街と山のあいだ

著者 :
  • アノニマ・スタジオ
4.10
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本棚登録 : 658
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877587673

感想・レビュー・書評

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  • 若菜さんの山への親しみ方がゆったりしていてとても素敵だと思った。標高の高い山や難しい山に登るだけでなく、低山の魅力や楽しみ方を教えていただいた。
    言葉の選び方、感性がすごく好きで、何度も読み返したいお気に入りのエッセイとなった。
    3部作ということがとても嬉しい。

    ガスで展望がない場面
    「よく見えるのもいいけれども、なにもかも見えなくてもいい。なにもかも見えることが、必ずしもいちばんよいことではない。見えない時にこそ、よく見えるものもある。」

  • 雑誌『山と渓谷』の編集をされていた方の、山と街を行き来する随筆集。どの話も静かな山の中でふと空を見上げるような、山登りの足を止めて風に吹かれるような、静かでやさしいお話でした。
    街での忙しい生活の中、山の爽やかな風に吹かれて我に返り、自分は自然の一部だと思い出すような感覚になり、仕事の合間の昼休み、この本の話をひとつふたつ読んでは、山の風や空を感じてリフレッシュしました。
    誰もがこんな風に感じるとは思わないけれど、私は相性が良かったと思います。
    中では「今日の夕日」が良かったです。串田孫一さんをこのお話で知りました。早くもハマりそうな予感がします(笑)

  • 内容はもちろん、近年のベスト装丁!
    判型、質感ともに最高。
    ずっとページをめくり続けたくなる。

  • カレンさんのレビューに刺激されて読んでみる。冒頭の「美しい一日」でやられる。旅先で読むのもいいな。
    日常生活につながっている山というか生き方に組み込まれている山というか、実によくわかります。街と山という物理的な間の話でもあるし、山登りをしたこともない人と山登りスペシャリストといった隔たったスキルの間の話でもあるのだろうとも感じられました。
    自分は海派なのですが、海に関してこんな本がないのはなぜだろう。完全にアドベンチャーよりのものが多いような気がします。釣りがテーマだとあるのかな?歴史が浅いのからなのか?日常生活につながっている海とか、生き方としての海もありだと思うのだけれど・・・
    書影ではわかりにくいけれど、カバーなしのすてきな装幀で大きさも普通の単行本よりは小さめ。まさに旅のお供にぴったりな感じ。あー、まったく旅に出たい。

    • カレンさん
      diverさん、こんばんは。
      お名前の通り海派だとはお察しいたしますが、一度、山にもお出かけください。
      若菜さんが書かれている通りのこと...
      diverさん、こんばんは。
      お名前の通り海派だとはお察しいたしますが、一度、山にもお出かけください。
      若菜さんが書かれている通りのことが実感していただけると思います。
      是非!!
      2019/05/18
    • diver0620さん
      日帰り山ご飯からやってみようと思います!
      日帰り山ご飯からやってみようと思います!
      2019/05/19
  • 「人生に山があってよかった」という随筆集。
    やわらかい文体で登山とその周りを記す。
    「山って楽しいよね」とか「山に登ることの理由探し」にもなるのかもしれない。

  • まず、装丁が良いです。カバーが付いてない本って最近あまり見かけません。大きさも小さくて、色合いや手触りもほっとする感じです。もちろん内容も良い感じで、山への想いに満ちています。特に前半の数編は面白くて一気に読みました。登場するのは有名どころの山は少なくて名も知れない低山がメイン、語り口は静かで、情感に溢れ心に沁み入りました。山頂のお話しや短い話などはもっと長く読んでみたいと思いました。

  • 自然の景色と人々の会話がそっとそばにあるような文章に惹かれて読み進めた。
    しかし途中から著者のプライドの高さというか、思いのようなものが幅をきかせてきて、
    「木村さん」の章でかなりマイナスな気持ちを持ってしまった。

  • 登山専門出版社への入社後に山を愛するようになった著者の登山家としての半生から綴られる回想録とエッセイです。一部、印象に残った山々も紹介されています。タイトルでは「街と山」とされていますが、街について触れられる部分は少なく、山と人にまつわるお話がほぼ全てです。爽やかで飾り気のない文章が内容によく馴染んでいます。山を愛す人びとに向けて贈られた一冊を通して、普段あまり関わることのなかった世界を垣間見させて頂きました。

  • 『ジャケ買い』ならぬ『装丁買い』。
    『山と渓谷社』の編集者だった著者の、山行をテーマにしたエッセイ。
    読者であるこちらは登山にはまるで興味が無いが、登山家と呼ばれる人々が、何を考え、何故に山に登るのか、そういったことの片鱗が見えるような気がする。

  • 著者は、山雑誌の編集者を経て独立、主に山に関する執筆を続けておられます。
    なので本書も山に関するエッセーです。
    誰もが知っている山、あまり知られていない山、登場する山はいろいろですが、山の紹介ではないのでそれはいいのです。
    その山に行くきっかけ、どんな状態の時に行ったのか、その時考えていたこと、周りの出来事など、まさに著者のその時々の様子がうかがえるエッセーです。
    その時の山の様子、吹いていた風、咲いていた花、それらにどれだけ癒されたかなど、読んでいてもその情景の中に身をゆだねるような、実に気持ちの良い本です。
    そしてまた言葉の選び方、表現の仕方、ちょっとした小説家よりも豊かです。

    • diver0620さん
      カレンさんのレビューに刺激されて読んでみました。すばらしい本ですね!感謝です。
      カレンさんのレビューに刺激されて読んでみました。すばらしい本ですね!感謝です。
      2019/05/18
    • カレンさん
      diverさん、お久しぶりです。
      参考にしていただいてありがとうございます。
      この本で受けた感動を、ぜひ山に出かけて実感していただきたいです...
      diverさん、お久しぶりです。
      参考にしていただいてありがとうございます。
      この本で受けた感動を、ぜひ山に出かけて実感していただきたいです。
      2019/05/18
    • diver0620さん
      今、いい季節ですよね。久しぶりに山行ってご飯食べようと思い山道具屋をうろうろし始めました。笑
      今、いい季節ですよね。久しぶりに山行ってご飯食べようと思い山道具屋をうろうろし始めました。笑
      2019/05/19
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著者プロフィール

1968年兵庫県神戸市生まれ。編集者、文筆家。学習院大学文学部国文学科卒業後、山と溪谷社入社。『wandel』編集長、『山と溪谷』副編集長を経て独立。山や自然、旅に関する雑誌、書籍を編集、執筆。著書に『東京近郊ミニハイク』(小学館)、『東京周辺ヒルトップ散歩』(河出書房新社)、『徒歩旅行』(暮しの手帖社)、『地元菓子』、『石井桃子のことば』(新潮社)、『東京甘味食堂』(講談社文庫)、『岩波少年文庫のあゆみ』など多数。「街と山のあいだ」をテーマにした小冊子『murren』編集・発行人。随筆集『街と山のあいだ』は増刷を重ね、旅の随筆集第一集『旅の断片』は2020年に第5回斎藤茂太賞を受賞した。

「2021年 『途上の旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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