- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877284862
感想・レビュー・書評
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輪廻転生する自分、心霊写真を撮ってしまう自分、
世界の終わりを夢想する自分、電話メッセージに凝縮させる自分、
サブカルチャーに過剰にこだわるオタクの自分、
社会的正義を欲望する自分・・・
そんな「自分」が、アイデンティティの根拠となる何かを
模索する試行錯誤の時代、平成。
その「平成の精神」を、これら諸現象から大胆に読み解いた思考的考察。
幻冬舎文庫(H9/8/25初版発行)
○?
前世を渇望する少女たち・・・転生者、戦士としての存在理由
複製技術時代の心霊写真・・・全自動カメラによる自己認証
音声のイミテーション・パラダイス・・・伝言ダイヤルというイメージ交易
灯り続ける商品の不夜城・・・コンビニエンス・ストアがつなぐ共同性
うわさが宿した千年王国・・・平成改元とハルマゲドン幻想
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「おたく」という現象・・・その社会的起源
「おたく」に死す・・・富沢雅彦の生涯
○?
「現代思想」はいかに消費されたか・・・言説という商品の80年代史
新聞投稿にみる「発言したい欲望」・・・精神病理としての正義詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者が90年代に各種媒体で発表した「同時代論」をまとめた本。
結果、平成日本の時代精神を解題するに至った。
本書は1991(平成3)年にJICC出版局から出版された単行本が1997(平成7)年に幻冬舎から文庫化されたもの。
そのあとがきでは、文庫化までのタイムラグの間に始った「言論の新世紀を告げる「事件」」、小林よしのりによる『ゴーマニズム宣言』について特筆している。