医学を基礎とするまちづくり Medicine-Based Town (文化とまちづくり叢書)
- 水曜社 (2014年1月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784880653358
作品紹介・あらすじ
まちづくりが「医学」と出会った!
Medicine-Based Town(MBT)とは、「医学を基礎とするまち」のこと。奈良県立医科大学の「住居医学講座」(細井教授)が提唱する概念である。
「住居を、医学という視点から研究する」というコンセプトのもと、住まいにおける『健康』を医学的見地から研究してきた。その成果をさらに発展させ、地域活性化の実践的な試みで知られる早稲田大学(後藤研究室)が手を携えた。
MBTの核心は、医療福祉健康に関するさまざまな機能や情報が病院や施設内、すなわち、建築や敷地の外に開放され、ひろく「まち」中に展開していくものである。その結果、まちそのものを元気にする波及的な効果が期待される。たとえば、空き家化が進む地方都市の中心市街地、歴史的まちなみ保存地区、老朽化が進むかつてのニュータウン、中山間地域の集落などにおけるMBT導入の効果はたいへん大きい。
また、本書では医学の専門家、情報通信技術者・研究者、市民・NPOとの共同作業によりインターネットなどの情報を駆使したまちづくりの基礎を構築する。
感想・レビュー・書評
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MBT=Medicine-Based Town。とても示唆に富んだ一冊だった。医学と都市計画学との融合。地域包括ケアシステムと近隣住区理論の面的範囲は合致する。後期高齢者が四人に1人といった超高齢化社会が迫る中、住まい、医療、介護、予防、生活支援を如何に地域の中に確立していくのか。医療支援施設の都市計画での誘導や空き家や古民家の利活用など、融合しあえるところが非常に大きいと感じた。
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医療は、インフラストラクチャーであると考えているので、このようなアイデアには賛同しない。医学・医療至上主義を高らかに謳っているがトップダウンのお役所によるまちづくりになりかねないと思う。まちは、住民がつくるものだ。