差別論スペシャル―ゴーマニズム宣言 (幻冬舎文庫)

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  • 幻冬舎 (1998年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877286224

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差別論スペシャル―ゴーマニズム宣言 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

  • 部落解放同盟の組坂繁之との対談の記録のほか、『ゴーマニズム宣言』から表現の自由と言葉狩りをテーマにしたものをまとめ、それらに対する読者からの反響の手紙を収録しています。

    さらに巻頭には「差別もキャベツもみじん斬り」と題した描き下ろし作品も収録されていますが、その表現について著者と編集者の間で意見の対立が生じ、両者の主張を併記することで、読者一人ひとりがこの問題について考えることを促すような構成になっています。これは、表現の自由と抗議の自由はともに保障されなければならないという筒井康隆や著者自身の考えをまさに実現したものとなっており、興味深く感じました。

    ただし私自身は、この問題に関しては絓秀実や田中克彦らの主張に与する立場に立ちます。絓たちが論じようとしていたのは、差別をなくそうとする営みそれ自体が、いわば「折り返されてしまう」ことで、被差別者を救済する高みにみずからを置いてしまうことになるという、この問題にかかわる者が必ず直面することになるアポリアでした。彼らはこのアポリアを、「差別」という主題にとって本質的な問題として受け止め、みずからをこうした「折り返し」の構造の外に置くのではなく、むしろその中にみずから巻き込まれていくことを通じて、このアポリアをどこまでも理論的に追及しようとしていたように思います。

    これに対して、そうした抽象的な議論は「ためにする議論」にすぎず、現実に差別に苦しんでいる人たちを救うことにはならないというのが著者の直感なのでしょう。著者は、上記のアポリアを理論的に追及するのではなく、みずからが世に送り出している、毒を内に含んだ表現によって傷つけられる人がいることを表現者の覚悟として引き受け、同様に覚悟を持った批判者たちとの間での直接的な話し合いによって、あくまで実践的な解決をめざしていくという立場に立っているように思われます。ただその場合、著者のような強い信念と覚悟を持つ表現者の意見が、正当化の手続きを経ることなく、作家の感性として受け容れられてしまうことへの歯止めがなくなるという危険性が付きまとうのではないかと思えてなりません。

  • 小林よしのりの特別編
    江戸から続いた差別が現在でも続いているのは驚きました。
    結婚、進学、就職ができない、出来にくい等の被害がある。
    個人的な差別(羞恥心)はなくならないが、部落等の差別は無くなると良いなと思います。

  • なにしろ文庫本になると、漫画としては見辛い。

    個人的には、突っ込みどころが薄いような気がするんだよな。

  • ○この本を一言で表すと?
     「差別」について著者の体験談をベースに述べたマジメなマンガ+エッセイ


    ○面白かったこと・考えたこと
    ・「差別」ということについて、自分なりの考えをもっていたつもりでしたが、一度見直して考えを改めるところもあり、読み易さと併せてかなり良い本だと思いました。

    ・著者について、「おぼっちゃまくん」の著者であることと、たまにニュースでAKBについて語っていることくらいしか知らず、また極端な意見を「ゴーマニズム宣言」で書いていると伝え聞いていたので内容のマジメさに驚きました。

    ・著者の自分の誤りや知らなかったことを認める態度は素晴らしいと思います。「過ちて改めざる、これを過ちという」を正に実践している人だなと思いました。

    ・この本が最初に出版されたのが1995年なので、今はどうなっているのかを知りたいなと思いました。

    ・P.14の完全な平等などいらない、才能もない努力もしない者とははっきり差別化してほしいということについては全く同じ意見です。ただ、私はスタートラインが平等であることは望ましいとは思いますが、それも含めて天与の才能みたいなものだと思っています。それでも生まれによる差別については否定したい気持ちがあります。

    ・糾弾会という会が昔からあって運営されているということを初めて知りました。糾弾される者が拒否できるのか、どういう条件が揃えば開催されるのか、想像では思いつかなかったので調べてみたいです。

    ・「寝た子を起こすな」という態度については、私も「部落差別とかを学校で教えなかったら自然消滅するのでは?」と思っていました。この本を読んで中途半端にではなくしっかり学ぶことが大事なのかもしれないと思いました。ただ、どちらがよいのか、どの程度がよいのかはまだ判断できないなと思います。

    ・不良の頭で学生時代の著者を助けたSが、親友に輸血のための血を提供したときにその親友が「Sの血は入れてほしくなかった」と言っているのを聞いた時、たまらなかっただろうなと思いました。ただ、自分も状況が変わればその親友のように理不尽な非難をするのかもしれないとも思いました。昔読んだ「GO」という小説で主人公が彼女に自分が在日コリアンだと明かした時に拒絶されたシーンを思い出しました。結婚の話もそうですが、普段は「そんな差別はバカらしい」と思っている人も、当事者になれば変わるということは大いにあり得そうです。

    ・家系図じまんの話は書かれた時から何年経っても大いにある話だなと思いました。自分も含めて、自分の肩書やステータスにこだわってしまうところはほとんどの人が持っていて、何も持たない人が自分より下の人を作ろうと貶める話もあまり認めたくはないですが人間らしいなと思います。

    ・マンガの自主規制はこれほどまでに厳しかったのだなと、その世界を気にしたことがなかったので新鮮でした。どう移り変わっているのか、今では自主規制以外に倫理規制なども厳しそうですし、現状を調べてみたいなと思いました。

    ・どんな文章であれ、マンガであれ、誰かを励ますこともあれば傷つけることもあるというのは、確かにそうだと思いました。どんな前向きな文章でもそれによって追い詰められる人もいたり、全ての人に配慮するというのは制約が大きくなりすぎて中身がなくなってしまいそうです。逆に言えば、誰かを傷つけるために書いた文章も一部の人はそれを面白がるでしょうし、それもOKなのかというと、それはどうだろうかと思ってしまいます。これらの境界線をどこに引くかはむずかしいなと考えさせられました。


    ○つっこみどころ
    ・過激な内容だと聞いて購入しましたが、意外とまともでその点では拍子抜けでした。

    ... 続きを読む

  • これ読んでみんなよく考えたらいいと思います。

  • 勉強になりました。

  • 差別はなくならない。

  • 部落フェスティバル構想は面白かった、下らないけど。
    差別撤廃、配慮のために逆差別が起こっていることも問題だと思うがね。

  • 勇気有る一冊やなあ。。。
    誰もが蓋をしたいような問題を正面切って描いてます。いや、凄い!!

  • 西日本育ちの私にとっては、非常に興味深い問題である。
    が、詳しい感想はここには書かない。

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差別論スペシャル―ゴーマニズム宣言 (幻冬舎文庫)の作品紹介

人はなぜ差別するのか。そもそも差別とは何か。そして被差別とは。差別に満ちた社会の実態を明らかにし、その根源を問い、さらにしばしば差別とせめぎあう「表現の自由」「言葉狩り」にまで踏み込んだ問題作。従来の「差別-被差別」といった対立的二元論にコペルニクス的転回を与え、真の人間解放に新たな地平を拓いたゴー宣差別論の集大成。

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