突破者 上: 戦後史の陰を駆け抜けた50年 (幻冬舎アウトロー文庫 O 30-1)
- 幻冬舎 (1998年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877286798
感想・レビュー・書評
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『突破者』とは関西では「思い込んだら、一途で、がむしゃらな、無茶者」のことを指す言葉らしい。あの“グリコ・森永事件”の「キツネ目の男」に疑われた著者の半生記だ。
この本はベストセラーにもなり、ハードカバーでも読みたかったのだが、機会を得ないまま、結局、文庫で上下巻読み切った。
けんかに明け暮れた少年時代から、左翼運動の尖兵となった早大時代、そして『週刊現代』の雑誌記者、生まれ故郷に帰っての土建解体業、それが破綻してからの地上げ屋の用心棒など闇の世界に生きるアウトローの半生は“壮絶”の一言では言い表すことができないほど物凄い。
著者はグリコ事件が起きた時、「あれだけのことができる男は日本中には宮崎以外に考えられない」と呉知英に言わしめた快男児だ。
また、バブルの成り行きから崩壊までを闇の世界に生きた男の目を通して冷静に分析、東アジアの中の日本という国家の所業、今後の中国、韓国、朝鮮とのかかわりを「来るべきアジア的混沌と再編に向かって放たれる最初の鉄砲玉になり得る夢想」と結んでいる。このシリーズは最近、いくつか文庫化されているようで、読んでみたい本のリストに入れておこうと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本から私の読書人生が始まりました!
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作者の破天荒な半生を描いた傑作。
社会の仕組みなんかを併せて描いてるので面白い。 -
学生運動の部分は時代背景がわからず、話に入り込めない。
挫折しかけたが、実家に帰ったあたりからまた話が面白くなってきた。
また、上巻後半に書かれている職人の世界が経済的合理化により崩れていく様は今も続いてることであり、興味深い。
追記
下巻の途中で力尽きて読むのを断念 -
超ピカレスク。これを読む立場にある自分は幸せだと思った。
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「ヤクザと憲法」観たら、読むしかなかった。下巻で感想書きたい。
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面白い本!なんともすごい人生!(^∇^)。暴対法に関する意見は一般人にも説得力があったりすると思うな…
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京都のヤクザの家に産まれて、左翼になって学生闘争に身を投じ、週刊現代の記者を経て、地元に戻って土建屋再生に奮闘するまでを描く。
突破者とは無茶をやる者、突っ張り者のこと。親方として部下には優しく、外にはきついことをやる。身体を張って身贔屓に徹する人のこと。
男がどこかヤクザの世界に憧れてしまうのは、こういう人がいるからなんだろうなと思う。 -
熱い!!!
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著者の生き方に心から熱いものを感じた。世間一般の成功とベクトルは違っても、自分を持つものの輝きはうらやましい。アウトローの生き方も素晴らしい。そう思うようになった。