- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784882645375
作品紹介・あらすじ
あたしの妹、1歳の芽生。まだ歩けないし、立てないし、ハイハイも、おすわりもできないし。そういうことができるようになるかもわからない。だけど、芽生はあたしのそばにいる。あたしはいつも、芽生のそばにいる。
感想・レビュー・書評
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「妹がほしかった。ずっとずーっと妹がほしかった。だけど私がほしかったのは、いつもぐずってばかりいる妹じゃない。病気の妹じゃない。…」本当は妹が大好きなのに、こんな事を思ってしまう自分もいる。杏のどうしようもない気持ちがどくんどくん伝わってきてとても切なかった。
1歳の誕生日芽生の体重はあまり増えていなかった。でも杏は芽生には目にも数字にも見えないみんなの思いがつまっていると思った。2歳も3歳もずっとずっとその思いは増え続けていくだろう。芽生の中にあるものは目には見えないもの、数字では表せないもの。星の王子さまを思い出した。『1番大切なことは、目には見えない。』
泣くなと思っても芽生ちゃんの「おうおう」に泣かされる。芽生ちゃんは生きている、生きているよ。
「迷惑だよ」「かわいそう」「なりたくてなったわけじゃない」障害者への言葉が色々と出てきてとても考えさせられた児童書。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私は、杏のさみしい気持ち、分かる。
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生まれてくるのを楽しみにしていた妹には障害があり、両親はそちらにかかりっきりになってしまう。
妹は可愛いし大切だけど、淋しかったり悔しかったり…。
複雑な心情が素直に描かれていて、共感できる。
タイトルの「二日月」は、最後にそういうことかと納得した。 -
待望の妹は、障害があってミルクを上手に飲めないし、大きくならない。ママは妹にかかりっきりでさみしい思いもする主人公。事態が最後に急転して大団円という話ではないのだけれど、心の揺れ動きを丁寧に掬い取った作品。中学年から。
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障害をもった妹をもつお姉ちゃんの話。
少女の心の葛藤、友だちの言葉や態度へ向けられるモヤモヤとした感情がとてもわかりやすく書いてあった。
登場人物それぞれの立場で読むとまた違う発見があるのかも…
何度も読み返したくなる。そんな気持ちになりました。
最後は前向きに、ありのままの自分を受け止められるようになる作品でした。 -
楽しみにしていた妹の誕生。
でも妹には障がいがあって、ママは妹につきっきり、パパもがんばってはくれるけど、やっぱり4年生の杏には我慢もしんどい。
素直な気持ちが描かれていて、周りの友達も大人も優しい。
障がい者当事者には当事者の、家族には家族の大変さがきっとあるし、だからと言って、かわいそうとか、不幸だと一律には言えない。やまゆり園しかり、深いテーマだし答えはないけど、子どもが考える一歩としてよい本だと思う。 -
障害を持って生まれてきた妹を見つめながら成長する小学4年生の女の子。元気で優しい親友と強い母。周りの人たちがいい人で、いじめられたりしないので、心の成長だけを中心に安心して読める。
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障害がある妹を持つ主人公の話。
家族や友達のことが好きだけど憎く嫉妬してしまうリアルな話。