の精神科の病院に入院する
    3人とは一人の少女と二人の少年、少年たちは、少女の心の病の根源を取り除こうと必死になる、そして悲劇がおきる、事故か故意か、すべては霧の中
    17年後、それぞれ立派に成長した3人を、昔の悲劇の記憶が襲い始める
    心の傷後が、それだけ人を傷つけるのか、人間の心の深層を余すことなく描いている、そして人間はどれほど愛おしいものかも我々に教えてくれる。
    登場人物が次々と悲劇に襲われるのは悲しい、みんなに幸せになって欲しかった

  • すべての悲しい過去が明らかになって、「ああ、読み終わってしまった」と喪失感に似た達成感を味わっている。

    幼くして虐待を受けた人間が前を向くために人を殺す。
    虐待をした親は確かに悪いと思いますが、罪の意識に苛まれる被虐待児に一体罪とはなんだろうと考えさせられてしまった。

    上巻も結構ぐいぐい読ませましたが、下巻はもうノンストップでした。それだけドラマチック。過去と現在が交互に描かれるのですが、どちらも先が気になって寝不足になりそうでした。

    下巻では大切な人がどんどんいなくなってしまいます。不幸の連鎖は止められないのか。結局彼らは救われたのだろうか?

    色々と考えさせられた。

  • 2014年116冊目。

    その時言ってもらえたたった一言で、人はどれだけ救われるだろうか。
    その時言ってもらえなかった一言で、人はどれだけ傷を背負って生きていくことになるのだろうか。
    幼少期の傷を背負った3人の再会から始まる辛い展開の中に、人間の罪悪感の深さや傷口の痛みが強く伝わってきた。
    読後のにすっきりできる話しではないと思う。
    それでも、大切にされるべき作品であると感じる。

  • 読んでいると、体か強張ってしまうような話だった。
    でも、ここで語られるような児童虐待は実際にあるし、増えているかもしれない。
    その子たちの心の傷がどれだけ深く消えないものであるのか、想像すると暗澹とした気持になる。

    虐待がなくても、こころを病んだ子供たちの存在を思うと心が痛む。

  • 読んでたら だんだん予想がついてきて
    もしかして…でも、まさかなあって思いなおして読んでたら 予想が当たってしまった。
    件の家族狩りと同じく 色んな家族がでてくる。
    途中に 死者は時として 心の支えになるという会話がでてくるが 確かに そうだなと思う。
    その後が気になる本。

  • やっぱり思ってた通りの状況だった、ユウキは。

    でもどうして、子供を虐待できる親が存在するんだろう。
    それをする親と、しない親の差は、一体何………?
    意外と、紙一重だったりするなら、とても怖い。

    この本にも何度も書かれているように、子供が全く悪くないのに、「自分のせいなの?」って思わせてしまうことは、本当によくないことなんだなと思った。
    自分の子供たちには、絶対そんなこと思わせないようにしよう、と心に誓いました。

  • 重い…救いのない話だけど過去と現在を交差する展開に引き込まれました。

  • こんなに本の世界にはまりこんでしまったのは初めて。読書のための夜更かしじゃなく、読後の余韻で眠れなかった。
    読んでる時は、3人が救われることを心から願い、読後は、登場人物のその後についてや、「優希がああしていれば!」「母親があの時話してたら!」みたいなことを真剣に考えてしまう。普段の読後は作者の意図の考察なのに。
    重い話で、明るい気持ちになれる本じゃないけど、この本を読んでよかった。次は、結末を知った上で、それぞれの立場で読みたい。また絶対読もう。

  • 分厚くて、暗そうな内容で、読めるかな?と心配だったけど、どんどん引き込まれてあっという間に読み終えてしまった。

    虐待や心の傷って、ずっとずっと苦しめられる。

    笙一郎があんな風になっちゃうなんて思ってなかったよぉ…悲しい。

    でも最後の手紙でちょっと救われた。

    読み応えのあるとてもいい作品だった。

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永遠の仔〈下〉の作品紹介

人は救いを求めて罪を重ねる。連続殺人、放火、母の死…。無垢なる三つの魂に下された恐るべき審判は-。「救いなき現在」の生の復活を描く圧倒的迫力の2385枚。

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