- Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877282868
作品紹介・あらすじ
人は救いを求めて罪を重ねる。連続殺人、放火、母の死…。無垢なる三つの魂に下された恐るべき審判は-。「救いなき現在」の生の復活を描く圧倒的迫力の2385枚。
感想・レビュー・書評
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狡い大人たちのせいで人生を台無しにされてしまった子供たちの壮絶な人生を綴った作品。
同世代の子供たちを持つ1人の親として、また1人の子供として、様々な想いを巡らされた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
重かった。特別な話のようで、誰にでも当てはまるものなのかもしれない。
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親から虐待を受けて施設で育った3人の子どもたちが大人になって再会する物語。
大人になっても心の傷が癒えない彼らが互いに支え合う姿にいたく感動し、貪るように読みました。
悩み多き時期に読んだので、特にのめり込みました。
虐待受けたわけではないけど、何かしら親からの圧力があって、大人になり切れず鬱々とした時期があったのですよね。
ドラマ化されて優希役は中谷美紀さんでしたが、自分の脳内では石田ゆり子さんでした。 -
読めば読むほどに重く暗くなり、どこまでも続く救いのなさに読み進めるのが辛いんだけど、心を鷲掴みにされて三人の行く末に目が離せない。真相を知っても、スッキリとは真逆の思い。最後まで悲しかったけど、物凄く心に残る本だった。
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終わりのない負の連鎖。
本当の救いなんてあるのだろうか。
フィクションのようでいて、きっとどこかに現実として存在する問題なんだと思わせられた。
一つの歯車の狂い、ボタンの掛け違いから全てが狂っていくような恐ろしさ。
その中で幼少期の3人の絆はこの作品唯一の温かみのように感じられ、
負の感情の中にわずかな光を射してくれ、ただただ暗い作品になるのを防いでくれたように思う。
そうでなければ読破出来なかったかもしれない。
それくらい辛い内容だが、引き込んで読ませるのは作者の腕なのだろう。
自分には想像もできない世界の話の中で、共感できる部分があったとすれば、誰しもが大なり小なり自分を受け入れてくれる人を求めているんだろうなという感覚だった。 -
胸が苦しくなる、とても衝撃を受けた本。
読むのが辛い。
救われない時代だけれど少しの希望はあるのだと必死に伝えている気がする。
昨今、目を覆いたくなる事件が多く、救われない人が増えている。
子供には笑っていて欲しい。
子供を守れる世界であって欲しい。-
フォローさせていただきました!
本棚に、ぼくも読んでいる本もあり、とても嬉しいです!
よかったら、よろしくです^_^フォローさせていただきました!
本棚に、ぼくも読んでいる本もあり、とても嬉しいです!
よかったら、よろしくです^_^2023/08/05 -
タロさん、こちらこそよろしくお願いします(^^)
しばらく放置していましたが、またぼちぼち登録してみます
タロさんのレビューも読ませて頂きま...タロさん、こちらこそよろしくお願いします(^^)
しばらく放置していましたが、またぼちぼち登録してみます
タロさんのレビューも読ませて頂きますね2023/08/05 -
2023/08/05
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あらすじ
人は救いを求めて罪を重ねる。連続殺人、放火、母の死…。無垢なる三つの魂に下された恐るべき審判は-。「救いなき現在」の生の復活を描く圧倒的迫力の2385枚。 -
考えさせられました
トラウマに縛られたとしても、それでも歩かねばなりません -
2014-10-28 まだ途中だけど、あまりにも重苦しくて、読むのが辛い。
