- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784879191786
感想・レビュー・書評
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日曜模試の帰りに立ち寄ったコンビニで偶然起こった強盗事件。すぐに解決したかに思われたそれを発端に、事件は意外な方向へ転がっていく……。シャーロックホームズシリーズのオマージュのような、女子高生が主人公のミステリです。
キャラクター推しのラノベのような雰囲気の表紙ですが、キャラ設定などは割とさっぱりしていて、ちゃんとミステリでした。ちいさな手がかりから鋭く真実を導き出すクールな紗緒子と、真面目だけど好奇心旺盛で、感情や思い、些細な違和感を察してヒントを出す園子はなかなかいいコンビだなと思います。
ただ、こういった一般人が探偵役のお話にはありがちなのですが、どうしても警察が主人公側に都合よく動きすぎというか、一般人に肩入れしすぎ・情報漏らしすぎでは? という印象が強くハラハラします。情報漏洩とか心配になっちゃいますね……。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校の日曜模試の帰りのコンビニで和藤園子は見慣れない同級生に出会う。彼女、穂泉沙緒子は園子の思考や彼女の高校での立ち位置等を鮮やかに推理し、その後すぐ起きたコンビニ強盗事件も軽やかに解決する。そして二人はその場にいた客が関わる殺人事件の謎にも挑む事になり…。沙緒子の推理の積み上げ方はかっちりしていて正にホームズ的。園子も意見を出し、推理に協力する体制なのが対等の関係でいい。ただ推理した展開に真っ直ぐ進み過ぎかなぁ。刑事達含め関係者都合良く動き過ぎるしそれはいいのか?な点もある。思い出せないけど本家「緋色の研究」もそんな感じだったっけ?
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シャーロック・ホームズとワトソンのような女子高校生が主人公。
二人以外にもハドソン夫人やレストレード警部の名前をもじった人物たちが登場します。
探偵役の穂泉沙緒子は美人かつ頭脳明晰な英国帰りの帰国子女。ワトソン役の和藤園子は大人しい性格と外見ながら好奇心旺盛なクラス委員。
沙緒子は女子版ホームズにありがちなクールビューティーですが、冷たいとかツンデレキャラではなく、事件に関わった人にさり気なく気遣いができる人物として描かれていたのが私的には好印象でした。
対して園子は理想のワトソンっ子です!沙緒子の推理に驚くリアクションは勿論、意図せず的を射た質問や指摘をするところが正典のワトソン像をしっかり反映しています。園子が沙緒子が考えていることを言い当てて内心喜ぶ描写には、ワトソンのホームズに対する尊敬と親密さと同じものを感じました。沙緒子を女神とベタ褒めするあたりも原作ワトソンそのままです(笑)
やはり時代と性別を変えても、ホームズと(特に)ワトソンにはこの様な関係であってほしいと思えた作品でした。12月に続編が出てシリーズ化するらしいので今後の二人の活躍が楽しみです。 -
『しゃべくり探偵』に出てくる保住くんと和戸くんのおかげで、この本のキャラ名もすぐに分かった。
いや、それがなくても分かったとは思うけど、何かすぐに『しゃべくり探偵』を思い出した。
穂積さんの推理がサクサクッと進んでって、読みやすかった。 -
彼女たちは確実に真実へとたどりつく──
横浜の朝霧学園高校でクラス委員を務める二年の和藤園子は、日曜模試の帰り道に立ち寄ったコン ビニで、不思議な美少女・穂泉沙緒子に出会う。僅かな情報だけで園子のことを言い当て、二人の目の前で起きたコンビニ強盗を鮮やかに解決した沙緒子に強い興味を持つ園子。しかし無事に解決したかと思われた強盗事件は、意外な方向へと転がり始め、平凡だった園子の毎日を沙緒子との非日常へと導いていく――。 -
現代版女子高生ホームズ&ワトソン。
ライトノベル特有の、キャラクター萌えだけではないか?という心配は杞憂だった。のっけからシャーロック・ホームズしている。キャラクターの紹介はさっと済まし、推理と事件に入り込んでいくトントン拍子な展開に好感。
伏線やミスリードは、本格ファンなら大喜びの作品である。強盗事件から始まり、殺人事件に繋がる作者の企みには、ロジックのインパクトより、細やかな構成の妙に酔いしれました。
近年、ロジカルな若手ミステリ作家が頭角を現していますが、まさにこの作者も、そのど真ん中である。
ライトノベルの皮を被った、本格ミステリであった。
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いかにもなキャラ設定だが、嫌味が少なく、読後感がいい。