はんらんする身体

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  • 専修大学出版局 (2006年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784881251782

はんらんする身体の感想・レビュー・書評

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    この本のテーマは身体の反乱であり、身体の氾濫である。
    内容(「MARC」データベースより)
    身体の反乱、身体の氾濫をテーマに、「命がけのサイレント・パフォーマンス」に搦めとられている(かも知れない)若者に向かって、4人の専門家がそれぞれの持ち味を生かして語る。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    香山 リカ
    1960年北海道生まれ。帝塚山学院大学人間文化学部教授。専門は精神医学

    下斗米 淳
    1961年東京生まれ。専修大学文学部教授。専門は、社会心理学と教育心理学。集団動態や対人関係の親密化過程に関わる理論化と、人の自己(self)変容・発達メカニズムの検討を通して、人の社会的な適応を促進あるいは阻害させる原因を実験心理学の立場から解明することが研究の中心テーマ

    貫 成人
    1956年神奈川県生まれ。東京大学大学院哲学専修博士課程満期退学。文学博士(東北大学)。埼玉大学教養学部助教授を経て、専修大学文学部教授。現代哲学、歴史理論、舞踊研究を専攻

    芹沢 俊介
    1942年東京生まれ。社会評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 自分自身がまだ若者だし、いわゆる若者論ってなかなかなじめないところがあるのですが、この本には色々考えさせられるところがありました。

    香山リカは、若者は一種の離人の感覚に苦しんでいるのではないかと主張しています。
    他の方の考察も混ぜてしまうと、受け入れてくれる人(母親など)が「いるのにいない」こと、ネットなどでいくつもの自分を切り替えることに慣れていることによって自己がうまく統合されず、目の前の現実をリアルと感じられなくなってしまう。
    離人的な自己を生きるには次の三つの方法しかないのではないか。すなわち(1)村上隆の「スーパーフラット」のように自覚的に離人感覚を生きる (2)自傷などをして痛みという肉体の根源的なところにリアルを求める (3)リアリティを諦めて現実離れしたピュアな自分を本当の自分だと思い込む この2と3が「若者の奇異な行動」の原因になっていると考えることができる。
    衝動的なODや過激なダイエット、美容整形は、リアルの感じられない自己を消去し再獲得しようとする、命がけのパフォーマンスと呼べるのではないか。

    もうひとつは、少し真ん中にあった下斗米さんという方の文章。
    集合的(社会的)アイデンティティと個人的アイデンティティのどちらか一方、あるいは両方が確立されないと人は「生きづらい」と感じる。
    人間関係には類似性(安心感などの感情)と異質性(役割分担という機能)が共に必要とされる。集合的アイデンティティは類似性、個人的アイデンティティは(集団に属した上でその中での)異質性に基づいて確立されるのだから、教育問題を「個性か集団適応か」のような二律背反で語ってはいけない。
    家庭や会社などわかりやすい集団が社会的に確立されており、集合的アイデンティティを獲得しやすかった大人とは違い、今の若者は集合的アイデンティティを得られないままそれを前提としているはずの「個性」を求められている。

    私自身は別に生きづらく感じることはないですが、ネット全盛の世界を生きてきたことが自分にどういう影響を与えているんだろうと思うと、なんだか怖い気もします。

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