文芸時評という感想

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  • 四月社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877460976

作品紹介・あらすじ

批判精神がきらめく、文芸時評を集大成。「文学は実学である」「環境文学の一面」「アフガニスタン文学を知りたい」など、論議を呼んだ、比類なき感想。「産経新聞」連載全149編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 2020/6/5購入

  • 『ニッポンの小説』より

  • 良かれ悪しかれマットーな「文芸時評」。高橋源一郎のように奇を衒ったところはなく、渡部・絓のようにコアに理詰めで分析を重ねていくのではなく、「感想」でしかないと断りつつも「ことば」の強度に信頼を置く著者の分析は侮れない。個人的には平野啓一郎も綿矢りさ・金原ひとみもスルーで来てしまったので、懐かしいなと思いながら読まされた。理屈で小説を作る著者(保坂和志・阿部和重)を嫌い、本能で言葉を紡ぐ著者(町田康)を評価する。それは古臭い/アナクロとも言えるし、良心的であるとも言える。島田雅彦の名が登場しないのはご愛嬌か

  • 文学

  • いちど保坂和志と対談してくれないかなと思っている。

  • 第5回小林秀雄賞受賞作。産経新聞で1992年から2004年まで連載していた文芸時評を1冊にまとめたもの。ただね、3200円+消費税って、高いのよ。いや、でもこれは買ってよかった。現在、他の作品を読んでいるけれど、そもそもは現代詩人なので、その詩集の方もチェックしたい。早大非常勤講師かぁ。この人の授業は面白そうだよなぁ。(07/2/19)

  • 小説を全く読まない自分には当然、全然知らない文学作品ばかり紹介されているが、おもしろく読めた。
    でも、素晴らしい評論よりもひっかかるのが「ふいんき」だ。本論とはまるで関係ない。自分は、かなり大きくなるまで(雰囲気という漢字を知った後でも)「ふいんき」だとばかり思っていた。それが、言語学者が自問自答で思いついた創作ではないかと指摘されると、狐につままれたような気分になる。

  • 烏兎の庭 第三部 書評 10.28.06
    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto03/bunsho/jihyo.html

  • marie claireの紹介記事を読んで購入しました。色々な本屋をめぐりましたがなかなかみつからず、注文も難しいようで、手にしたときは運命を感じました(笑)文学というものは作品である以上に作家というものをうつしだすものである、という視点から数々の作家達を批評していると思います。私はこの立場に大いに共感しますが、人によっては、不快を感じぜずにはいられないのでは?でも文芸時評ってそういうもの。不快であろうが快であろうが読めてしまえるところが、これなのだ。一度はお試しアレといいたい本である。

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著者プロフィール

荒川洋治
一九四九 (昭和二四) 年、福井県生まれ。現代詩作家。早稲田大学第一文学部文芸科を卒業。七五年の詩集『水駅』でH氏賞を受賞。『渡世』で高見順賞、『空中の茱萸』で読売文学賞、『心理』で萩原朔太郎賞、『北山十八間戸』で鮎川信夫賞、評論集『文芸時評という感想』で小林秀雄賞、『過去をもつ人』で毎日出版文化賞書評賞を受賞。エッセイ集に『文学は実学である』など。二〇〇五年、新潮創刊一〇〇周年記念『名短篇』の編集長をつとめた。一七年より、川端康成文学賞選考委員。一九年、恩賜賞・日本芸術院賞を受賞。日本芸術院会員。

「2023年 『文庫の読書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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