ラブ&ポップ―トパーズ〈2〉 (幻冬舎文庫)

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著者 : 村上龍
  • 幻冬舎 (1997年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877285494

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ラブ&ポップ―トパーズ〈2〉 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

  • 【拝啓女子高校生の皆様へ】

    僕の知っている皆様は今もどこかで援助しつつされつつ生きていらっしゃいますか?それとも、もう過去は忘れて、田舎で子供を育てていますか?それとも、ゴミ溜めのような生活のまま男に蔑まれて生きていますか?

    あの時の女の子達はどんな女性になって生きていますか?

    今の女子高校生の皆様
    貴方達はどんな生活を送っていらっしゃいますか?今でも援助交際をしている方はいらっしゃいますか?消えないけどダサい事になった昨今。貴方方はどういう感覚で生きていらっしゃるのでしょうか?

    自分を売る援助交際は、今はアイドル活動に他ならないのかもしれない。

    リアルではない。リアルは今のことに限りなく近いから。だけど、あったかもれない。こんな物語が、東京のどこかで。そしてそのこは今、社会で生活を営んでいる。貴方のすぐ傍で、何食わぬ顔をして、悩みながら、後悔しながら、前を向きながら、笑って。

  • 2014年7月10日読了。援助交際をする女子高生を主人公に据えた97年刊の村上龍の話題作、龍ファンの私が読み落としていた作品だが今回読むことができた。たまたま眼にしたインペリアルトパーズの指輪を「今手に入れなければこの気持ちを忘れてしまう」と考え、代金の12万8千円のため身体を売ることもいとわない援助交際を決断する裕美の思考は切実で平板で、ゾッとするほどリアル。援助交際で数万のお金を手にする女子高生は拝金主義ではなく、「お金よりも大事なものがある」ことを知っているからこそ・お金を使って消費をするために、お金を手に入れかつ自分の価値を確認できる援助交際に手を染める、ということなのか・・・。伝言ダイアルのメッセージ、渋谷の雑踏の会話、男たちの言葉、すべてが猥雑でリアルで嫌になるが目を離せなくなる。この時代から十数年たった現代を生きる女子高生は、今何をどう感じているのだろうか・・・?

  • 映像を文字にしたような異質な文章ですが、今読むと時代を感じて良いと思います。
    終盤のセリフのために全てがある本だと思います。

  • ページをめくるごとに移ろって消えてしまう私達の気持ち

    なにかの評論で紹介されていて読む。
    しかしトパーズの指輪は欲しがらないと思う。時代?
    なんとなく、クリスタルが流行るようじゃ

  • 96年夏 裕美は宿命的に一目惚れした12万8千円のトパーズの指輪を買う為に援助交際を決意する。
    手に入れたいと思ったものはその場で行動に移さねば大切なものがツルンと消えてしまう。
    村上龍が描いたこの時代の女子高生は仲間の魅力を誇り、真剣な目でその魅力の価値を尊重する。
    心の中で確かな「個」が揺れている。

  • その場限りの欲望を満たすために
    人は、己の貴重な時間…若さを切り売りしていく
    そのようにして、経済は回っているのだ
    別にそれ自体は批判すべきことではないだろう
    基本的人権さえ守ってもらえるなら
    それで社会は繁栄していくわけだから
    プロレタリア運動がけして到達しえなかったであろう
    理想社会の実現だった

    問題は人権…人としてのプライドについて、である

    1990年代半ばごろ、「援助交際」というものが流行した
    一般には少女売春の一形態と理解されることも多かったが
    必ずしもそう限ったものではない
    基本、「おこづかいあげるからおじさんと一緒に遊んでよ」
    という
    あくまで「お友達申請」なのである
    もちろん、お友達から恋人に発展することもあるだろうし
    セックスに至る可能性だってないわけじゃない
    だからこれは売春ではない
    つまり違法行為じゃありませんよ、というわけだ
    しかしそういう大義名分によって、直接の売春も行われていた
    それが援助交際
    明確な定義を絞ることの難しい、曖昧ななにかであった
    曖昧だからこそ、それによって
    自らのプライドを切り売りしているのだという意識も
    薄かったのだと思う

