日々ごはん 7

著者 :
  • アノニマ・スタジオ
3.60
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本棚登録 : 212
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877586348

作品紹介・あらすじ

窓から見える空を眺め、心地よい風に吹かれながら、季節の移ろいをかみしめる。大切な友人の死に出会い、料理も人とのつながりも、少しずつ変わってゆくことを味わいながら過ごす、春から夏への日々。日記エッセイ第7弾。

感想・レビュー・書評

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  • 自分を取り戻せる感じがするよ。コンビニのごはんも食べる高山さんのおおらかさが大好き。つわりでしんどいけど、きちんと生活したいな、野菜食べたいな、ごはん作りたいな、と思わせてくれる。

  • 【お気に入り抜粋】

    最近ヒラリンは、引っ越しをしたり、家族の具合が悪くて実家に帰ったりしていたか。なのに、そういう気持ちのバタバタや緊張を、ヒラリンてぜったい私に見せないし、仕事に持ち込まない娘だから。

    撮影する時って、自然に体が動く。撮りたいと思う本能で動いています。こういう写真を狙いたいと、私の欲求が先走りすぎてもよくないし、ぜんぜんないのも困るし、なんなんだろう。いろんなものと調和していると、向こうから見せてくれる時があるんです。自分が見たいと思ったものは、実は一部でしかなかったりするので、待つというか謙虚でありたいと思う。(by川内倫子さん)

    料理をする時に、こうしてやろうとかああしてやろうとか、狙いながら作っていたらそこまでの料理しかできないけど、ふっと、自分でも驚くような瞬間があった。その時、気がついたら自分は野菜の下にもぐり込んでいた。上に立つんでも、横に並ぶのでもなしに、自分の存在が野菜で隠されるような感じ。

    最近、若い人の悩みをよく聞く機会があるのだが、皆たいへんだと思う。これは、前にスイセイに教わったのだけど、そういう時は、自分のランクをひとつ下げたらどうだろうと思う。だいたいの悩み(自分も、そういう悩みにはまって落ち込むことがあります)は、周りの人たちと比べて自分はダメだとか、周りの人たちに分かってもらえないとか、周りの人たちに期待されているからなどと、考えの軸が、自分よりも他人の方に傾いている気がする。だからたぶん、基準を自分の方にがっしりと置いたらいいんではないだろうか。周りに比べたら自分はダメダメだけど、自分の中では精一杯頑張っているのだから、それで他人の期待にそぐえなくても、それが自分なんだから仕方がない。で、最近私は気がついたのだが、ランクを下げてもそれは周りの目のことなので、自分自身は一向に減っていない。そればかりか、余計なものがなくなった分、かえって芯が太くなるような気がする。そうやって身軽になったところで、自分がやって楽しいこと、夢中になれることを、足元からひとつひとつ頑張ればいいのだと思う。会社だって、仕事だって、家事だって、無理だったらやめてしまえばいい。実家に帰ったって、誰かに依存して生きたって、ぜんぜんオーケーだと思う。

    ポーの話 いしいしんじ
    荒々しく胸倉をつかまれたまま、ずいぶん遠くまで連れていかれた。頭よりも、心よりも、体の中をかき回されるみたいな感じがあったな。もういちど読みなおそうと思うが、その前に「しずかに流れるみどりの川」を読んで、いちど飛ばそう。

    お盆の前から後にかけて、仕事の依頼がけっこうあった。でも、けっきょくほとんどお断りしてしまい、きれいさっぱりになった。私は、こうしたらもっとおいしくなるとか、こうしたらもっと便利だとか、こういう時気持ちがいいなとか、自分の気がついたことをどんどん皆さんに贈りたい。いいことは、お腹の中に抱えておかず、ケチケチせずにどんどん出したい。だからそこに脚色が加わり、間違って伝わることが分かっているような仕事は、できるだけやりたくない。スタッフの方々もそういうことを理解してくださって、労を惜しまずに、本当にいいものを作りたいと思っている人たちとだけやりたい。などと、思っていたら、今やれる仕事がどんどん狭まってしまった。自分で自分の仕事を減らしているようなものだけど、もっと濃い、未知のことにも体も気持ちもどんどん使い切りたい。(それでいいんだよな、私は)なんて、洗濯物のパンツを干しながら思った。天上はどこまでも高く、青く、晴れ渡っている。

  • 2015/06/27 再読 春から夏。途中フランスに行っている。

  • 2015、2、12

  • 作者の力強い姿に力をもらえる。心があったかくなる。

  • 7、8、9巻まで読了。
    昔に比べると、暴飲暴食も減ってきた感じで、より健康的に暮らそうという印象がある。ヨガに凝ってみたり、ジョギングをやってみたり、決して長続きしないけれど、丸ごとそのまんまの自分を出している潔さ。この本を読むと、ちゃんと料理して、旬のものを食べて、、、という気になる。

  • 2005年3月~8月の日記。
    いつもながら、高山なおみさんの文章は気取りがなくて率直で、
    なんでもない言葉が後からじわっと沁みてきたりする。
    何気ない風景や日常の描写から、春の始まりから夏の終わりにかけての
    ウキウキしたり暑さにダレたり、といった季節の空気も思い出せます。
    4/18~4/28のフランス旅行記は
    『フランス日記』として別にまとめられているので、
    『日々ごはん〈8〉』の前にそちらを読もうと思っています。

  • チクタク食堂を丁度同時期に読んでいたから、

  • 最後のあとがきでぐっときた。
    日記を書くことの意味、みたいなものを垣間見たような気がした。

  • 6までは図書館で借りて読んだ。
    高山なおみが何となく好き。何となく。アムールプリンが気になる。
    「毎日って、なんて図太いんだろう」

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著者プロフィール

1958 年静岡県生まれ。料理家、文筆家。レストランのシェフを経て、料理家になる。におい、味わい、手ざわり、色、音、日々五感を開いて食材との対話を重ね、生み出されるシンプルで力強い料理は、作ること、食べることの楽しさを素直に思い出させてくれる。また、料理と同じく、からだの実感に裏打ちされた文章への評価も高い。著書は、経験や体験に裏打ちされた料理書や料理エッセイのみならず紀行記や日記、絵本など多数。

「2023年 『帰ってきた日々ごはん13』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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