- Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877282929
感想・レビュー・書評
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文庫本で読んだので、文庫本で登録している。
挿画が素晴らしいとのことなので、いつか手にしたい、心の積読。
…と2年前に書き込みましたが、幸運なことに古書で手に入れました。
こんないい本を手放した人がいるなんて!とも思うけれど、これも何かのご縁。
大切に預かることにします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ハイ・ファンタジィの大傑作。
少女と少年の成長譚であり、人間という生き物の可能性を示してくれる一冊です。
人生に疲れた時に、この本を開きます。
自分という存在を見失いそうになった時に、この本を開きます。
ここには、忘れてはいけない気持ちが、たくさん詰まっているから。
ここまで感動出来た作品は他にありません。
ただただ夢中で頁を繰りました。
世界の、いや、人間の醜悪さと美麗さ。
それをとことんまで描き切った作品です。
この本の帯には、こんな言葉が書かれていました。
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「M.エンデ+J.クロウリー+宮崎駿を連想させる圧倒的な筆力!!」
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大袈裟な、と思いつつ、興味を引かれて買いました。
そして、読了後、この言葉は嘘偽り無いものであったと、深く納得しました。
文学は、ただの娯楽ではない。
そこには、「世界」が詰まっている。
そしてファンタジィとは、その究極の形である。
それを、分からせてくれる作品です。
この本の魅力は、読んでもらわなきゃ伝わりません。
断面を切り取ることが出来ません。
言えることは、読まない人は、確実に損をしている、という事だけです。
さっき、何回目か分からない再読をしました。
そしていつものように、中盤過ぎ辺りから、幾度と無く涙を流しました。
その涙は、悲しいもの、辛いもの、嬉しいもの、いろいろです。
読後に、やっぱり、いつものように、心に光をもらいました。
本書の魅力は、随所に挿入される挿絵にもあります。
宮山香里さん( http://www.studioetcetera.com/staff/kaori/ )が描く、その美しい版画の世界。
著者の向山貴彦さん( http://www.studioetcetera.com/staff/mobs/index.html )と、その世界観を共有しながら描いた「クローシャ」の風景。
そして、登場人物たちの表情。
とても活き活きとしていて、物語の側面をしっかりと支えています。
この挿絵を堪能するためだけに、単行本を選ぶ価値は十二分にあります。
僕には出来ないことだから、この本に頼りたいのです。
いま、たくさんの絶望を抱えている人へ、この本を贈りたいのです。
この本に書かれていることは、きっとたくさんの力を与えてくれるから。
文学の持つ、希望を与えることの出来る力が、たくさん詰まっているからです。
いくつか、フレーズとして登録しておきます。
ぜひ、読んでください。
読み終わった時、あなたの世界を見る目は、すこし優しくなっているはず。
<<追記>>
2018/3/5 著者である向山貴彦氏が永眠されました。享年47歳でした。
http://studioetcetera.com/main/archives/5012
以前使っていたサービスで、コメントを頂いたことを思い出します。
まさか著者に読んで頂けるとはという驚きと気恥ずかしさ、そして何よりも嬉しかったです。
この素晴らしい作品を生み出してくれたことに、心からの感謝を。ありがとうございました。
どうぞ安らかに。-
ナイス酔狂(^o^)
いけださんのリアル本棚はどうなっちゃってるんでしょうね???
うらやましいような、おそろしいような。ナイス酔狂(^o^)
いけださんのリアル本棚はどうなっちゃってるんでしょうね???
うらやましいような、おそろしいような。2021/03/02 -
ナイス酔狂(^o^)
いけださんのリアル本棚はどうなっちゃってるんでしょうね???
うらやましいような、おそろしいような。ナイス酔狂(^o^)
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うらやましいような、おそろしいような。2021/03/02 -
ナイス酔狂(^o^)
いけださんのリアル本棚はどうなっちゃってるんでしょうね???
うらやましいような、おそろしいような。ナイス酔狂(^o^)
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うらやましいような、おそろしいような。2021/03/02
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最初の方は、読んでいてつらくて本を閉じてしまったほど。これでもかと不幸になっていくペチカ。
おとぎ話なら、主人公は不幸であっても心映えは美しく…というものですが、こちらは人間不信で攻撃的です。
そんなペチカがどういう風に変わっていくかというのが見どころです。
最初の方に仔猫が出てきますが、その仔猫への仕打ちがあまりにもひどくて、そのシーンだけでこの本が嫌いになりそうでした。読み終わった今でこそ、また読んでもいいかも、いや、また読んでしまうかも、と思っていますが、そのシーンだけは読めないかもしれません。 (猫好きとしては耐えられません)
しかし後からじわじわと余韻がくるような不思議な読後感です。クセになるかも^^;
ファンタジーっていいなぁ♪ -
中学生の時に読んで以降、何度読んでも涙が止まらないくらい感動する。初めて徹夜して読んだ本。
主人公がすごく嫌な性格の女の子だったことも衝撃で、ずっと忘れられない。
何度も読み返したくなる、私にとっての大事な一冊。 -
主人公のペチカをとりまく環境は、
厳しいもので、1日1日を生きることに精一杯。
理不尽なことも多い。
そんな、ある日妖精と出会って体ペチカの周りがかわっていく。
とても描写や心情の変化がわかりやすく書かれているのでついつい感情移入してしまい、読み進めていける物語。
人は1人では生きてはいけない、そんな風に思わせられる一冊。誰もが旅の途中。人生の中で、どんな人に出会えるかが大切だと感じさせられた。 -
辛くさみしい過去を送っていた主人公の心がだんだんと人を信じられるようになり、最後は、みんなを救う。
涙なしでは読めませんでした。 -
貧しい少女ペチカと妖精フィッツが出会い、旅立ち、成長していく物語。
いじめっこの男の子の成長物語も絡めている。
最初、ペチカの不幸っぷりがあまりにも克明に長々と綴られてて、苦しくて本を閉じそうになった。
そして、不幸が故に攻撃的で信じる心を失ってしまったペチカが、その後旅を続けながら体験していく中で少しずつ人を信じられるようになっていく。
分厚い長い物語だけど、読みやすいくて一気読みした。 -
ぐいぐいと物語に引き込まれていった。
こんなファンタジーを日本人で書く人いたんだ・・・
貧しいが故に心も貧しくなっていく人間。
でもそんなことはない。
「誰だって自分が思っているよりすごい人間だよ」
このメッセージを胸に他人を認め、許し、自分を戒め、
少しずつ人は変わっていける。
もう一度読み返したいと思った数少ない作品です。 -
ファンタジーも、かな?
主人公に共感できないまま、読み進んだが、グイグイ引っ張られた。
人の心の憎しみが、読んでいて辛かった。
それでも、話に引っ張られ、どんどん連れて行かれた。
人は変わることができる。
きれいごとではすまないことはたくさんあるけど、それでも
人と関わり続けることで、何か変わっていくことができる。
読んでよかったし、子どもにもいつか読んで欲しいと思う。 -
久しぶりに読んだファンタジー。
全く異なる世界を想像して読み進めるのは久々の感覚で楽しかったです。それぞれの街がとても魅力的です。
人間の弱いところ強いところ、醜いところ美しいところ、怖いところ優しいところが率直に書かれています。
思わず涙したりもしました。
想像の世界に遊びたい人、子供の頃のちょっぴり苦い思い出がある人にお勧めです。