エリック・ホッファー自伝―構想された真実

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制作 : Eric Hoffer  中本 義彦 
  • 作品社 (2002年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784878934735

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エリック・ホッファー自伝―構想された真実の感想・レビュー・書評

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  • これも、読書の腕前から知った本。
    こちらは文句なしに面白かった。恥ずかしながら、初めてエリック・ホッファーのことを知り、魅せられた!彼の人生そのものが、小説のよう。
    肉体労働から生み出される思想。
    興味津々。
    難しそうだが、いつか彼の著書も読んでみたい。

  • 最近知り合ったデザイナー&ドラマーの方から勧められた“沖仲仕の哲学者”エリック・ホッファー。まずは自伝からということで読んでみたのがこれ。14歳までを失明状態で過ごすことに始まり、凄まじい人生を歩んだ人物であるが、そういったエピソード以上に、読了した時に最も強く感じたのが「労働と学問の関係」である。つまり「学問は学校で行い、労働は社会で行う(社会人という言葉が「労働者」の近似値として使われることから分かるように)」という先入観が吹っ飛んだことだ。港で荷物の運搬を行う沖仲仕として働く日常と、人間の中に潜む真理を我がものにしようとする行為は、全く相矛盾しない。そのことを知ったのが、僕のホッファー体験第1号。さあ、今度は同氏の「魂の錬金術」でも読んで、その肉体労働の現場で、氏が掴みとった「真理」に触れてみたいと思う。

  • くらしの中で「哲学」して生まれた、ちょっとした言葉が深いところに響いてくる。この本の中で、作者がモンテーニュのエセーを評しているように。

    アメリカの社会史としても興味深い。

    「一九三三年にフランクリン・D・ローズヴェルトが大統領になる前のアメリカは、自己憐憫とはまったく無縁だった。言葉を交わした人間の誰一人として、自分の不幸を他人のせいにする者はいなかった。人生を語るときは、ほとんど例外なしに「悪いのは自分なんですが」と前置きする作法になっていた。」

    こういう国から、どうしてトランプ大統領が生まれたのか、
    疑問は尽きない。

  • 日雇労働、季節労働、港湾労働と社会の最下部に身をおき続け、独学で本を読み、思索した哲学者の自伝。

    幼いときに40才まで生きないだろうといわれたホッファーは、その倍以上の人生を生きる訳だが、ここで描かれるのは、その前半40才までの話。

    そして、ここまでのホッファーは、まだ著作家ではなく、放浪の労働者である。「私はいかにして哲学者になったのか」という回顧録ということかな。

    といっても、難しいことは全く書いてある訳ではなく、社会の最下部を浮遊する人生が、とても淡々と描かれていく。

    大不況時代における季節労働者なわけで、悲惨を絵に描いたような苦労話を想像してしまうのだが、人と人との出合いから生じるさまざまなエピソードには、むしろ明るさ、楽しさすら感じられる。

    金や権力といったものより、世界の最下部を支える単純労働のほうが、確実に実体のあるものであり、安定した存在であるという考え方、というか生き方が実践されているんだろうな。

    驚くのは、ホッファーがするモンテニューやら、ゲーテの話を周りの季節労働者が聞き入ったり、カフェで議論が始まったりすること。

    アメリカの30年代って、こういう時代だったんだろうか?

    人々は、苦境のなかで、自然と本質的なことに向かい合っていたんだろうなー。

    ホッファーの他の本もすこし読んでみよう。

  • すごく徹底した生き方だが、自分は短命で亡くなるという確信によるところが大きく、誰でも真似できるわけではないし、そうすべきでもない。

    ともあれ、一日6時間、週5日以上働くべきではない、とはいいことを言うと思った。

  • 読みたいメモ:The Ordeal of Change 田崎淑子・露木栄子訳『変化という試練』(大和書房、1965年)が良いらしい。

  • “沖仲士の哲学者”エリック・ホッファーの半生記。
    子供のときから自分の寿命と思っていた(家族にそう言われていた)四十歳頃まで、港湾労働者になる前までが綴られている。
    ホッファーが40年間に経験した出来事は実にドラマティックなものが多く、それがこの自伝の魅力・面白さにもなっているが、同時に、「もしこのまま彼女たちと暮せば、一時の平和も見いだせないだろう」と考えて最愛の人と別れる決心をするように、彼の人生に対する姿勢は実にシンプルで穏やかなものであった。
    四十代後半以降、多数の作品を執筆するほか、大学の教壇に立ったり、テレビに出演したりするが、彼の人生に対する姿勢の原点は、本書に記された四十歳までの半生にあるように思う。
    ホッファーは、六十七歳の時の著作『波止場日記』の中で「私が満足するのに必要なものは、ごくわずかである。1日2回のおいしい食事、タバコ、私の関心をひく本、少々の著述を毎日。これが、私にとっては生活のすべてである」と語っている。なんとも贅沢な生活ではないか。
    (2007年5月了)

  • ホッファーほどの才能をビジネスに生かすことができていれば、もっと豊かな暮らしができたのではないだろうか。思考の人というのは、世間的な意味での幸せからは遠ざかってしまうのかもしれない。しかし、何がその人にとって幸せかは本人にしかわからず、それが分かっている人が、自分のできうるかぎりの幸せを手に入れることができるのかもしれない。

  • 【引用】
    ・慣れ親しむことは生の矛先を鈍らせる。おそらくこの世界において永遠のよそ者であること、他の惑星からの訪問者であることが芸術家の証なのであろう。

    ・近代人は(中略)ようやく自由を手に入れたものの、今度は、「かれ自身の魂の救済を、しかも四六時中、行わねばならなくなった」。自らに対して、そして社会に対して、自らの価値を日々証明し、自らのっ存在を理由づけなければならなくなった。
    (中略)
    われわれは、往々にして、自分自身に満足できず、「自分自身と異なったもの」になりたいと熱望する。

    ・情熱とよばれる情念の大半には、自己逃避がひそんでいる。何かを情熱的に追及する人は、すべて逃亡者に似た特徴をもっている。

    ・情熱的な態度というものは、外からの刺激に対する反応であるよりも、むしろ内面的不満の発散なのである。

  • 死にたくなった状況に置かれた若い人に読んでもらいたい。まぁ何とかなる+理性的であれ、という。

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エリック・ホッファー自伝―構想された真実の作品紹介

失明、孤独、自殺未遂、10年の放浪、そして波止場へ…。つねに社会の最低辺に身を置き、働きながら読書と思索を続け、独学によって思想を築き上げた"沖仲士の哲学者"が綴る情熱的な精神のドラマ。

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