- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784881357293
感想・レビュー・書評
-
この小説の見どころは、容疑者全員を一部屋に入れた心理的実験(椅子にくくりつけ、サルぐつわ、目隠し、灯を消し音と話し言葉で再現していく方法)を行うところだ。人間の恐怖心を煽る仕法、恐怖を持ったものは再現されることを恐れ自ずと自白へと導いていく、を取ったことだ。 現代でも目隠しされ完全に闇になると恐怖心・嘘から誘導(周りが気になり)される可能性は高いかもしれない。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アメリカのミステリ作家、カーの短編集。初翻訳のものもあるよう。
収録は、表題作「グラン・ギニョール」密室首切り殺人にバンコランが挑む。「悪魔の銃」襲い来る悪魔、その正体は。「薄闇の女神」顔も知らない相手に焦がれるという悲劇。「史上最高のゲーム」ミステリ評。ミステリとは読者にたいしてフェアでなくてはならないという、カー節。北村薫さんのコメントつき。 -
「曲がった蝶番」が割と面白かったので、読んでみようと思って読む。
表題作「グラン・ギニョール」、緻密さこそ欠けるけれども勢いあるちょっとグロテスクな作品だったものの、私は結構好きだった。
一番最後にあった探偵小説についてのエッセイも興味深かったなぁ。 -
「不可能犯罪の巨匠」ジョン・ディクスン・カー。デビュー作「夜歩く」は有名(らしい)が、こちらの表題作はその原型となったもの。パリでかつて興行のあった、残酷劇に題を取っている。パリのカジノである晩、衆人環視の密室で起こった首切り殺人。一見不可能に思われるこの犯罪の謎に立ち向かうパリ警視庁のバンコラン警部…という、旧き良きミステリー。小学生の頃読んでいた、いわゆる“推理小説”を思い出した。
短編集で、表題作他3篇。が、表題作以外で一番面白く読んだのは、カーによるミステリー論とも言うべきエッセイ「地上最高のゲーム」。書かれたのは今世紀前半のことなので当然時代は感じるのだが、それはそれで、自分のようなミステリ初級者には手引きとしても面白く読めた。 -
読んだことあるっけ?というくらい
既視感のある表題作。
当時は革新的だったのかもしれないが……そうでもないか。
おどろおどろしいいやーな雰囲気はカーならでは。
容疑者全員を椅子に縛り付けて猿轡を噛ませる奇人探偵。
皆素直だなー。