面白くないわけじゃない。むしろ、話にぐいぐい引き込まれる。でもテーマが重過ぎて読んでいて辛い。
2014-10-29 読了。最後は一気だった。
登場人物が(モブも含めて)ばったばったと死んでいく。読んでいて辛くて、でもおもしろくて先に先にと読んだ。
18年前の話と現在の話が交互に語られるんだけど、そのどっちもおもしろくて、ついつい続きをすぐに読みたくなる。
でもガマンして、交互に語られるまま読んだ。
読みながら何度か泣きそうになった。
どうか、この子たちに救いがありますようにと願った。
途中、救いになりそうな人たちも現れた。岸川夫婦とか、奈緒子とか。
子どもたちは、お互いの傷に寄り添うことで自らの心も傷ついていた。私も彼らの気持ちになって読んでしまうとひどく気持ちが沈んで、特にモウルのことを考えると胸がかきむしられるようにつらくなってしまって、だめだった。
もう二度と読みたくない。でも、おもしろかった。 -
読んでいてとても辛かった。サスペンス的な要素もあって、真相はなんなのか気になったけど、それよりも、どうかこの3人が救われますようにって祈る気持ちで読んでいた。
どんなにひどいことをされても、子供は親を思っていて、嫌われないように捨てられないように、自分を犠牲にしてしまう。自分が悪いと思ってしまう。子供はひとりでは生きていけないからつらい。
子供時代に、子供でいることを許されなかった子供は、結局大人にもなりきれず、子供なまま親になって、また同じことを繰り返してしまうのか。そう考えると救いがない。
重たくて辛い物語だけど、読んでよかったと思った。
2016/12/27 -
子供の頃の虐待の記憶は、その後どんなに手当てをしても決してなかったことにはできないのだと、心に楔を打ち込まれたような作品でした。親として子供を育てていくことの責任、難しさ、覚悟を突き付けられたような…。もう少し早く読んでいたら、と後悔しながら、また、どんな悲しい結末になるのか息を詰めて読みました。素晴らしい!
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児童養護施設で育った3人の子どもの、若き日と大人になったからの物語。
天童さんはこの作品ではじめて読んだのだけれど、
メッセージの重みと深さが圧倒的で物語の中に完全に引きずり込まれた。
「生きているだけで、いいんだよ。」って何度も何度も語りかけてくるんです。
本当に時間をかけて、言葉を選び物語を練り、魂を込めて書かれたと思われる至高の作品。もはや職人業である。 -
重く辛い内容に、幾度も涙が出て、心が締め付けられる。
度々ページを閉じては、登場人物の過去現在の苦しみををかみしめる。
その作業を繰り返しながら読み終えた本です。
けれど読み終わりが近付くにつれ、終わってしまう焦りがありました。辛いのに抜けだしたくない魅力を持つ作品でした。
親となった今、読み直したらまた違った印象を受けるのかもしれません。 -
子供の頃に受けた精神的な傷は、大人になっても癒されることがなく、かえって傷が深くなる。そして、その傷に人生を翻弄させられてしまうのではないかと思う。
人の心の奥底に潜む闇に、触れないように、近づかないようにするのだけれど、結局は引きずりこまれてしまう。
子供の頃に受けた傷を、どう浄化させればいいのか?
浄化させないと生きるのが辛い。
かなりヘヴィで、救いようがない小説だった。 -
上巻では分からなかった真実がついに明らかになる。
嘘に嘘を重ねていったから、余計に苦しくなってしまったのかな…って思うことはあるけど、嘘で隠さなきゃいけないぐらいの過去だった。
最後はみんな、過去の因縁から少しは逃れることが出来たのかな。
そうであって欲しい。
このあとも、残された二人の人生は苦しいものになると思うけど、きっと乗り越えていける強さ、自分を受け入れる強さを身につけたと思う。
最後に、母親から優希に当てた手紙で
「お父さんの過去に辛いことがあったかもしれないけど、それはあなたには関係のないこと。あなたは絶対に悪くない。あなたの魂は美しい」
って言葉には、私も少し救われた気がした。
虐待の連鎖を断ち切るのって、正にこれだと思う。
