イン・ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫 む 1-9)

著者 :
  • 幻冬舎
3.45
  • (188)
  • (343)
  • (613)
  • (81)
  • (33)
本棚登録 : 3752
感想 : 279
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877286330

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 幾つか読んだ作品の中では、読みやすくて、わかりやすい。人間性の本質的煩悩の存在。あらゆる悪意に出くわしたときに、迎合主義を否定して対峙できる強固なアイデンティティーを持ってないと、単なるアメリカ人モドキになっちゃうんだね。

    個人的には、アムロを小声で歌う三番の娘は生かしておいて欲しかった...

  • めっちゃ怖い。最初から緊張感があり、それがどんどん高まっていく。クライマックスでは目を覆うような惨状があり、その後も妙な緊張感は続く。
    細かい描写や感情表現のおかげかリアリティーがあり、村上龍のの世界にもっていかれる。表紙の画が、うまく中身を表現していてすごいと思った。
    外国人のゴシック好き、暗い話大好きな友人に英語版をあげたら、超喜んでいた。怖いだけじゃない、真実をついているから面白いと言っていた。

  • 村上龍の作品群は、彼の一貫した考え方が丈夫な脊椎の様にぴんと走っていて失望せずに読める。特に終盤の告白のシーンは共感した。中盤辺りから結末を予想しながら読んだのだが、読み終えてみて、そういうことはナンセンスだということに気付かされた。

  • 文章に緊張感があり、ストーリーは簡易だが読み進めるのにややエネルギーが必要。村上龍らしいグロ描写も顕在で逆に安心。

  •  三日間、主人公ケンジと謎のアメリカ人フランクは、冬の東京を駆け巡る。この物語は歌舞伎町を舞台としており、夜の街のイメージが読むうちに膨らんでいく。まるで二人と共に歌舞伎町を楽しむかのように。しかしその一方で、本作は全体的に暗い雰囲気が終盤まで続いており、特に第二部では、ショッキングな描写が数ページにわたって展開されている。そのため、本作はグロテスクな描写が苦手な人は避けたほうがいいかもしれない。
     また本作のメッセージについてだが、これは本作に収録されている河合隼雄の解説を読むと何となくわかる。どうやら現代の日本に対する警告、もっと言えば平和ボケする日本人に、著者は注意を促したかったのではないかと思われる。

  • この物語に登場するフランクのように、自身の過去の話がコロコロと変わる友達がいる。めちゃくちゃいい子なんだけど、フランクの奇行を見たせいでその子がちょっと怖くなっちゃった。

  • 深い

  • 怪しいアメリカ人からの依頼で、新宿の風俗をガイドすることになった青年。青年はその男のことを数日前に起こった女子高生殺害事件の犯人ではないかと疑い始める。
    村上龍のメッセージ性の高い作品。消費社会の中で平和ボケした日本人への批判が込められているように感じました。

  • 少し、頭が重くなる内容

  • ぐはっ、エグいですねー。このご時世に読んでも十分にえぐいですよ。ーーーーー夜の性風俗ガイドを依頼してきたアメリカ人・フランクの顔は奇妙な肌に包まれていた。その顔は、売春をしていた女子高生が手足と首を切断され歌舞伎町のゴミ処理場に捨てられたという記事をケンジに思い起こさせた。ケンジは胸騒ぎを感じながらフランクと夜の新宿を行く。97年夏、読売新聞連載中より大反響を引き起こした問題作。読売文学賞受賞作。

全279件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村上龍の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×