森の暮らし―たいまぐら便り

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著者 : 安部智穂
  • アノニマスタジオ (2008年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877586652

森の暮らし―たいまぐら便りの感想・レビュー・書評

  • 作者の安部さんの感動や驚きが、少女のような感性で素直に、率直につづられるのがいい。

    自然とともに、人間以外のたくさんの動物や虫や植物などと暮らすということ。
    寒さの厳しい土地に暮らすということ。
    その苦労と喜び…
    読み進めるにしたがって、なんだかわたしはローラ・インガルスシリーズを読んでいるような気持になってきた!(大自然の恐ろしさ、美しさ、素晴らしさ、工夫や知恵、喜びや感動!とくに「長い冬」を読み返したくなった。)

    写真も素晴らしいです。
    グミやヤマブドウ、ハーブをつけこんだ果実酒は見とれてしまうほど美しく、隣のフルーツ漬けもなんとおいしそうなこと。
    霜の花など自然の作り出す造形は、安部さんの書かれているとおり、どんなジュエリーデザイナーも作り出せない美しさ。

    心を打たれたのは、自然とともに暮らす優しい心遣いでした。例えばこんな箇所とか。

    p128「ネズミの布団づくり」
    「あぁ、忙しい、忙しい。すり足、さし足、忍び足、なぁんて気を使っている暇はないのよ。もうすぐ冬がやってくるのだからね! 早くふわふわのお布団をつくらなきゃ」
    きっとそんな風にぼやきながら、ネズミ母さんが冬布団づくりに大わらわしているのでしょう。
    そう思うと「長く厳しい冬を、ともに元気に過ごしたいね」なんて話しかけたくなるのです。

    p160にあるように、動物の死骸を目にする機会もしばしば。否が応にも死と直面し、思いをはせる。

    そんな、生活の中から生まれてくる思想のようなものは、もっとも尊いことじゃないかなあと思った。

    (引用)
    p105
    たいまぐらで暮らす前、私は当然ながら、人間との間に一番多くの関わりを持って生きていました。いろんな人間がいるなぁと感動し、(略)。でも、今、改めてふりかえってみると、その「いろんな」の範囲は実に限られたものだったと思い知るのです。
    今、私のまわりには、人間はもちろんですが、多種多様な生き物が存在しています。関わりという言葉は当てはまらないかもしれませんが、その生きざまを目にする機会もすくなくありません。
    そしてしみじみと感じるのです。本当にいろんな生き物がいるなぁ、本当にいろんな生き方があるなぁ、と。たいまぐらで暮らすようになってから、私の中の「いろんな」はずいぶん大きくひろがりました。「いろんな」命や「いろんな」生き方があるからこそ素敵なんだ。本当にしみじみと思えるようになったのです。

  • 絵本のような暮らしが営まれています。
    こんな日々を過ごしてみたい。

  • 兎にも角にも森の暮らし素敵です。
    猫の姿、雪の景色、ストーブ、ゆげ・・・。
    春夏秋冬 森の暮らしが味わえます。
    作者のちほさんが書くブログも素敵です。
    http://chihonote.exblog.jp/

  • 行ってきました、タイマグラ。阿部さんの暮らしは、丁寧で美しい。宮沢賢治を思い出しました。

  •  岩手県、早池峰山の懐に抱かれた小さな集落「たいまぐら」。移り住んで14年になる著者が、桶職人の夫、一人娘と一緒に営む「自然とよりそう日々の暮らし」を綴った季節の便り。春一番の雨の音、緑色の散歩、お花畑ふりかけ、木の実のお酒…。草花や虫たち、森の手作りレシピなどの写真も収録されている。
     学生時代、山登りに明け暮れていた著者は、18年前、早池峰山に登ろうと、たいまぐらを訪れた。「不思議な響きのこの地名は、アイヌ語のタイ→森、マクワ→奥 ル→道が語源ではないかと言われています。『森の奥に続く道』。確かに…その通りです」。本書の冒頭で語られる当地との出会い。そして、彼女がその道の先に見つけたものは「森の暮らし」だった。現在、小岩井でCRAFT市を主催し、自らも季節の草木で布を染めるなど手仕事に深く関わりながら、身近な自然とよりそう暮らしを続けている。
     早春の頃、雪から姿を現したばかりの湧き水に夏みかんの皮をさらし、薪ストーブでじっくり煮詰める。横浜の実家から届いた夏みかん。たいまぐらから送るマーマレード。毎年恒例の「いつもありがとうね」の親子往復書簡。この1冊には、森の自然に、日々の暮らし全てに対する著者の「いつもありがとう」の声が詰まっている。(S)

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