海嘯

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著者 : 中島みゆき
  • 幻冬舎 (1999年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877283407

海嘯の感想・レビュー・書評

  • 『夜会』は未観賞ですが、中島みゆきさんの詞が好きで本書を手に取りました。
    行間といい文字数といい、初見は「詩集かな?」と思って読み始めたのですが、読み進めれば行間すら物語の一部なのだと確信する内容の濃さ。
    すごい。もう本当に、壮絶な言葉の世界です。

    ”どんな人にも 必ず夢は叶う 一生にひとつだけ叶う
    引き替えに 一生の何もかもを失ってもかまわない約束で 
    夢は 一生にたったひとつだけ叶う”

    作中のこの言葉が物語の芯でありギミックであり、総てであります。

    言葉の美しさも然ることながら、物語の完成度も素晴らしいです。
    ミステリ好きにもおすすめ出来る展開で、彼女の復讐がどうなるのか、たった一つの夢は叶うのか、続きが気になって一気読みしてしまいました。
    読み終わって呆然。もう一度ページを捲り直して、ああそういうことだったのかと呑み込んで、呑み込んでも呑み込んでも溢れてくる切なさに、夢にまで見る始末。本当に壮絶です。

    シンガーソングライターとしての中島みゆきさんしか知らなかった私には、本書は強烈でした。
    今後はストーリーテイラーとしての彼女の一面を、もっと知っていきたいと思います。

    夜会観て見たいなぁ…

  • 人の情念、そして夢幻。1行1行が胸に突き刺さり、一言一言が胸をえぐる。永く詩人として歌に携わる著者は、やはり言葉の力を知っている。物語の行方を知っている。今あらためて、中島みゆきと同時代に生きた幸せを噛みしめる。
    詩であり、小説であり、ミステリーであり、文学である。どんな小説家の言葉よりも、みゆきさんの言葉は胸に刺さる。記憶に残る。すべてを包み込み、すべてを語る海。そしてすべてを飲み込む海。人生のすべてと引きかえにたったひとつだけ叶う願い。それを憎しみではなく、彼女は新しい命の誕生に捧げた。その決断は、苦しく、切ない。だけど、物語にとっては最高の結末だった。そして、1960年・・・。だめだ。もう涙が止まらない。

    図書館の「詩歌」コーナーにありました。「小説」コーナーに置いて、もっとたくさんの人に読んでもらいたい本です。

  • 【目次】
    序章 穏やかな海
    一、 雪を抱く海
    二、 孤船
    三、 崖
    四、 親展
    五、 爪
    六、 霧の橋
    七、 献灯
    八、 影人形
    九、 人さらいの海
    十、 彫
    十一、 此岸
    就床 海嘯

  • 借本。
    長編叙情詩ですが、小説みたいに読めました。
    頁をめくる指が加速していく本でした。

  • 図書館で何気なく手に取った本。
    小説と言うより叙事詩? 期待はしていなかっただけに読了感は思いのほか良かった。 
    この本の元になった「夜会」という舞台が気になる。

  • 中島みゆき氏の舞台『夜会』をベースにした長編叙情詩。
    あるホテルのオーナーの義娘は、自分の本当の両親が旅館を経営していて、悪意ある者の陰謀で乗っ取られ、死に追いやられたと知ります。
    彼女の長い復讐と、それを見守る海。
    筆者独特の美しい言葉遣いで語られる不思議な物語です。

    『人を 最後に裁くのは 人では ありません』
    という梁医師の言葉が好きです。

  • 散文詩。というジャンル設定ですが、小説として読めます。起承転結がハッキリしているので安心して読めますよ。

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海嘯の作品紹介

夢を捨て、愛を捨て、両親を陥れた人間への復讐だけを胸に生きてきた女性実業家が、病の淵で初めて見つめた己の心の闇。十年目の「夜会」をベースに高らかに唱い上げる中島みゆき初の長編叙情詩。

海嘯はこんな本です

海嘯のKindle版

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