見残しの塔―周防国五重塔縁起

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著者 : 久木綾子
  • 新宿書房 (2008年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880083896

見残しの塔―周防国五重塔縁起の感想・レビュー・書評

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  • 小説としては、読みにくい。話がポンポン飛んでいき、読者を置いてけぼりにする。
    それでも読んで行くと、大方こういった流れかな、というのが分かってくる。
    山口県の瑠璃光寺の五重塔の建立にまつわる人たちの生き様が書かれている。そこには淡い恋物語もある。
    もし、行く機会があれば、この物語のことも思い出して見たい。

  • 小説としての出来は、あまり良くないと思う。小説と思うと、読みにくい。歴史書に近いと思うか、史実でもないだろうし中途半端かも。
    史実から、いろいろ想像して、話を組み立てたんだろうなぁと思うと、さぞかし、楽しかったのだろうと思う。
    個人的には、大好きな、五重の塔や、若狭の国、周防の国、国東、興味は、つきなかった。

  • あの美しい瑠璃光寺の五重塔建設をめぐる中世の物語。高齢の著者の緻密に取材し検証していく制作態度に感銘を受ける。
    しっとりとした壮大な物語であるし、語り口の格調高さにも納得するが、無理やりのエンドにはちょっとがっかり。

  • 久木綾子さんは89歳の新人作家さん!
    『見残しの塔』は彼女のデビュー作になります。
    周防の国とは現在の山口県のこと。もともとは山口県の地方同人誌に発表された作品らしいのですが、室町時代に建てられた山口県にある国宝「瑠璃光寺五重塔」が建立される話を中心に、当時に生きた人々を生き生きと現代によみがえらせています。
    丹念な取材から書き起こされた文章には脱帽します。当時の治安、他国との距離、職人や女性の置かれた立場なども、まるで当時を思い浮かべることができるよう。
    でも、この物語で、最後まで印象に残るのは、美しく建つ五重塔なんですよね!
    人間が幻のようにその一生を駆け抜け、残像のように来ては去っていく中で、五重塔だけがそこに立ち続け、美しさもそのままに時代を越えて現代の私たちの目に映っている、そんなイメージが浮かびました。
    登場人物に対して作者はある一定の距離感を持っています。それでいてそれぞれの人物に共感したり感情移入できる、不思議な小説。
    きっと久木綾子さんの歩んできた人生がこういう素敵な小説を生んだんでしょうね。
    なんて勝手に私は思ってしまいました☆

  • 登場人物の精神性に惹かれる。
    最初は、大工仕事の詳細に惹かれていた。けれどそれだけではない、神仏に恥じない生き方をしようとする人たちに惹かれる。

    読み進むうち、私は本当にこれを知りたかった、あの美しい塔を作ったのがどういう人たちだったのかを知りたかったのだと思った。

  • 山口県にある瑠璃光寺の五重塔の建立にかかわる、多くの人物の絡みが爽やかに書かれている。日本の建築技術の素晴らしさにも触れることが出来る。一人ひとりは個性的だが、その凛とした姿、潔さには、今を振り返り反省させられる。

  • 本書を先に知っていたら今年、山口県に行ったときに瑠璃光寺五重塔まで足を運んだものを・・・。

  • 見残しの塔
    久木綾子さん
    89歳の新人に乾杯

  • 山口にある、瑠璃光寺の塔をめぐる物語。
    作者の86歳のデビュー作という逸品。

    物語の行方と登場人物には好感を持った。

    しかし、初出の固有名詞と説明的な文が続く、登場人物の祖先の話や、宮大工の技術については、かなり読みづらかった。
    (宮大工の話は図解などがあってもよいのかも)

    また、時系列でない部分が理解しづらかった。

    ラストの寿々の行動や、初子と宗達のことも、???と唐突さに驚いた。
    作者の背景を知らないまま読んだいたら、最後まで読めなかったかもしれない。
    彼女は、老年に、魅せられた塔に寄り添い、綿密な取材を続け、宮大工に弟子入りまでした書いたという。

    登場人物では、園子が気に入った。
    エゴと美しさの中を、彼女は苦しみながら生きていったのだ。
    作者が描きたかったものは、おそらく彼女だっただろう。

  • 周防国、現在の山口市に建つ瑠璃光寺五重塔建築にまつわる物語。日向の番匠と若狭の武家の娘が、五重塔にひかれたかのように周防で出会う。
    物語色の強い話だ。塔の建築を中心に据えながら、それ自体ではなく、塔が醸すロマンを描いたという感じ。
    ただ想像力のままに書いたのではなく、根底に膨大な量の調べ物があるようで、その辺りは巻末の「あとがきにかえて」に詳しい。これはこれで、一つの物語となっている。
    著者は刊行時に89歳。構想に14年、執筆に4年を費やしたそうだ。それだけの魅力が瑠璃光寺の塔にはあったということだろう。瑠璃光寺の五重塔は、ウィキペディアによれば、日本で十番目に古く(日本にはどれだけ五重塔があるんだろう・・・?)、京都の醍醐寺・奈良の法隆寺のものとならんで日本三名塔の一つに数えられることもあるそうである。自分は実物を見たことがないのだけれど、連れ合いが子どもの頃、瑠璃光寺のごく近所に住んでいたというので、名前だけは知っていた。新聞広告で見かけて「お、瑠璃光寺だ」と思って借りてみた。いつか、塔の実物を見る機会があるだろうか。

    *最初は少し読みにくかったが、途中からは結構すいすい読めた。地理音痴なので、巻頭の地図がもう少し詳しいとよかったのになぁと思う。
    *少し横長のちょっと変わった判型。
    *昔の旅は命懸けだったんだろうなぁ。

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