補陀落: 観音信仰への旅

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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784878935923

作品紹介・あらすじ

補陀落は観世音菩薩の治める浄土。現世の災厄を逃れて、また衆生の救済を求めて帰らぬ旅に出た者達がいた。那智勝浦から中国舟山列島、さらに韓国・インドの古跡を訪ね、歴史に潜む民衆の悲嘆の夢を探る。

感想・レビュー・書評

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  •       ―20080619

    聖母マリアから摩耶夫人、媽祖信仰へとひろがる観音信仰をめぐって、補陀落渡海にはじまり日本各地から韓国・中国またインドへと訪ね歩いた旅の文学的思索、03年刊

  • 観音菩薩の西方浄土を補陀落と呼ぶ。
    作者が補陀落についての研究や思うことを書き綴ったもので、難しい専門用語もなくさらっと読めた。

    もともとこの本を読んでみようと思ったのは熊野関係を調べていて補陀落渡海のことを知ったからだった。
    西方浄土を目指し小船に閉じ込められて(着物の袂には石をつめて)船出する補陀落渡海は今の時代から見ればただの自殺行為としか思えないが、どんな思いで浄土を目指したんだろうか。
    信仰のために死ぬことを美化することもなく軽んじることもなく評価することは至難の業だ。
    熊野に行った時も補陀洛山寺に行ったけれど、補陀落渡海をした僧たちの小さなお墓が並んでいたのを覚えている。

    もちろん他にも韓国の寺院など補陀落について幅広く書いているので補陀落渡海のことに限らない内容になっている。

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著者プロフィール

1951年2月、網走市に生まれる。文芸評論家。1981年「異様なるものをめぐって──徒然草論」で群像新人文学賞(評論部門)優秀作受賞。1993年から2009年まで、17年間にわたり毎日新聞で文芸時評を担当。木山捷平文学賞はじめ多くの文学賞の選考委員を務める。2017年から法政大学名誉教授。
『川村湊自撰集』全五巻(作品社、2015‒16年。第1巻 古典・近世文学編、第2巻 近代文学編、第3巻 現代文学編、第4巻 アジア・植民地文学編、第5巻 民俗・信仰・紀行編)。

「2022年 『架橋としての文学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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