- Amazon.co.jp ・本 (122ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877284886
感想・レビュー・書評
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人を亡くしたら、忘れたくないって思う。でも、少しずつ、その人がいた気配が消えていく。消したくないのに記憶は薄れていく。すごく怖いこと。でも当たり前のこと。忘れないためにどうにかしたい。あがきたい。そんな気持ちがここにあります。
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気だるい夏のお話は好きです。
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きらきらと人が輝く時間。生と死。愛する人。『ネガとポジ/正反対のもの。/たとえば、白と黒。/天国と地獄。/南国と、いつも私のいた世界。』
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死んだ恋人を思って植物園に行く話。独白っぽくて意外とつまらなかった。
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狗飼恭子は大学生のころにずいぶんと読んだのだが、おととし本の大整理を行ったときにほとんど手放してしまった。
しかしいまでもたまに読みたいと思うのが、この『南国再見』だ。
恋人が消えた。私を残して、いなくなってしまった。旅にばかり行っていた彼は「俺、天国って南の国のことだと思うんだ」と言い残して死んでしまった。
彼が残していった大きなコートには彼のにおいがしみついている。そのぶかぶかのコートを羽織って、私は彼のいる南の国を探しに行く。
<人は二度死ぬという。
一度目は自己の死。
そして二度目は人に忘れ去られるという死。
忘却という死。
それならば私は、忘れないでいよう。
できるかぎり、できるだけでいい。
私の中で生きればいい。
私は彼を胸に抱いたまま生きよう。
そのままで、他の誰かを愛そう。
ただ、私は。
ほんの短い間ではあったけれど、二人の重なった軌跡を、大切にしよう。
それが私のできるすべて。
あなたは永遠に私の恋人ではないだろうけれど、私は、永遠にあなたの恋人。>
そんなお話。悲しいよ。 -
人を思う大切な部分って大事にしたいな。