あさま山荘1972 上

著者 :
  • 彩流社
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本棚登録 : 161
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882022527

作品紹介・あらすじ

戦後史で衝撃的な事件として記憶に新しいあさま山荘銃撃戦の当事者が、沈黙を破って20年ぶりに筆をとり、内側から当時の状況を克明に描く。著者は連合赤軍事件全体に係わっており、その詳細な証言は貴重な歴史的遺産となった。

感想・レビュー・書評

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  •  当時の米国による共産化封じ込め政策としての「戦争(暴力)」が、ある意味、それに追従する日本政府への反感(日米安保、沖縄基地問題、三里塚闘争等)、そして、それに抗うため、共産革命の名のもと「暴力」の肯定につながってしまったものと解する。
     その正義感から労働者を解放する革命を胸に抱いた普通の若者が、体制に抗うための暴力に傾倒していく様子が生々しく語られている

  • あさま山荘事件の犯人グループのリーダーの手記。

    残酷な思想を持つ者というより、時代背景から考えれば普通の部類に入る若者が、要所要所で思考停止をした結果、残虐な殺人を犯したのだと感じました。

  • 山本直樹の「レッド」を読んだことを切っ掛けに連合赤軍事件に興味を持ち、この本を読んだ。
    所々左翼用語が出てきたりするので、そのへんの知識がないとちょっと読みづらい箇所もある。

    著者の坂口弘は典型的な「不器用な昭和の男」というタイプで、共感できる部分もないわけじゃないが、ちょっとヘタレすぎだと思う。
    次第に過激な武力路線に染まっていく妻・永田洋子に対して、心の中では色々文句を言いつつも結局はいつも従ってしまう感じが。
    坂口がちゃんと永田を止めれば回避できた出来事も、上巻の時点では結構あった気がする。

    彼の文章は亡くなった人への謝罪の気持ちはありつつも「自分はあくまで森と永田に翻弄された被害者」というスタンスで書かれている気がして、そのへんの自分の責任についてあまりよく分かっていないのではという気がした。

  • こういう作品を読むにつれて
    集団というものの恐怖を覚えます。
    終盤には離脱したメンバーを躊躇なく
    殺害する描写が出てきます。

    ちなみに、その前には殺されかけた人も
    出てくるのです。
    (スパイ疑惑が出たのですが、潔白が証明されています)

    つまり行うことが反社会的行動が
    どうしても絡むがゆえに様々な恐怖と
    戦わないといけないのです。
    ここに出てくる人だってカリスマがあったのに
    結局はことごとく失敗し
    実刑まで食らう人も…

    著者の文章を見ればわかる通り
    間違いなく頭脳のさえる男性です。
    なぜこうなったのか…

  • ノンフィクション

  • 2018/11/1購入

  • -400

  •  
    ── 坂口 弘《あさま山荘 1972〈上〉19930401 彩流社》19931006 盗作謝罪
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4882022524
     
    (20170827)
     

  • 真面目人間の悲劇。親分の川島が悪だ。下も。

  • 戦争が終わって、日本もある程度平和になって、いろいろな情報が入るようになると思想が出てくる。

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著者プロフィール

1946年11月12日千葉県生まれ。1962年4月木更津高校入学。1965年4月東京水産大学(現・東京海洋大学)入学、のち中退。1972年2月28日、あさま山荘事件で逮捕。1993年2月19日最高裁で死刑判決。1990年代に、獄中で西行『山家集』を読んだことをきっかけに歌作を始め、青木郁男に師事する。朝日新聞の「朝日歌壇」に投稿、島田修二、佐佐木幸綱選歌欄に掲載され、その後佐佐木幸綱に師事。1993年に歌集『坂口弘歌稿』、2007年に『常しへの道』を刊行。

「2015年 『歌集 暗黒世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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