    そんな、ミソスープのように曖昧な世の中で
    キャプテンEOを自称する、世直し気取りのレイパー
    彼は、彼自身も曖昧な存在でありながら
    そういう世の中に憤っている
    愛も幻想もファシズムも実現しえないこんな世の中じゃ
    草の根的にペニスを屹立させていくしかないのか

  • 前に読んだのは十数年前で、もうすでに女子高生ではなかったけど、夢中で読んだ。ちょっと違うと思っても、村上龍みたいなおじさんが女子高生のことをかいてるのはかわいらしく思った。
    今読んだらすごく読みにくかった。でもよかった。キャプテンEOもコバヤシもいい。

  • 援助交際とかポケベルとかテレクラとか、そう言うものが、ワサワサ出てくる。
    それが気になっちゃうけど、ちょつと我慢して。
    この小説は、ホントに欲しいモノは自分の感覚だけを信じれば選ぶ事が出来る。って事と、それを手に入れるためには、自分で考え自分で決める強さが必要。って事が書かれている。
    たぶん、そうだ。

  •  援助交際で手にすることが出来る物がある一方、失うであろう「心の何か」を微妙ににおわせる。全体的に軽いタッチが時代を上手く表現している。

  • 普段なら、手に取らないジャンルの本。
    援助交際をする側の女の子の気持ちを描いている。
    実際の女子高生にインタビューをしたみたいだが、その割に、童話の様に、現実味が低い。
    援助交際も体の関係を持つのではなく、ご飯を食べたり、カラオケに一緒にいったりでとまっている。
    現実もそこどまりなのだろうか?
    最後も、きれいごとで終わっている。
    やっぱり、この手の本にありがちな言い訳の本にしか感じなくて、残念であった。

  • 初めての村上龍。 春樹が好きな人は龍を読んで作風の違いに絶望するって良く言うから、今まで何となく敬遠してきた作家。丁度家にあったし、一冊くらい龍も読んでみようと思いチャレンジ。 援助交際する女子高生のお話。 まぁ、思ったのは「あ、村上龍ってこういう文章書くのね」ということ。 絶望はしなかったけれど、好きな文体ではないかな。 この作品は題材も感情移入できなかったしな。 2010/102

  • 「援助交際」をなぜするのか?
    というテーマは、難しく、
    いまの高校生の気分をつかむことから始める。

    <「援助交際」といっても、「売春行為」に他ならない。
     きれいな言葉に置き換えてあるにすぎない。
     誰が、発明した言葉だろうか?>

    と思っていたが、援助交際は、
    しゃぶしゃぶにつきあうだけだとか、
    一緒にカラオケに行くとか、
    手料理を食べてやるとか、
    その形態は不思議なものがある。
     
    横井奈緒、高森千恵子(母親39才)、
    野田佐知、吉井裕美(母親44才)
    吉井裕美 トパーズを見て買いたいと思ってしまう。
    ウエハラ、キャプテンEO、・・・

    青年たちが、存在感をなくして、
    「生きる」という意味さえも失っていく。

    ある意味では、作者である村上龍自身が、
    いまという現実に、
    驚いているといってもいいのかもしれない。

    *プラダを買うために、
    マクドナルドで、半年も働く人はいない。
    なぜお金がいるのか? 
    あったほうがいい。
    そこに求めるものは。

  • 庵野秀明さんによって映画化された「ラブ&ポップ」の原作。
    かつて社会問題となった援助交際を描いた作品です。

    ~あの素晴らしい愛をもう一度~をBGMに少女が川を歩く映画エンディングは
    とても力強かったが、オリジナルである本作は さらに良いです。

    本作が素晴らしいのは、
    「なぜ 援助交際に手を染めるのか」と「なぜ 援助交際をしてはいけないのか」、
    この二つの問いに対する 明確で腹落ちできる 答えが記されていることです。

    TVワイドショーの演者ように、倫理観や社会通念や常識から
    「ダメなものはダメ」と曖昧に答えるのではなくて、
    日本国の経済状況の変遷と個人幸福の変化まで深く時代背景を考察し、
    その上で少女が納得できるロジカルでシンプルでかつ愛あふれる答えが小説の最終章に用意されています。

