RAIL WARS!〈3〉日本國有鉄道公安隊 (創芸社クリア文庫)

著者 :
  • 創藝社
4.02
  • (14)
  • (16)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 164
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784881441671

作品紹介・あらすじ

「高山直人らに國鉄公安隊高度研修を命じる」はああっ!?「それならオートマチック撃ち放題よね!」「この特殊警捧、スタンガン付きの最新型だぜ!」盛り上がる桜井たちにイラついた俺は、ついに本音を叫んでしまう。「俺は-!!」衝撃の一言に警四の心はバラバラに。状況は最悪。なのに、なのに、どーして俺は軽井沢でWデートなんかしてるんだ?!國鉄が分割民営化されなかったもう一つの日本を舞台に、夢の鉄道パラダイス・エンタテイメント第三弾!碓氷峠、定通。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 安中榛名の合宿所で強化合宿編.碓氷峠の廃線がモデルらしい列車パートがとにかくアツくてよかった.アプト式という列車の特性を活かしたクライマックスシーンは,鉄道に疎い自分にはかなり難しかったけど,それでも熱意は伝わる.仲間割れだったり軽井沢でデートだったりとラブコメお決まりパターンとの緩急がよい.ところで,1巻からして,てっきり警四メンバー内でのカップリングだと思っていただけに,札沼の再登場は意外.その分,教会でのシーンが引き立つのかもしれない.
    政治家駅である安中榛名の批判はもうちょっと語ってもらいたかった.「警四に私服を着せたい」という作者のわがままと,それを見事に絵にしたバーニア600氏にはGJと言いたい.

  • 安定の3巻目、登場人物の性格的な物も根付いて来たところで軽めの?試練。より結束を固めて後編へ…ってとこでしょうか。
    文字通りジェットコースター的な展開であっという間に読み終わりました、既に4巻が出てるのですぐに読み始めようと思ってます。

  • 国鉄公安隊ラノベ3巻! 今回の舞台は碓氷峠! 碓氷峠行ってみたい!!!

  •  pixivでフォローしているバーニア600氏が表紙と挿絵を手掛けているということを知り、購入しました。

     このクリア文庫というレーベルがあまり売れていないのか、最新刊の3巻だけが書店にあったのでとりあえず買ったのはこの巻からです。

     舞台は、国鉄が廃止されていない日本。そこでは国鉄公安隊なる組織が編成されており、主人公たちはその訓練生である高校生たちです。

     前巻までを読んでいないので分からないのですが、彼らはそれまでも、鉄道を巡るトラブルで大活躍していたようです。そんな彼らが今回は、アンチ国鉄のテロリスト集団・「RJ」からの脱出者の保護指令を受けます。そして追手との対決――。

     この対決で得たテロ情報の取り扱いと、脱出者の素性については「以下次巻!」のようです。今回の巻の見せ場はここから。土砂崩れで鉄道が不通になったため移植予定の臓器を輸送できない、というトラブルに主人公たちが遭遇してしまうのです。

     そこで軌道自転車でもって、ふだんは使われない古い路線のほうをブッ飛ばしていくことになる。豪雨の中を、仲間と力を合わせて。

     この「仲間と力を合わせて」がミソです。直前に仲間たちの気持ちがバラバラになっており、チームワークがうまくとれなくなっていたのです。ですからこの軌道車の運転は、物理的にも精神的にも彼らにとっては乗り越える試練なのですね。

     この小説の面白さは、こういっちゃなんですが、「ありきたり」のネタへの息の吹き込み方にあると思います。

     未成熟の少年少女の成長、テロ集団との戦い、試練を乗り越えることによるチームワークの再生などなどの要素は、それだけ見るとそう珍しいものではありません。しかし国鉄が廃止されていない日本を舞台にすることで、それらの要素がまったく新しいものであるかのように、不思議な現実感をもって迫ってくるのです。

     ただこの設定が万人向けかというとそうでもなく、鉄道関係の描写はマニア向けと思われます。僕もそうですが、分からない人にはチンプンカンプンなんじゃないかな。もちろん、ダムの描写がチンプンカンプンでもそれなりの評価を得た『ホワイトアウト』などの例があるように、それは作品の面白さを絶対的に減ずるものではないのですが。

     ちなみに僕は、鉄道事故のルポなんぞを書いたりしていたおかげで、鉄道というアイテムや舞台設定にまつわるロマンをそれなりに感じることができました。それに後半のジェットコースター的な展開も、なんとなく花園線の暴走事故を連想させてハラハラしましたね(そういえば作者も奈良の近鉄沿線育ちだそうです)。

