現場として、以下の6件が挙げられている。
CASE1.兵庫県・家島
CASE2.島根県・海士町
CASE3.宮崎県・延岡市
CASE4.三重県・島ヶ原
CASE5.東京都・墨田区
CASE6.issue+designプロジェクト
コミュニティの1人1人から考えていることを聞き出し、言語化・数値化することで具体化し、コミュニティの持つ得意分野を、現代の若者にも受け入れやすいような、かわいい・個性的なデザインをしたパッケージで包んでいく。
Chapter3では「コミュニティデザインエンパワメント理論」として11項目が挙げられている。
Theory1.「他人ごと」を「自分ごと」に近づける。
Theory2.小さく生んで、やさしく育てる。
Theory3.1万人×1回より 100人×100回
Theory4.「発明」で まちを変える。
Theory5.楽しいことをベースに、関係性を耕す。
Theory6.金儲けではなく、人儲けをする。
Theory7.毎回、新しい「答え」を見つける。
Theory8.選択肢を示して、結論は住民が出す。
Theory9.生活を軸にしたデザインをする。
Theory10.「去る」という前提を共有する。
Theory11.一石二鳥以上を狙う。
Theory1では、例えば、「あなたが困っていることは、地域が困っていること。地域が困っていることは自治体が困っていること。だからあなたの情報や声がとても大事。聞かせてほしい」というスタンスでの訴えかけをする。
それは、「自分ごと」として出てくる意見や声が、最もリアルで正直な「地域の問題」を指し示していることが多いからである。
「他人ごと」としてする批評には、正確さに欠けたり、当事者の行きを削いで進行を妨げるものが多い。意識を自分ごとに切り替えるには、発言を誘導する仕掛けをつくる。
例えば、ワークショップで「新しくなる●●駅を使って、あなたは何をしたいですか?」というテーマで、付箋に名前をつけて書いて模造紙に貼ってもらう。すると、「誰が何をしたいのか、できるのか」がはっきりと浮かび上がってくる。そして、「言ったからにはやりましょうね!」と言う。これが仕掛けである。
最終目標は、「自分ごとにする人たちのチーム」を作ることである。
「言ったからにはやりましょう!」の徹底は、コミュニティデザインの金科玉条なのである。
Chapterの最後に「コミュニティデザイン的仕事の流儀」が12項目書かれている。
1.「まあ、こんなもんだろう」を止める。
2.伝えたいことや使い方が不明確なものを作らない。
3.「実行」しながら「実験」をする。
4.徹底した調査を行う。
5.美しく伝える。
6.落語のようにしゃべる。
7.参加者のなかに友人をつくる。
8.明るく存在する。
9.危機感をあおらない。
10.関わり方、働き方を自分で決める。
11.10の能力を身に付ける。
(①話す、②書く、③描く、④調べる、⑤創る、⑥作る、⑦引き出す、⑧まとめる、⑨組織化する、⑩数える)
12.あるところで、考えるのを終えて動き出す。