    素晴らしい作品。
    感化され過ぎたのか、
    将来、もし自分に娘ができて 問題に直面したら こう話そう、と思ってしまうほどでした。

  • 読むものが何もない時は、家にある村上龍コーナーから適当に。

    何回目かしらこれ
    4回くらい読んだかな?
    何度読んでも飽きないなあ村上龍

    これは結構軽く読めるのですきです。
    毎回シベールの日曜日を観よう観ようと思いながら忘れてしまう

    大切だと感じたものはすぐに手に入れないと平凡なものに変質してしまう

  • 村上龍のなかでいちばん好き。いま読むとふるくさいけれど、青臭くて好き。

  • 「女子高生援交もの」だけどこの手のものにお決まりの予定調和的な展開(いわゆる女子高生の魂の救済エンド)、そんなものはない。ただ淡々と、目まぐるしい速度で、日常は過ぎていく。電車の窓を流れていく景色のように。ありあまるほどの物質と記号に囲まれて。そんな中で、目がくらむほどの輝きを、いっしゅんだけ放つものもある。インペリアル・トパーズの指輪。そして、紙ナプキンの切れ端に書かれた秘密の名前、「ラブ・アンド・ポップ」。

  • 単身赴任の中、自宅の断捨離対象になった。
    学生時代から村上龍にはまっていた。
    内容はほとんど覚えていない。
    記憶力の頼りなさを感じさせられる。断捨離。 111009

  • 若さは素晴らしくなんかない。若さは際限なく孤独だ。

  • 臨場感と人の心を読み取るような文章は、さすがです。
    でも、ストーリーはハッピーエンドのようでこのタイプならもっとヤバいところまで追い込んでも・・・と思ってしまいました。

  • 描写が大好きな作品のひとつです。カラオケに行ったときに歌った歌詞を入れたり、会話文をそのまま入れたような文や、細かい人間の描写が読んでいてドキドキする部分がありました。
    ラストでキャプテンEOが裕美に対して言った台詞が忘れられません

  • トパーズの指輪を手に入れる為に援助交際する女子高生の一日。ラストの一文がなぜか強烈に印象に残っている。意味があるのかないのか判然としないけどなんとなくほっとする終わり方。羅列される無意味な会話には頭が痛くなった。

  • 表紙絵の通り、いまどき女子高生の話です。
    私個人の意見としては、援交は別に・・・です。
    そういう意味では登場人物に感情移入もしやすかったはず・・・
    なのに1回目に読んだときは何かが違いました・・・
    そう、最後まで読んでなかった~~!(ちょっとした事で><)
    そりゃ不快感も残るわ・・・と気づいたのは1年後・・・
    一気に読んでいればもうちょっと違った感想が出てきたのかも・・・
    人間、一年間も同じ感情で生活はできません。

  • 久々に読んだ村上龍。
    相変わらずぶっ飛んでる文体だなって。
    渋谷の騒々しさとかは分かったけど、好きじゃないな。
    ただの文字の羅列。
    援助交際をしてしまう女の子のお話。女子高生目線でね。
    思ったその日に買わないと価値がなくなるってのは共感。
    最後、ピラフのついた紙ナプキンに書いてあった名前。ラブ&ポップ。
    そこは良かったよ。

  • 村上龍の作品で一番好き。
    女子高生の援助交際をテーマにしてるけど、変に説教めいてなくて、単なる手段としてさらっと扱っているのが好印象だった。

    ただあとがきの「女子高生の立場で書いた」みたいなのは同意できない。
    最終的にポジティブな終わり方だけど、そういうちょっとだけ成長しましたみたいなのって「物語の都合」でしかない。女子高生はこんなこと思わないだろう。

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ラブ&ポップ―トパーズ〈2〉 (幻冬舎文庫)の作品紹介

高二の裕美は、初めて最後まで付き合う援助交際を決意した。真夏の渋谷で出会った12万8千円のインペリアル・トパーズ。それを見つけた時、心臓のあたりが凍りついたような感じがしたからだ。欲しいものを、今、手に入れるため裕美は伝言ダイヤルにアクセスする…。援助交際を女子高生の側から唯一描き、新しい世代に爆発的な共感を呼んだ衝撃作。

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