家畜人ヤプー (第1巻) (幻冬舎アウトロー文庫 O 36-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877287818

感想・レビュー・書評

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  • 1956年から連載された沼正三のSF&【SM】小説。
    未来世界。白人至上、女権主義国家にて家畜として奉仕する元「日本人」たち、ヤプーと呼ばれ服従に喜びを感じて品種改良や肉体改造をされている存在となっています。

    未来帝国イース、テラ・ノヴァ古代文明、有翼四足人…などの設定があるこの物語は確かにSFファンタジー小説の枠組みです。ただこれらの言葉よりも多く小説にちりばめられているのは、畜人、肉便器、生体家具、舌人形などなど。
    もうこーゆーのダメなひとは読むのが無理なストーリーです。

    印象的に感じたのは人間=家畜とした世界感。リアルな世界では人間以外の動物は当たり前に家畜となってます。人間のために生かされています。でもこれは普通の感覚です。
    品種改良でブランド牛豚鶏だらけ。結婚できないので霜降りステーキ大好きです。ベルルッティの革靴最高です。毛皮もありでしょう。
    一方でセクシャルな面でも、同性愛、獣姦、ペドなど。二次元愛なんかもそうですかね。

    この小説はそんな価値観の違いの究極な形です。
    ただこれを身近なことにスケールダウンしても本質は似てませんか?
    オススメはできませんが。

  • これはびっくり。TikTok?で激ヤバ本(語弊)と紹介されてて、あらすじ読んで、ふーんちょっと読んでみたいかも〜と思っていた矢先に読める機会があったので…設定がきちんとされすぎていて、途中で辞書?みたいなページがめちゃめちゃ入る。読書初心者にはなかなか時間かかる、読むのに ふう、となる 本でした 再編集?されていたみたいで、あとがきで知ったんですけどこの作者さん、結構得体の知れない人物らしく、それにもびっくり どういう原理、理屈で未来人、またはそれを取り巻く環境が成り立っているのか現代の環境を踏まえながら説明しつつ、なるほどそれならできなくもないかーとなる絶妙なポイントで成り立っている(気がする)想像力が貧困なのでこんなに細かく説明してくれてても えっ…つまりどうなってる?と思いながら読みました 瀬部氏、どうなるやらと思いますがすでに人外な施術は終わってしまったのであとはもう未来人に馴染んだクララに家具として扱われるのでしょう…わたしも黄色人種なので気が抜けない←? 初めてこういう本を読んだ なんでもありやなぁ面白かったです

  • 設定がぶっ飛びすぎていてヤバイ。女性が世界を動かし、男性は奴隷になっている未来の話。

  • 二千年後の世界では日本人の末裔は家畜人になっているって・・・貴志祐介著『新世界より』のバケネズミを思わせる。人(家畜人ヤプーでは白人のこと)を神と崇めるところも似ている様な。1956年から『奇譚クラブ』に連載がはじまる。長編SF・SM小説という括りらしい。摩訶不思議なおはなしであった。幻冬舎アウトロー文庫版では5巻で完結。

  • 結婚を控えたドイツ人女性のクララと日本人男性の麟一郎のカップルは、ある日ドイツの山中で未来人の墜落現場を目撃してしまう。帝国EHS(イース)から来たと名乗るその未来人は、アクシデントにより身体が硬直してしまった麟一郎を治すため、二人をイースに連れていく事を申し出る。あらゆる技術が発展したその国は、アングロサクソン系の白人を頂点に、黒人の半人間の奴隷、そして様々な肉体改造を施され字義通りの肉便器や性玩具に身を変えられてしまったヤプーと呼ばれる日本人により形成された完全なる格差社会であった。また、徹底的な女権主義国家でもあり、権力は全て女性が握っていた。そうとも知らず麟一郎と二人、イースに行く事に同意したクララ。初めは麟一郎の容態を気にかけていた彼女だったが、次第に権力と暴力の甘美なる魅力に陶酔していく。知ってはいたけど内容はかなりえげつない。だいぶ人を選ぶので要注意!ヤプーと言われる日本人があらゆる肉体改造を受ける様子や、白黒黄色人種からなる格差社会の様子など、イース文明を科学的文献を参考にしている体でつまびらかにしている。私達が日々家畜に行っている事と、かつて奴隷や穢多非人と呼ばれる人々に対して平気で行っていた(現在も一部行っている)行為の残虐性を思えば、本作で描かれた世界もあながちあり得なくないのかもしれない。どーーーっしても拭えなかった疑問は一つだけ。「ヤプーの加工にそれだけの労力をかける意味はあるのか?!もっと楽な方法あるだろ!」ただ暇で裕福な人間が行い得る悪行の例は歴史の貴族を見れば枚挙にいとまがないので、こちらもあながちあり得なくもないのか…。

  • 誰でも一度は夢想したり、思いついたりするエログロい事。
    そんで物書きだったら一度は書いてみようかと思うけど、決して書かない。
    そんな内容でした。

    この文庫版だと5巻まで出てるみたいだけど、オレはこの一冊でお腹いっぱいです。

    白人女性が神のように扱われる遠い未来の世界、
    黄色人種は人以下とされ、人体改造によって、便器になったり、椅子になったり、性具になったり、小人になったり、、、そんな世界に連れてこられた現代人?の日本人男性と、白人女性のカップルが、、みたいな話です。

    グロ注意

  • 初正三。よくもまぁこんな世界観を作ったものだと関心する。・・が、しかし兎に角不快だった(-_-;;テン〇ー家の扱いまであぁだとは。そりゃあ問題になるわな... orz

  • 江川達也版はものすごく原作に忠実に漫画化していたんだな。

  • 人の考えが変えられてゆく事の怖さ。自分の判断が揺らぎ、やがて染まり、元々そのように考えていたと思わされる。
    思考のすり替えと、選民意識。統治者・従属者。

  • 読んでいるうちに日本人は本当に欧米人種より劣った人種であるかのような刷り込みを受けているような気分になる。
    作者の想像力、設定の作り込みには畏敬の念を感じるが、その異常性は読む人を極端に選ぶだろう。

著者プロフィール

1926年3月19日福岡県福岡市生まれ。
本名、天野哲夫。
旧制福岡商業を卒業後、満州特殊鋼鉄株式会社に就職、帰国して海軍に入隊。復員後は、風俗誌にマゾヒズムをテーマにした原稿を投稿する傍ら、数々の職業を遍歴し、1967年、新潮社に入社。同社校閲部に勤務しながら、小説・エッセイを書き続ける。風俗誌「奇譚クラブ」の連載をまとめた『家畜人ヤプー』が戦後最大の奇書として話題となる。
2008年11月30日逝去。享年82。

「2012年 『劇画家畜人ヤプー4【復刻版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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