十六の墓標 下―炎と死の青春

著者 :
  • 彩流社
3.00
  • (0)
  • (3)
  • (11)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 76
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882020370

作品紹介・あらすじ

「永田さんが獄中の孤独の中で、この恐ろしい過去と対決してひとりでこの手記を書きあげたそのことこそ、地獄でなくて何でしょう。地獄を通った人にのみ聖なるものが見えるのかのしれません。」(瀬戸内晴美〈瀬戸内寂聴〉)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 宗教、思想、哲学を規範や戒律、教義として自らに課し、また、それとは並立する形で法律があるというのが人間社会である。しかし、それらは全て不完全であり、故に、過ちを繰り返しているというのもまた、我々の歴史である。この過ちを修正する仕組みが民主主義や、ファッショ、あるいは共産主義などの主義、あるいは暴力だ。未成熟な思想を持ち、不完全な主義を標榜し、その矛盾を暴力で埋めようとした。暴力は、同調圧力を起こし、狂気となり、殺人に発展した。

    盲従は常に危険である。

    この事には当事者は気付かない。しかし、宗教となると、やはり、これは盲従すべきものなのである。従い、人間社会とは、常に未成熟な状態の中で、テロや戦争を引き起こすのである。

    本著を気持ち悪いと評する事も可能だろう。しかし、文革でも、このような茶飯事であった事からして、思想に、総括や自己批判などを含む事自体が、問題の要点だったのではないだろうか。

  • 痛ましい山岳ベース事件は、100%特殊な人が引き起こした訳でもなく、日本の軍隊的なしごき、いじめの要素が十二分に含まれていることが本書から分かります。
    そこまで特殊でない幾つかの要因が重なるだけで、同じ事件が起こり続けるのでしょう。

  • 連合赤軍のナンバー2・永田洋子が生い立ちから事件を起こして逮捕されるまでの半生を記した自伝。
    上巻では暴力的な描写はほとんどなかったが、下巻からリンチが始まり、残酷な場面が続く。

    言われてるほどひどい本ではないなあと思った。彼女なりに正直に書こうとしている気はした。

    ただ、瀬戸内寂聴の「永田さん以外の人物は生き生きと描かれているのに、永田さん本人の姿だけははっきり見えてこない」という感想には同感。

  • 自己弁護という評が一番しっくりくる。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(立花隆選)75
    共産主義思想
    連合赤軍事件。思想に殉じることの危険性を知るべき。

  • よく覚えてないけど、自己弁護、言い訳ばかりだったような気がする。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1954年生まれ、「永田農法」創始者・永田照吉治の長女。アグリナガタ代表。
1976年 株式会社日本緑健(現・りょくけん)入社。鉢植えでの永田農法のアドバイザーに従事。
永田照吉治名義の著書の一部を執筆協力に携わる。
野菜研究家としてインドネシアで野菜栽培技術指導の他、2005年からJICA嘱託として東ティモールの農業技術指導に携わる。

「2008年 『永田農法でつくるベランダ・屋上菜園』 で使われていた紹介文から引用しています。」

永田洋子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×