わたしは樹だ

著者 :
  • アノニマ・スタジオ
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本棚登録 : 115
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877587246

作品紹介・あらすじ

あらゆるものがつながりあいささえあいながら、いまここにあるということ。はじめてのホリスティック絵本。

感想・レビュー・書評

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  • 「わたしは樹だ」力強く語りかける大きな樹。うねうねと大きな樹の存在を、色彩豊かに描いた絵にもすごい迫力がある。

    倒木の苔を苗床に、少ないチャンスを生かして芽を出し、根を伸ばし、岩を穿っていく。
    「生きる、生きる!」生への執着。 
    やがて長い年月を経て大きな樹へと育っていく。

    それでも樹は、生かされていることを知っている。微生物が分解した栄養素を取り込み、小さな苔が蓄えた水を頼りに、大地に支えられ、周囲の木々と枝を絡ませ、共に生きていることを知っている。厳しい環境を千年余の時を過ごし、やがて倒れ次の世代の糧となる。

    絶海の孤島、屋久島に育つ屋久杉。
    大きな存在の中に包まるとき、私にも樹の声が聞こえるだろうか。

  • 庭仕事をしていると感じます。
    いろんな虫や植物と一緒にこの庭を作っているんだなぁと。
    私のやってることなんて、ほんのちっぽけなこと。
    ありがとう、ありがとうねと。
    足腰の立つうちに屋久島行くぞ。

  • 今年の夏に屋久島に行ってきました。
    この絵本と松田素子さんのインタビューを読んでから
    行けばよかった。
    帰ってきてから読んだからわかることもあったけれど、
    行く前に読んで、岩の島を、厳しい恵みの森を見たら
    また違っただろうなと思う。

  • 読み始めて すぐに
    ある歌が 頭の中で 流れ始めました
    こんな歌です

    〽 一本の樹
       詩 長井三郎  曲 坂庭省吾

    春 緑の雨が降る
    立ちつくす 一本の樹
    朝の光 斜めに
    萌え出る葉に 露が光る
      
     雨の日には 雨の歌を
     晴れの日には 晴れの歌を
     うたいながら 立ち尽くし
     樹は 空をめざす

    夏 青い雨が降る
    立ちつくす 一本の樹
    昼の光 あふれて 
    緑なす葉に 影が揺れる
      
     雨の日には 雨の歌を
     晴れの日には 晴れの歌を
     うたいながら 立ち尽くし
     樹は 空をめざす

    秋 紅い雨が降る
    立ちつくす 一本の樹
    宵の光 ほのかに
    移りゆく葉に 時を染める
      
     雨の日には 雨の歌を
     晴れの日には 晴れの歌を
     うたいながら 立ち尽くし
     樹は空をめざす

    冬 白い雨が降る
    立ちつくす 一本の樹
    夜の光 静まり
    梢を鳴らし風が渡る
     
     雨の日には 雨の歌を
     晴れの日には 晴れの歌を
     うたいながら 立ち尽くし
     樹は 空をめざす 
     
    読み終わった 後も
    もちろん
    この歌が 流れていました

  • 力強い絵が、樹の生命力を豊かに感じさせる。
    文章もドラマチック。
    それでいて、きちんと樹の生態や島の自然について説明がされている。それが、楽しく、すっと入ってくる。
    小型の絵本なのが勿体ないと思ってしまうぐらい。

  • 一本の樹である「わたし」の語りで物語は展開される。
    決して樹が育つ環境としてはベストではなかったけれど、まわりの苔や樹木と支えあって生きてきた。そして、大きくなった「わたし」は植物や動物を育てている。
    ひとりの力では難しくても、みんながつながって支え合えば生きていくこともできる、そんなメッセージを感じる。そう、これは樹だけのことではない。地球に生きる人間、動物、植物、あらゆるものに共通する思想なのだと思う。

    そして、nakabanさんの絵がとても素敵な絵本です。

    あぁ、屋久島に行ってみたいな。

  • nakabanさんの絵がわりと好きで興味をもった本。

    その語り口調から、「樹」という存在の雄大さを感じずにはいられない。
    生命が生きるということ。
    その営みの尊さ。

    これを読んだあとは、自分のまわりにある樹に話しかけたくなります。

    そしてあの土地にある、あの樹にもう一度逢いたくなります。

  • 生きる!生きる!生きる!

  • 屋久杉が語りかけます。

    命のつながりを感じることができる素敵な絵本。

  • 屋久島の雄大な自然が教えてくれるはじめてのホリスティック絵本。
    「ホリスティック」とは、全体、関連、つながり、などの意味を含む言葉。一本の樹を通して、いま生きている世界とのつながりを感じ、もっとしあわせに暮らすためのヒントに出会えます。屋久島の樹をテーマにした力強いストーリーと、その世界を広げる絵を、五感で感じてください。

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著者プロフィール

編集者、作家。児童書出版社を経てフリーランスとなり、編集者として、また作家・翻訳者として絵本を中心に多方面に活躍。著書に『ムーミンのたからもの』などがある。

「2018年 『ムーミン 愛のことば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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