- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784880861685
感想・レビュー・書評
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『読書の軌跡』阿部謹也より
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これが偽書であるかは問題ではない。こういった思想によって世界支配が思考できることと、今の国際情勢にこれが当てはまっていることは、それだけで一度考えてみる価値がある。また、解説が面白く、ユダヤ教について学びたくなってしまった。
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20世紀始めに帝政ロシアの情報機関によってフランスから入手され、ロシア語で翻訳出版され、その後、陸軍の日本人将校により翻訳された変わった歴史を持つ一冊。
この本を巡り、偽書説や偽造書などの数多くの見解が入り乱れ、毀誉褒貶の絶えない問題図書である。
しかも、本書の解説によると、歴史上この書を発禁としていた国も存在し、1917年のロシア革命時にはこの書の所持のみで「死刑」となったというから本当に驚きである。
気になる内容についてだが、ユダヤ民族がいかにして非ユダヤ(本書の記述ではゴイム)を統治していくかについて、その手法を大胆に述べたものである。その中身は教育、経済、家族制度、政治機構、娯楽から報道関係についてまで及んでいる。その指針に関して、現代の世界を取り巻く環境(当然、日本も含む)と符合する箇所があまりにも多く、果たして本当に100年前に書かれたものなのかと疑いたくなるくらいだ。
グローバル化の進展に伴い、ますます世界との関係抜きで日本の将来を論じることが出来ない今、先の見えにくい未来を読み解く上でも、この書は必読の一冊といえるだろう。 -
分類=国際情勢。04年8月。偽書説などが取り沙汰されますが、その当否はともかく、現在私達の社会が抱える種々の歪みの原因を探る上で、本書から得るところがあるのも事実です。