木戸のむこうに (幻冬舎文庫)

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著者 : 澤田ふじ子
  • 幻冬舎 (2000年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877288624

木戸のむこうに (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

  • 江戸時代(最後の作品だけは戦国時代)、京都の伝統工芸、料理等の職人を主人公にした短編集。
    どの作品もその職業の詳しい説明をしながら、それに携わる職人達の人生の断片を描いている。料理をはじめ、表具、人形、染め物等今も京都に伝わる工芸であるが、当時の職人達の関わり方やあまり表には出てこない徒弟制度等の人間関係も解説され、知らなかったことも多かった。
    また京都を舞台にしているだけに、会話は全て京言葉、それを自然な形で文字に表すのは大変なことだろうが、違和感なく読み進めることが出来た。
    小説としてストーリーを追っていくことと共に、それぞれの職業の詳細な解説として読むのも面白い作品だ。

  • 京の町に生きる匠の姿を描いた短編7編を収録しています。

    第1話「木戸のむこうに」は、一徹な料理人の弥七の想い人である千鶴と、料理茶屋「文殊屋」の女将・お高が出会い、弥七の新たな京料理の創作を手伝う話。

    第2話「雁の絵」は、苦界に身を落としそうになっているおけいを救うため、俵屋宗達の絵を2枚に剥いで売ろうとする掛け軸職人の栄次郎の話。

    第3話「二人雛」は、思いを寄せていたお里の恨みを晴らすため、主人を裏切る人形職人の吉五郎の話。

    第4話「憲法の火」は、真面目に働いて独立した店を持つに至った墨染屋の弥之助が、偏狭な町人たちに追い出され、破滅する話。

    第5話「病葉の笛」は、竹籠職人の父親のもとで笛を作っているお登世が、彼女の笛を金作の当てにしている貧乏公家の左内と決別する話。

    第6話「竹のしずく」は、貧乏公家の藤倉信賢に品物を納める豆腐やの吉右衛門とおかき屋の佐助が、その礼として新しい水羊羹のアイディアを授かる話。

    第7話「戦国地蔵」は、織田信長の上洛に際して、世話になった絵師の家の地蔵菩薩を石垣にされるのを防ごうとする筆結いの忠蔵の話。

    「木戸のむこうに」と「竹のしずく」の、料理の描写が見事です。

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