- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877288297
感想・レビュー・書評
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命をすり減らしながらクソのような第三種郵便物を配って稼いだ金を馬券で転がし、つかまえた女は右から左へ消え去り、知らず知らず郵便局へ足が向く。世のクソッタレ達が自ら好んで創り出した自滅的システムの中で、自壊してゆくクソ袋たち。
ブコウスキーの小説で惚れるのは、露悪的・無頼的な装いの裏で逆説的に社会的真理を読み取ろうなどという、姑息なたくらみがないこと。どこまでもひたすらどうしようもないドブの中を描く姿勢。
「読者を拒むということが詩人の基本的な姿勢である」という石原吉郎の言葉を思いださせる。その意味でブコウスキーは王道を歩んでいる。千鳥足で。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
すごく好きなんだよなあ。前半はとくにめちゃ笑える。
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10年ぶりくらいで再読。「本当の自分を見つける文章術」を読んでいたときに、一番に思い出したのが、ブコウスキーだった。彼の「書く」ことに対する情熱は鬼気迫るものがあり、荒々しくも偽りのない、誠実な文章は、どうにも心に留まって離れない。大好きな作家の一人だ。
数多くの詩と短編を残しているが、しかし、ブコウスキーの真価は長編にある。郵便局勤めと、酒と女と競馬の自堕落な人生。そして、ブコウスキーは書き始める。 -
「一晩一晩はこんなに長いのに、年月というのはものすごい速度で過ぎていく。」
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大分昔から読み続けている作品、悪い言葉に彩られた郵便局員のくそったれた日々が描かれています。