本について授業をはじめます (ちしきのもり)

著者 :
  • 少年写真新聞社
3.61
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本棚登録 : 79
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784879814937

感想・レビュー・書評

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  • 本の歴史や流通経路、印刷技術の説明まで本にまつわるトピックを扱った本。小学生をターゲットとして書かれているため、文字が大きく読みやすい。また、わかりやすくも丁寧な文章で書かれている。

    本に関する知識だけでなく、本との出会い方や読書方法についても書かれている。書店や図書館に足を運び自分の興味のある内容や今まで出会ったことのない書籍を手に取ってみる。読むときは頭から最後まで読むのも良し、気になるところだけチョイスして読むのも良し。あるいは、すこし難しくても、頑張って読み続けてみると面白くなってくる本があるかもしれない。そういった向き合い方まで教えてくれる。そんな、本のとっつきにくさをほぐしてくれるような本である。

  • 「今、日本で出版されている本は一日で平均二二〇点にもなります。これらの本、どこから来たのでしょう?だれが、どうやって、つくっているのでしょう?本の流通と歴史をさぐってみると、人間にとって、いかに本が重要なものであるかがわかってきました。」

  • 2020.01.18

  • 本について分かりやすく書いてあります。

  • 児童向けに書かれているので、本の歴史や本の流通のしくみがすごく分かりやすかった。
    本とつきあい方のコツとして、気楽に読むこと、つまらないと思ったら途中でやめてもいいこと、最初の10ページと最後の10ページを読むだけでもいいことを教えてくれている。

  • 永江朗の『「本が売れない」というけれど』を読んだのと前後して、「ブックマーク」読者のKさんからの本ネタ通信で、この本が紹介されていて、図書館にあったので借りてくる。

    少年写真新聞社の「ちしきのもり」というシリーズの1冊で、版元のサイトによると、これは"小学校中・高学年以上対象の新ノンフィクション"らしい。

    1時間目「ぼくらのもとに本がとどくまで」、2時間目「本のルーツをたどる旅」、3時間目「本と仲よくなるには」という構成で、Kさんが「一見すると児童書だが、中身はかなりマニアック、というアンバランスさも、面白い」と書いておられたとおり、字も大きいし、ちょっと込み入った字にはルビが振ってあるし、見た目はたしかに"小学校中・高学年以上対象"だが、『「本が売れない」というけれど』で書かれていた内容と重なるところもあったりで、大人が読むのもおもしろいと思う。

    3時間目に含まれている「未来の本について考える」は、紙じゃなくて電子、というようなちゃちな話ではなく、"いろんな本のかたち"を考えている。そもそも、本のかたちは変化し続けてきたのだ!

    ▼「文字や絵や写真を印刷した四角い紙を、そろえてとじて表紙をつけたもの」という現在の本のかたちは、本の長い歴史全体から見ると、最近のものにすぎません。これまで変化を続けたのですから、これからも変化し続けるでしょう。(p.120)

    「「本は四角くなくてもいい」と考えるだけで、いろんなかたちの本がつくれます」(p.121)に始まる、さまざまなアイデアの部分がおもしろい。新しい世代は、もっともっといろんな本を考えだし、つくりだせるのではないか。

    ▼本は紙でなくてもいい。昔の本が粘土や木だったことを考えると、どんなものでも本になります。たとえば布でできた本はどうでしょう。もしも一枚の大きな布に印刷した本なら、自由にたたむことができますね。…(略)…もっと大きければ、テントのようにして、そこに住むこともできるかもしれない。本の家です。
     布の本なら、必要なところだけ切り取ることもできるかもしれません。丸めたり、たたんだり、ポケットに入れるのも簡単そう。地図なら旅行するときに便利ですね。ポケットに入れておいて、道を確かめるときにさっと出す。時々、その本であせをふいたり、寒くなったら首に巻いたり、日が差してきたら頭に巻いたり。ゆかたに仕立てれば、着ることもできます。
     本がうすいプラスチックだったらどうかな。雨の日でも平気ですよ。おふろの中でも読めます。急に雨がふってきたら、広げてかさのようにすればいい。鉄やアルミニウムだったらどうだろう。ガラスだったらどうだろう。本は紙じゃなくてもいい、と考えるだけで、いろんな本をつくれます。(pp.122-123)

    「おわりに」で永江は、「未来の本はきみたちのもの、本の未来もきみたちのものです」(p.139)と呼びかけるとともに、これまでの本を大切に保管して伝えていってほしいという。「未来を考えるヒントはいつも過去の中にあります。そして、過去がどんなだったかを教えてくれるのもまた、本なのです」(p.139)と。

    コアラが食べるものとは種類が違うそうだが、口絵に写真で紹介されていた「紙の原料はユーカリです」というのが、私には驚きだった。ユーカリ? ちょっと検索してみたら、『沈黙の森・ユーカリ―日本の紙が世界の森を破壊する』といった本もあるらしい。ユーカリか~。もうちょっと知りたい。

    (12/11了)

  • ★★★☆☆
    ・本が一本の木からどのようにできるか。
    ・本の歴史
    ・どこで本と出会えるか
    本について学ぶ

    本の授業をする前に一度読んでおきたい。
    子どもはなかなか読み通せないかも
    (まっきー)

  • 本はどのようにつくられるか。

    紙、紙の製法、原材料。
    印刷技術。

    本を作る人。
    作家、編集、装丁、営業…。

    本の歴史。
    古代の壁画、粘土板、パピルス、製紙法の発明、グーテンベルクの活版印刷…。

    今後、どんな本ができるか。
    電子書籍の可能性。
    匂いのする本。
    読み手の名前が主人公になる本。

    「本」というキーワードで、放射線状に物事を俯瞰できる1冊。

    一般の人もさらっと読んでも面白い。

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著者プロフィール

1958年生まれ。ライター。書籍輸入販売会社のニューアート西武(アールヴィヴァン)を経て、フリーの編集者兼ライターに。90~93年、「宝島」「別冊宝島」編集部に在籍。その後はライター専業。「アサヒ芸能」「週刊朝日」「週刊エコノミスト」などで連載をもつ。ラジオ「ナルミッツ!!! 永江朗ニューブックワールド」(HBC)、「ラジオ深夜便 やっぱり本が好き」(NHK第一)に出演。
おもな著書に『インタビュー術!』(講談社現代新書)、『本を読むということ』(河出文庫)、『筑摩書房 それからの40年』(筑摩選書)、『「本が売れない」というけれど』(ポプラ新書)、『小さな出版社のつくり方』(猿江商会)など。

「2019年 『私は本屋が好きでした』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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