- Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877361105
感想・レビュー・書評
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アイヌの長老萱野茂さんの文章、空撮で有名な清水武男さんの写真。主に屋外で撮影された衣類や道具。とにかく写真が美しく、素晴らしい一冊です。
そして、当事者で研究者、伝承者の萱野茂さんにしかできない正確な名称、二風谷の歴史、家族の歴史、暮らしの様子。
学術的にも大変貴重な一冊のような気がしました。
もちろん一般向けの読みやすい文体なので、語るように連なる萱野茂さんの言葉は、すっと心に入ってきます。
素晴らしい一冊です。
前書きによると萱野さんの願いは、この本の美しい写真から興味を持って、1人でも多くの人に平取の資料館を訪ねて欲しいとのこととの事。この美しい写真が、新たな扉となるような気がしました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アイヌのエカシである萱野茂氏と札幌在住の写真家清水武男氏の最新著、アイヌ・暮らしの民具―Okikurmi kamuyを読みました。
萱野氏が実際に使ってきた道具、再生した民具や楽器、博物館に飾られているものなどをまとめた写真集です。
アイヌの道具たちは、つましくてシンプルだが機能的な姿や、美しく深みのある手作りならではの装飾が印象的です。
何より、すり切れたり壊れたりして使えなくなったらちゃんと霊送りをして労ってあげるといった、道具に対するその精神性にうたれます。
膨大な資源やエネルギーをついやし、儲けのために作られ、しかも壮大なムダを生み出している現代の道具が失ってしまったものが、そこにはあります。
北海道の光の中で撮られた写真も素晴らしい。
好著です。 -
萱野/茂
1926年北海道沙流郡平取町二風谷に生まれ、アイヌ語を母語として育ち、著書や絵本など多数。’75年菊池寛賞、’89年吉川英治文化賞、’93年北海道文化賞などを受賞。’01年総合研究大学院大学博士(学術)号取得。平取アイヌ文化保存会会長、萱野茂二風谷アイヌ資料館館長を務め、アイヌ文化の伝承と研究に尽力
内容
「遥か遠い昔のこと、二風谷を流れる沙流川の畔にひとりの神が降臨し、道具の作り方や、その道具を使っての漁や狩り、さらには耕作の仕方などという、アイヌに生活や文化を教えてくれました。オキクルミカムイ…北の大地で生まれた暮らしの民具は、このひとりの神から授けられ、伝えられてきた、アイヌ民族の生きた証なのです。」 -
アイヌの伝統的な民具,住居,祭礼具などがとても美しい写真,そして,萱野さんの親しみ深い言葉で紹介されます。写真が生き生きとしていていますが,それは,展示室で撮影したのではなく,実際の北海道の大地の中で撮影されているからでしょう。好著です。
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写真がきれい。