- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877582371
作品紹介・あらすじ
著者が自分として生きているうえで、どこかしら支えであり、基盤であり、みちしるべのような言葉、空気、感覚をつづった本。
感想・レビュー・書評
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■書名
書名:この星
著者:林原 めぐみ
■概要
「のほほん」「逃げる」「この星」「おうばいとうり桜梅桃李」の
4編のショートストーリーから成り立っている一冊。
【のほほん】物静かな父、ときおり不安定になる母。日常よくあるド
ライブのワンシーンから広がる家族の機微。なにかとキレやすいご時世、
のほほんの境地ってどうやったら到達できるんだろう……。
【逃げる】夢から逃げた一流商社マンと、現実から逃げた売れないミュ
ージシャン。逃げたという過去を悩む2人は、今を精一杯生きる女友達
に触発される。悩むってまだ余裕があることなのよ……。
【この星】この星は2つで1つ。なにかを選んだ瞬間に相反するもう
一つのものが生まれている。男と女、黒と白、光と闇、生と死、戦争
と平和……。だから、どれを選んでも間違いなんてないんだよ。
【桜梅桃李】梅に囲まれた1本の桜。梅の花が咲きだすと、つられて
花を咲かせてしまう困った木。まわりなんて気にしないで、焦らず慌
てず自分の持っている良さを活かせばいいのに……。
■感想
絵本的な感じの本です。
文章と写真で構成されています。
相変わらず、全ての物語が前向きで、少し力を抜いてもいいと言
っているような物語ですね。
どの物語も、日常を切り取って、教訓らしきもの入れ込み、最後は
また日常に戻っていく物語です。ただ、全ての物語で戻った日常は
最初の日常とは少しだけ違う感じになっています。
この人は声優さんだけど、自分の言葉で何かを表現することに長けて
いるのでしょうね。
そこまで特徴的ではないけど、この温かい感じは、この人の特徴とし
て十分だと思います。
何気なく開いて読むといい本だと思います。
■気になった点
・傷をなめなう仲というならそれでもいい
いろんな立場や境遇や、言い訳や
そこにはやはり安心がある
でも、そこから抜け出したいのなら
まるで空気の違う人間が必要なのかもしれない
・悩むってさあ、余裕なんだってよ
戦争中、生きるか死ぬか
明日の食べ物さえままならないとさあ
悩んでいる暇も無いんだって
・梅桜桃李(おうばいとおり)
梅には梅の良さ
桜には桜の
桃には桃の
李には李(すもも)の良さがある
そして
けっして梅は桜になれない
桃にも李にも
それぞれがぞれぞれのよさを大切にせよ -
うーん。この方は物語を描かせても一流ですね。
きっと“表現する”ということにおいて素晴らしい実力をお持ちなんでしょうね。 -
なんて可愛らしい表紙なんだろうと手に取ると、有名な声優さんの書いた本でした。
本人が撮ったという素朴な写真に短いお話が何個か入っています。
ちょっと人生のテキストチックな内容。面白かった。 -
繊細さと力強さを併せ持つその声で注目を浴びている林原めぐみ。中学時代、私が多大な影響を受けた人物の1人です。この本は、彼女の持っている世界観を自身の言葉で美しく表現している本当に素敵な本です。彼女が撮り溜めた写真と、詩のような、独り言のような、とてもナチュラルな言葉たちが綺麗な響きで折り重なっています。何か悶々と悩んでしまった時、一歩を踏み出すためのエネルギーを分けてくれる本です。言い換えるなら、エネルギーを生み出すための道しるべという感じかな。