眠れるラプンツェル (幻冬舎文庫)

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著者 : 山本文緒
  • 幻冬舎 (1998年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877285883

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眠れるラプンツェル (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

  • 子どものいない主婦歴6年の汐美は28歳。グリーンヒルズにあるマンションの8階で、気ままに暮らしている。
    コマーシャル制作会社の代表である夫はめったに帰って来ない。「暇ですなぁ」そう呟いて、変わり映えのない日々を、ただ時間を消費するようにして過ごす。
    穏やかすぎる毎日。そんな折、ひょんなことから隣の部屋に住む中学1年の少年 ・ルフィオに惹かれ始めるようになる。

    20代の初め頃、山本文緒さんの小説にはまってけっこう読んで、この小説は本棚から見つけての再読だったのだけど、正直中身はあまり覚えていなかった。
    それなのに今、読み終えて数時間経つというのに、この小説に出てくる汐美とルフィオのことを考えてしまっている。幸せで在ればいいと、まるで実在する人間であるように。
    たまに小説を読むとこういうことがある。しばらくの間、物語の中の人たちに囚われてしまうことが。

    簡単に言うととても面白くて一気に読んだ。そして爽やかに切なくなった。
    強く願っても叶わないことも世の中にはあると、大人になるにつれて知っていく。でも願えば叶うことも確かにある。どちらを信じるか。今のこの思いを、変えずに未来を迎えることは可能なのか。

    暇、というのは時に人間を狂わせる。
    忙しすぎるのも心を殺すけれど、時間が有り余り、何もしたいことがなく、誰にも必要とされない日々に埋もれると、自分が何かを我慢したり何かを欲したりする感覚さえ、無自覚に抑制してしまうものなのかもしれない。
    この物語の主人公・汐美も、気ままに暮らしているつもりでその実淋しさが募っていたはずで、そんな時に出逢ってしまった15歳も年下の少年に必要とされた時、嬉しくて、それがいつしか心の支えになってしまったのも至極当然のことなのかもしれない。

    端から見ると汐美は贅沢なダメ人間にも見えるけれど、誰の心の中にも汐美はいるのだと思う。
    働かなくても夫が充分な額のお金を与えてくれる。仕事や人との関わり合いに生き甲斐を見出すなんて面倒だ。でも誰かに愛されたい。必要とされたい。

    同じマンションに住む人たちとのあれこれも、いかにも女性作家の着眼点で描かれていて、自分だったら面倒だな、と思ったりした。人と程良い距離感で上手く付き合う。そのバランスの難しさ。

    山本文緒さんに再はまりしそうかも。まだ読んだことのない小説も読みたい。
    マイペースなねこ“タビ”の存在もとても良かった。

  • 山本さん大好き〜(^O^)

    ルフィオもダニーも大好き!!
    年齢なんか関係ない。現実から逃げて、見て見ぬ振りしながら三人と一匹で過ごした時間は無駄じゃない。

    私もぐうたらするの止められないから、みんなの気持ちが分かり過ぎる位わかる。もしかして、私も病気?

    終わり方も、そんなに遠くない未来に繋がる可能性を秘めたラスト。
    ルフィオの言葉、信じてるからね!

  • ふとした偶然から隣の家の少年と交流するようになり、何もなく暇だけどそれなりに満足していた毎日が、少しずつ歪んでいく。
    おかしいのは自分か周りか…。
    全体的に見れば、すごいドロドロした話です。
    でも優しい文章にほのぼのした場面もあり、その歪みとのギャップに惹き込まれます。
    ドロドロなんだけど、主人公・汐美ちゃんと少年・ルフィオが可愛くて和む。
    年齢なんて関係ないと思ってるルフィオと、中身子供っぽくてもやっぱり大人な汐美ちゃんの気持ちのすれ違いが切なかったです。

  • 静かにでも確実に狂っていってしまう予感が、いつもしていたのかもしれない.

    自由すぎるのも酷なことだと思う.結婚してるのに、ここまで夫の存在が薄い小説は、はじめましてだった.

  • タイトルからイメージしてたのは少女小説でした。が、内容は意外にも主婦の話でした。しかも団地で生協をとってるような。話の筋はかなり強引で無理があるけど、主婦の気持ちは分かる…かな。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    昨日も暇だった。明日もたぶん暇だろう。結婚6年目、専業主婦。子どもはいない。退屈でない暮らしなど、考えただけでゾッとする。多忙な夫は今夜も家に帰らない。この緩やかな生活に、猫と隣家の息子が飛び込んできてから、何かが崩れ始めた。封印したはずの衝動。少年との、二人だけの秘密。嘘は次第に周囲を巻き込んで―。マンション住まいの主婦の平凡な生活が一変する様を、ドラマティックに描いた傑作恋愛長編小説。

    【キーワード】
    文庫・恋愛・年の差・主婦


    +++1+1

  • 最近『年の差』にはまっているので、読んでみました。そこまで泥沼というわけでもなく、少しほっとしました。
    ハッピーエンドとはいえないのかなとは思いますが、割と良い締めくくりだったのではと思います。

  • 最初は穏やかな感じだったのに、だんだんドロドロした感じになった。
    本にのみこまれて、私も一緒に狂うかとおもった。
    「ドロドロ」も「狂う」も上手く表現できないけど、いつものとは違うんだよなぁ。。

