ラブ&ポップ: トパーズ2 (幻冬舎文庫 む 1-7)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877285494

感想・レビュー・書評

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  • 【拝啓女子高校生の皆様へ】

    僕の知っている皆様は今もどこかで援助しつつされつつ生きていらっしゃいますか?それとも、もう過去は忘れて、田舎で子供を育てていますか?それとも、ゴミ溜めのような生活のまま男に蔑まれて生きていますか?

    あの時の女の子達はどんな女性になって生きていますか?

    今の女子高校生の皆様
    貴方達はどんな生活を送っていらっしゃいますか?今でも援助交際をしている方はいらっしゃいますか?消えないけどダサい事になった昨今。貴方方はどういう感覚で生きていらっしゃるのでしょうか?

    自分を売る援助交際は、今はアイドル活動に他ならないのかもしれない。

    リアルではない。リアルは今のことに限りなく近いから。だけど、あったかもれない。こんな物語が、東京のどこかで。そしてそのこは今、社会で生活を営んでいる。貴方のすぐ傍で、何食わぬ顔をして、悩みながら、後悔しながら、前を向きながら、笑って。

  • テーマは援助交際。周りでやっている人もいなければ、自分自身の経験もないので、詳しくは知らないが、「良くない」ものだという暗黙の事実は感じていた。この本を読んだ後に援助交際が「良い」ものと思うようにはならないが、「良くない」と定義するのも無責任ではないかと思った。本の中で「援助交際は良いものか悪いものかは誰も決められない。根拠がなく、個人のモラルの問題だから」と筆者がいう。援助交際に限らない。身の回りでは理不尽な決まりがたくさんある。先生が言ったから、親が言ったから、政府が決めたことだから。と大人にただ従っていくだけでいいのか。理由を聞いても、そういうものだからと。私たちはそういう大人に果たしてなりたいのか。私はなりたくない。
    本の内容に戻ると、主人公は自分の価値を感じるために援助交際をしていたのかもしれないと思う。世の援助交際をしているすべての人に言えることだ。
    買いたいものがあってお金が欲しいからなど理由は様々だが、援助交際だとしても初対面の相手を待ち合わせ場所で待ってるときはドキドキすると思う。それを気持ち悪いと思う人もいるが。
    どんな相手であっても自分のどこかしらに魅力を感じなければ選ばれない。自分を選んでくれた、自分の価値が目に見えるその瞬間、その人は幸せを感じるかもしれない。人間はそれくらい単純なのかもしれない。

  •  援助交際で手にすることが出来る物がある一方、失うであろう「心の何か」を微妙ににおわせる。全体的に軽いタッチが時代を上手く表現している。

  • 普段なら、手に取らないジャンルの本。
    援助交際をする側の女の子の気持ちを描いている。
    実際の女子高生にインタビューをしたみたいだが、その割に、童話の様に、現実味が低い。
    援助交際も体の関係を持つのではなく、ご飯を食べたり、カラオケに一緒にいったりでとまっている。
    現実もそこどまりなのだろうか?
    最後も、きれいごとで終わっている。
    やっぱり、この手の本にありがちな言い訳の本にしか感じなくて、残念であった。

  • 「援助交際」をなぜするのか?
    というテーマは、難しく、
    いまの高校生の気分をつかむことから始める。

    <「援助交際」といっても、「売春行為」に他ならない。
     きれいな言葉に置き換えてあるにすぎない。
     誰が、発明した言葉だろうか?>

    と思っていたが、援助交際は、
    しゃぶしゃぶにつきあうだけだとか、
    一緒にカラオケに行くとか、
    手料理を食べてやるとか、
    その形態は不思議なものがある。
     
    横井奈緒、高森千恵子(母親39才)、
    野田佐知、吉井裕美(母親44才)
    吉井裕美 トパーズを見て買いたいと思ってしまう。
    ウエハラ、キャプテンEO、・・・

    青年たちが、存在感をなくして、
    「生きる」という意味さえも失っていく。

    ある意味では、作者である村上龍自身が、
    いまという現実に、
    驚いているといってもいいのかもしれない。

    *プラダを買うために、
    マクドナルドで、半年も働く人はいない。
    なぜお金がいるのか? 
    あったほうがいい。
    そこに求めるものは。

  • 読むものが何もない時は、家にある村上龍コーナーから適当に。

    何回目かしらこれ
    4回くらい読んだかな?
    何度読んでも飽きないなあ村上龍

    これは結構軽く読めるのですきです。
    毎回シベールの日曜日を観よう観ようと思いながら忘れてしまう

    大切だと感じたものはすぐに手に入れないと平凡なものに変質してしまう

  • 臨場感と人の心を読み取るような文章は、さすがです。
    でも、ストーリーはハッピーエンドのようでこのタイプならもっとヤバいところまで追い込んでも・・・と思ってしまいました。

  • 表紙絵の通り、いまどき女子高生の話です。
    私個人の意見としては、援交は別に・・・です。
    そういう意味では登場人物に感情移入もしやすかったはず・・・
    なのに1回目に読んだときは何かが違いました・・・
    そう、最後まで読んでなかった~~!(ちょっとした事で><)
    そりゃ不快感も残るわ・・・と気づいたのは1年後・・・
    一気に読んでいればもうちょっと違った感想が出てきたのかも・・・
    人間、一年間も同じ感情で生活はできません。

  • 久々に読んだ村上龍。
    相変わらずぶっ飛んでる文体だなって。
    渋谷の騒々しさとかは分かったけど、好きじゃないな。
    ただの文字の羅列。
    援助交際をしてしまう女の子のお話。女子高生目線でね。
    思ったその日に買わないと価値がなくなるってのは共感。
    最後、ピラフのついた紙ナプキンに書いてあった名前。ラブ&ポップ。
    そこは良かったよ。

  • なに?村上龍は昔女子高生だったの?

著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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