いくら自分が子供のときに辛い目にあったとしても、同じことを子供にしていい資格なんて誰も持ってないんだから。
重く、辛い内容だったけど、これは完全はフィクションではない。
現実にこういうことが起こっていると認識するべきだということを、教えてくれた。 -
読んでる間中、辛かった。
みんなに幸せになってほしかった。
果てしなく重い大人たちの罪。
邪鬼に憑依されるのか。
罪なき者たちが
背負わなくてはならなかった。
あなたは悪くないって言ってあげたい。
今もあり得る。
子供を傷つけるなら、
手放す勇気も持ってほしい。
子供はあなたの所有物じゃない。
誰しもが、いい親になれるわけでなし。
親であることに執着しないで。
ひとりになる怖さと向き合って。
愛する子供のために。
すべては愛する我が子のために。 -
四国にある双海小児総合病院の児童精神科で出会った三人の少年少女。
そこで起きたあることは、18年後に再会した三人の心にもまだ深く刻み付けられていた。
親と子、こんなにも悲しい痛みの連鎖をどうしたら断ち切れたのか。誰が変えられたのか。
読んでいて本当に苦しく、考えさせられる、読み応えのある作品だった。
本筋とは別に心に残った部分メモ
イフェメラのノートより
『あなたたちは、自分が静かにしていたいとき、幼いわたしが声を上げると、愛さなかった。あなたたちは、自分のしてもらいたいことに、幼いわたしが従わないと、素直でないとののしった。自分の欲求を抑えられないのが子どもなら、本当はどちらが子どもだったの・・・・・』 -
この本は、泣けます。是非、読んでください。
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心が揺さぶられた。
嗚咽しながらボロボロ泣きました。
フィクションだと分かっていても、読了後は静かに目を閉じるしかなかった。
それぐらい衝動的で悲しい真実に彩られた心理物語。
物語の構成と伏線の伏線も見事で騙されました。
そして最後の伏線も悲しい真実があった。
でも悲しいだけで終わらせない、子に対する母親の愛情が見えた伏線で心が打たれた。
抉るような心に傷を抱えた登場人物たちが、今を生きる心の苦しさと葛藤そして迷いが理解出来る。
性的虐待、育児放棄、イジメ、身体的劣等感、心の病など、様々な問題を生々しくこの物語で描いているが、
登場人物たちと同じく子供に受けた心の傷は、大人になっても簡単には消えはしない。
普通の人と同じように生きようと、もがけばもがくほど現実に苦しむ。
今、この瞬間にも、それらに悩み葛藤しながら生きている人達がいることを思い浮かべてしまう。
だからこそ物語の3人には、最後幸せになって欲しかった。
笙一郎の結末が悲しすぎて泣いてしまう。
普通に生きたいだけなのに、心の闇や現実問題がそうさせない。
生きてても良いんだよ。と、私も3人に語りかけたかった。
ルフィンとジラフとモウルの名前も、悲しい現実だが下巻で名前の意味を理解できた。
煙草の火の押し潰された痕が無数にあるから、キリン=ジラフ(英語名)だとわかった時に胸が苦しくなった。
どんな結末でさえ、優希と梁平、笙一郎の、3人の絆と生きた証が残る物語だった。
今まで読んだ本で同著者の「悼む人」と同じくらい一番心が揺さぶられた物語でした。
様々な感情が取り巻くが、読めて素直に良かったと思える物語です。
下巻の個人的なメモ↓
イフェメラの日記P113
「ときどきこの世界って、親が大人とはかぎらないってことを、忘れるみたいね。子どものままでも、親になれるんだから。
親ってだけで、子どものすべてをまかせるのは、子どもに子どもを押しつけてる場合もあるのよ。
子育ては競争じゃないって伝えるところが、どうしてないの。
支える道も作らずには、未熟な親を責めるのは、間接的に子どもを叩いているのと同じかもしれないのに。」
P292の施設長が笙一郎に語る、介護の考え方が新鮮で救いがある。
P443優希
「つらさばかりを感じながらも、どうにか生きてこれたのは、いつか、ほめてもらえる日のあることを信じ、それに憧れ、求めていたためだと思う。」
P490優希(梁平の回想)
「生きていても、いいんだよ。
おまえは…生きていても、いいんだ。
本当に、生きていても、いいんだよ。」