北御門二郎 魂の自由を求めて: トルストイに魅せられた良心的兵役拒否者 (ジュニア・ノンフィクション)

著者 :
  • 銀の鈴社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877865467

作品紹介・あらすじ

トルストイの憧れた国は、自由・平等・平和、この3つのある国でした。
翻訳家・北御門二郎はトルストイの信念に魅せられ、彼の作品を翻訳したことでも知られています。

北御門二郎:1913年(大正2年)熊本県球磨郡湯前町に生まれる。
旧制五校時代に、トルストイの『人は何で生きるか』を読んで感激。東大英文科を退学、徴兵を拒否して、以来「トルストイも言うように、農耕が一番罪がない」と人里離れた熊本県水上村湯山にこもり、農業を営みながら、トルストイの翻訳に没入する。
「翻訳に大切なことは、原書に感動し、読者とその喜びを分かち合いたいと思うこと、だからトルストイが涙して書いた所は、私も泣いて訳します。」

感想・レビュー・書評

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  • 本で知ることは何と素晴らしいことか、戦中にこの様な人がいた事を知らなかった、文字を読んで考えながら自分の時間で理解する、人から「こんな人が居たんだよ」と言われてもおそらくスルーしていたかも知れない、心の洞察力を鍛えないと思う

  • 北御門二郎さんのような方がいたことを、今まで知らずにきて、この本に出会って知ることができて、本当によかったと思いました。トルストイの作品も、全く読んだことがなかったのですが、これからぜひ読んでみたいと思いました。
    自分の心にそむかずに生きる、ということは、人として当然なはずですが、自分も含めなかなかそれができていなかったり、自分の心を見失っていたりする。北御門さんがふるえながら徴兵を拒否したその勇気、行動に心うたれ、読みながら涙が出てきました。
    それから、今まで自分が選んでこなかったこと、周囲の人と同じようにしなかったこと、について、今までは「自分の力が足りないために、できなかった」というふうに否定的にとらえている面がありましたが、そうではなく、「自分が、やりたくないからしなかった」「自分の心に従って、こちらを選んだ」というふうに、とらえたらよいのではないかと、ふと思いました。そのために孤独になったとしても、自分の心にそむいて周囲に同調するより、望ましい生き方なのではないかと思えました。

  • 北御門二郎(きたみかどじろう)という農業者であり、トルストイ翻訳者がいたこと、を知ることができて、本当によかった。

    彼の素晴らしさは、なによりも自身でしっかりと考え、判断し、そして行動しているところ。


    ぶな葉一さんのあとがきにある北御門さんの言葉に救われる・・・
    「人間は不完全です。どんなことでもしてしまうんです。ぼくもほんとうに不完全なんですよ。だから理想という天からの羅針盤がいるのです。」

    そして、強く共感するのは~
    「兵役に就いて戦場にでかける。それは結局、人を殺しに出かけるということです。それは自分のうちにある魂を殺すことにほかなりません」
    「絶対非暴力」の気持ち。

    P12祖母は、「人間の性は自由よ」と答えました。それは人間の本性は、善にも悪にもなる、善悪は人間の努力しだいということでした。

    P38「だれが正しく、だれが正しくないか、裁くのはわたしたちではないと思う」

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著者プロフィール

本名 石田昭義安曇野に生まれる。北御門二郎氏と出会い、地の塩書房を設立。トルストイの作品『イワンの馬鹿』『文読む月日』などを広めることを始めて今日にいたる。著書に『山のみち』『まぶしい涙』『泣いたゼロ戦』(ともに銀の鈴社刊)

「2014年 『北御門二郎 魂の自由を求めて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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