リチウムイオン電池物語: 日本の技術が世界でブレイク

著者 :
  • シーエムシー出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882318347

感想・レビュー・書評

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  • ここしばらく、STAP細胞の論文について、色々とあった。STAP細胞自体があるのかどうなのか、とても興味のあるところ。実際なかったとしたって、小保方さんがやってきたことに意味がなくなるわけではない。ちょっとした勘違いや間違いはいつでもあるもの。世の中の先端技術はそうやって進化してきた。そのような、技術の先端がこういったことで注目を浴びてしまうのはとても懸念している。
    そんな中、数年前に買ったこの本を見つけて読み直した。この本の中では、何度も失敗してそれを乗り越えることによって、日本人が世界に誇るリチウムイオン電池が開発され、大活躍している。
    小保方さんと同じような勘違いや間違いがあったはずだし、いくつもの障害を乗り越えている。
    ただ、この本の著者の場合は、成果を発表するのは、技術が完成してからだ。それは企業だからだ。小保方さんは、理研に所属しているので論文数とか質が評価の対象になる。多少勘違いしていても、自分が正しいと思えば発表したくなる。それを否定するようなことが、まかり通ってしまうと、技術の進歩が遅くなってしまう。
    この本を通じて、技術革新の過程を見直してみて欲しい。多少の失敗は許してやろう、という気持ちになるはずだ。そうなってほしい。

  • 材料の研究者って何してるの?って聞かれたらこの本の事を紹介したい。それぐらい、普段は表に出てこない、材料の泥臭い裏側?の話が出てくる。
    内容は、リチウムイオン電池の研究の話し。

  • 過去10年に起こったことを時系列に正確に把握し、
    現在にいたるまでの因果関係を正確に総括した上で、
    この先10年間に起こる事を正確に洞察する
    道具が、超現代史とのこと。
    できれば、過去100年、過去1000年と対比するとよいかも。

    電子年表のページの紹介があるが、
    現在、群馬超漢字研究会の年表にたどり着けない。

  • ノーベル賞関連図書 
    2019年ノーベル化学賞は吉野彰氏が受賞。
    配架場所【図・1F知の泉】
    請求記号【572.12||YO】
    講師 吉野 彰 (旭化成株式会社 名誉フェロー)氏推薦
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/138300

  • 紫綬褒章受賞者 吉野彰が語る「発明」について。発明にまつわる、苦悩、工夫、楽しさ、喜び。この本が語るのは、たしかにリチウムイオン電池であるがその内実はもっと深い人間力にある。

    たとえば、「100万分の1の確率」
    けど、それは10個の選択肢10回連続させるだけの話。一億二千万人の人がチャレンジすれば、120人はとっぱできる。八億個よにでまわれば、800個は該当する。その程度の確率。

  • 2011/4

  • 今では当たり前のように普及しているリチウムイオン電池。それが作られるまでの紆余曲折が、文系の人間にもわかるように書かれていた。しかも笑いあり。特にサンプルを手に入れるために行われた担当者との会話。「通常の取引単位は船一杯分ですがそれでも構わないか?」・・爆笑。あとは、部下の無謀行為とか、警察からの事情聴取とか。そういうことがあって、こうやって私たちはパソコンや携帯を当たり前のように使えているということを知った。あと悪魔のサイクルの悲劇とか、特許のコツとか勉強になった。ただ、ところどころに挿入される「ちなみにこの年のレコード大賞は〜」っていうのがわからない。何か発明品と関連があるのか?ただ作者が歌が好きなだけ?

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著者プロフィール

1948年生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了、大阪大学大学院工学研究科博士(工学)取得。1972年、旭化成工業㈱(現・旭化成)に入社後、技術畑を歩み、ガラス接着性フィルム、リチウムイオン電池などの研究開発に携わる。2017年7月、名城大学大学院理工学研究科教授、10月、旭化成㈱名誉フェローに就任。
2004年、リチウムイオン二次電池開発の功績により紫綬褒章、2014年、全米技術アカデミーのチャールズ・スターク・ドレイパー賞、2019年、ノーベル化学賞受賞。同年、文化勲章を受章。

「2020年 『別冊NHK100分de名著 読書の学校 吉野彰 特別授業『ロウソクの科学』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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