     なんとなく味気ない感想文になってしまいましたが、この巻の続きもさることながら、1巻と2巻も気になって仕方ないので引き続き追いかけていきます。

  •  碓氷峠の軌道自転車による滑降とは、凄いことを思いついたものだ…。この着想だけで成功が予想できる。もともと派手なアクションは本作の魅力。実際のところ、物語の構成としては割合に単純かつ典型的で、心が離れつつあるチームが協力し合うことの意義に気づき、困難を乗り越えていくというもの。しかし、碓氷峠の滑降が手に汗握る情景で、映像化に映えそう。また文章から情景が想像しやすくなっていると感じられたが、何気に描写が前巻よりも上手くなっているのだろうか…。

  • 体重かけて電車を脱線させないようにするっていうムチャシーンが読めて大変満足。次作も期待。

  • 碓氷峠エピソード

    作者「はーい、今回はみんなに仲たがいしてもらうからねー!よろしくー!」
    役者「わっかりましたー!」

    な感じのへっぽこ脚本と大根役者を想像すると、今回の物語は理解しやすいかもしれない。
    物語の都合で異様に優秀になったり、未熟になったり。
    茶番だよねぇ。
    一応、前巻の山場では互いを信頼しあい、認め合ったはずなのに、今回はちょろっと仲たがいしてもらいます的なノリで唐突にケンカを始め足を引っ張り合うとか、読んでてその安っぽさに失笑してしまう。
    キャラ設定に一貫性くらいは持たせて欲しいなぁ。
    だいたい、けんかする理由が弱すぎる。
    主人公が鉄道公安隊を目指していなかったからってあそこまで関係が悪化するのは唐突過ぎるし、不自然と感じる。
    運転シミュレータの失態にしても、前巻では追い込まれたときにこそ都合よくピンチを乗り切っていた主人公が、ちょっと仲間との仲たがいで追い込まれただけで異様に取り乱して失態を演じるとか、わざとらしい。
    作者の脚本どおりにキャラが「やらされてる感」がひどくて、冷めてしまう。
    でもまあ、アニメで製作された分のエピソードまでは読んでおこうかなぁと思う。
    アニメで碓氷峠のエピソードが放送されたときもツッコミドコロが満載だったけど、原作でもやっぱり突っ込みたくなるところが多いね。
    さすがにアニメの軌道自転車はスケールがおかしかったみたいで原作ではもっと小ぶりな印象。
    アニメの体重移動カーブは軌道自転車の重量感に対して人間が軽すぎるだろうって印象が強かったけど、元々はもっと小さな車体ってことだったんだろう。
    だとしても、臓器移動にまず空路の選択肢が一切出てこないところに突っ込みたい。
    そりゃヘリなんかすぐに調達できないだろうけど、自衛隊って発想があるなら警察消防マスコミ山岳救助隊どこからでもヘリの一機くらい都合できないもんか。
    ダメならダメでいいんだが、まったく発想が出てこないのはいかがなものか。
    軌道自転車を使うにしても、なぜその道のプロがやらないのか?
    持ち場を離れられないなどの理由は当然あるんだろうけど、そのあたりが一切語られずに学生に危険な運搬を任せるってのは、まあ話としては面白いけど、小説としてはむちゃくちゃ乱暴。

  • 引き続き面白かったです!研修なのに(?)危ない橋を渡りまくってきた第四警戒班、通称警四の研修生たち。彼らをより大きな戦力とするため、高度研修の機会が与えられます。四人の関係がより強固になり、高山くんが運転士になりたい理由も明かされる、鉄道青春ストーリー第三弾。

  • またまたOJT中の高校生4人組がやらかしてくれます
    今回は特別研修中の4人が非番で遊びに行った先の軽井沢でまたまた巻き込まれていきます
    テロのRJからの脱退を希望する人を保護せよとの任務に非番から一挙にいつも通りの体制に…
    桜井・小海の女子との駆け引きも混じり、もう語りつくせない要素満載です

  • 国鉄が民営化されてなかったらという「if」の世界を表現した夢の鉄道エンターテイメントラノベの第3弾。
    今回は高度な研修へ向かった地で事件に巻き込まれて、最後は碓氷峠にて……

    鉄道のことはまったく知らない自分ですが、情景描写と挿絵が半端ないせいで読んでいるときの楽しさは別格。
    メインの列車の件はちょっとやりすぎかもしれないけどさ(笑)
    この路線がどんどん広がっていってほしいですね!

    それにしても桜井は暴走しまくっているけど、お淑やかな一面も見れてなんか新鮮な感じがしました。
    小海さんも札沼もいいし、飯田班長、五能隊員、ついでに岩泉、もう濃すぎるね(笑)

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

2011年、集英社より「電車で行こう!」シリーズで小説家デビューを果たす。「駅に泊まろう!」(光文社)など多数の鉄道小説を執筆中。
最近はずっと旅に出ていることが多くなり、このままだと家にいる時の方が少ないかもしれない。
「Exp」シリーズも二巻目となりました。
引き続き、よろしくお願いいたします。

「2022年 『RAIL WARS!Exp 人型重機は國鉄の夢を見るか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

豊田巧の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×