白土三平論

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著者 : 四方田犬彦
  • 作品社 (2004年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784878936333

白土三平論の感想・レビュー・書評

  • 60年代の大学闘争の闘士たちのバイブルだった白土三平は、リアリスティックな描画が美しいとは思えず、あまり好きではありませんでした。カムイ伝もそういうわけでまともに読んだことがありません。白土が70年代に入って忘れ去られて行った背景には大学闘争・新左翼の没落があると言われておりますが、改めて白土の反権力的なストーリーを知り、今更ながら納得したという感じです。白土の父・岡本唐貴が日本共産党系の画家であり、少年時代から貧窮生活を極めたこと。戦争中に長野県真田村に疎開し、江戸時代の雰囲気が残った農村集落、そして差別社会をしっかり見たこと。そして30代で房総半島の漁村に移り住んでそこでの生活を見続けたこと。確かに白土の作品に影響を与えたことは間違いないですね。カムイ伝に至るまでの「忍者武芸帖」「甲賀忍法帖」「真田剣流」「シートン動物記」「サスケ」などの世界、そしてカムイ伝以降のエロ・グロとも見誤るべき「神話伝説」「女星」などの作品群。いずれも白土の思想を表現していたことに、漫画の世界ながらその深さに驚きました。また初期の作品はディズニー、手塚治虫の影響を受けて美しい絵を描いていたことも知り、意外でした。しかし、彼の思想を描いて行く上ではその画風はあまり相応しくないと確かに思います。

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白土三平論の作品紹介

『忍者武芸帳』に世界観を学び『カムイ伝』に自己同一化した60年代。熱気溢れる時代の青春に圧倒的影響を与えた白土漫画の全貌を初めて解明。40年を超える愛読の成果を凝縮する画期的考察。

白土三平論はこんな本です

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