  • 初めて中学生のころに読んでから長いこと経つ。
    読み壊れてきたから2冊目が欲しい。

  • 結婚して以来6年、専業主婦という肩書きのもと、マンションの一室で日々グータラに過ごしている28歳の汐美。そんな汐美の生活に、隣(ちなみに逆隣は「あなたには帰る家がある」の佐藤家)に住む中学1年のルフィオが迷い込んだ。ルフィオは学校や塾をサボっては汐美の家にやって来る。汐美はいつしか、自分よりずっと子供のはずの彼に恋心を寄せるようになる…。
    のんびり淡々と物語が進行する前半に対して、急速に切羽詰まっていく後半。そのスピードが絶妙。設定は違うものの、「恋愛中毒」に通じるような、小気味良くそれでいて切ない恋愛小説である。山本作品の中では1、2を争うお気に入り。

  • 「暇ですなあ」という呟きから始まる物語。

    働かなくていい、子供もいない専業主婦。

    夫は仕事が忙しくほとんど家に帰らない。でも住む家もあり、毎月旦那からお小遣いも振り込まれる。

    働くのが面倒で、他人と関わるのも面倒。

    旦那が帰ってこないから家事も、あくせくしなくてもいい。

    全く理想的な生活を送りながらも、次第に心が病んでいく。

    なんとなく「ライ麦畑でつかまえて」的な雰囲気の、現代の孤独の中で精神が知らず知らずに病んでいくような状態の中で、主人公が最後に小さな事件を起こし、そしてそこから、本当の自分に帰っていく。

    そんな小説かな?

    意外とこんな人、都市生活の中では沢山良そうな感じすらして、今の便利な世の中で、他人との付き合いの希薄な都市生活者の本当の幸せってなんだろうと考えさせられてしまうような不思議な本でした。

  • 何年か前に友達がプレゼントしてくれた本。
    だらだらとした生活が怖くなって、やる気が自然と出た覚えがあります。

  • 2時間強で読み終えた。ストーリーや登場人物の様子がすっと頭の中に入ってきて、すらすらと読める。

    主人公は、どこにでもいそうな主婦。当時「ニート」という言葉がどれほど世間に浸透していたのかわからないが、まさに主婦ニートを具現化したような主人公が、逃げていた現実と向き合い変わっていくまでを描いた物語。
    といっても、決定的な出来事があって、強い意志でよい方向に向かうのではなく、ショックな出来事から仕方なく前を向く歩き始めるというところが、いかにも山本文緒らしい。

  • 専業主婦の汐美。
    忙しくなかなか夫は帰ってこない。
    ゆったりした日常を怠惰に送っていたが、隣に住む一家の父親と息子が頻繁に訪ねてくるという不思議な関係に…、と言うお話。

    最終的に狂気を見せた汐見が、非常にアンバランスな状態で精神を保っていたんだなぁと。
    人は一見、普通に見える。

  • 読みながらすごくイライラしていたのをよく覚えている。主人公の妻がお隣さんの息子とお父さんと奇妙な関係をもつお話。

    すごくすごくイライラするのだけれど、なぜか読み進んでしまう。年齢もタイプも全然違うのに自分を投影して読んでしまった。
    その不思議な感覚に惹かれてつい何度か読んでしまう。ラプンツェルという題名もかわいいし、納得。
    引っ越しの際に手放してしまったのが惜しい。


    他の作品に出てくる、誰だったっけ。
    手塚さん?保険レディがでてくるのもくすりとさせられる。
    とりあえず、ぬこさんがかわゆい。

  • そっか28歳はおばさんか…
    違うよね、こういう生き方してたらだよね。

    このやりきれなさとか、それ故に堕落するとことか
    自分の中にもある部分で、だから分かるし、
    最後立ち直るところで自分も元気になれる気がします。

  • 今まで読んだ恋愛小説のなかで一番好きなおはなし。

    めちゃくちゃせつなくて、涙が止まらなくて、

    お父さんがくれたティッシュ1ケース使い切ったっけかなw

    何度読んだかわからないくらい読んだからカバーはぼろぼろで…

    あ~、なんかまた読みたくなってきたなぁー、って思わせてくれる素敵なお話なのです。

  • 15歳の年下・・・しかも中学生に恋なんて想像出来ず・・・・
    甘い恋愛小説かなぁ~なんて読み進めて行ったから、ちょいとドギマギしましたよ!!
    しかし、現実に考えると頭でっかちになってしまうのでね。ダメなんだろうな~。

  • 主人公の心理状態はよく伝わってきた気がするが、正直、この設定はあまり好みではなかった。

  • 女として普通の幸せな生活を送るもとモデル。
    恋してはいけない人を愛してしまった哀しみを
    やわらかく描き出す。
    夢みていたのは閉塞か憧れか。
    失くしたものはもう手に入らない。
    それでも心は塔からはなれて自由に歩き出す。

  • 不思議で胸がキュンとする物語。あり得ないと思いながらも自然な流れで読めてしまう。山本文緒すごいなって感服した。

  • 正直、読み始めはあまり面白くなかったのですが
    最後のほうの引き出しにたくさんの香水が閉まってあったシーンでは
    ぞくっとしました。大好きな一冊です。
    正直恋愛?ものはあまり読まないのですがとても面白かったです。

  • 28歳 専業主婦。
    旦那は多忙でほとんど家に帰って来ない。
    自由を謳歌しているように見える主人公。
    予想外のことが次々と起こって、あっという間に読み終えてしまった。

    看守は自分自身。

  • あたしも 汐美みたいに 日当たりのいいマンションと月15万の生活費を

    与えられて 怠惰に過ごせたらいいのに と思ってしまったり。

    主人公の汐美とは同年代。

    まだおねえさんと呼ばれたい。


    さすがに 中学生になったばかりの隣の男の子には

    恋はしないと思うけれど …


    マンションの住人達の関係の描写が細かくて

    背景がリアルに感じられる。


    お姫様は塔から脱出して 新しい世界へ。

    少しだけ 背中を押される感じがした。

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