子供たちの探偵簿 3 夜の巻

著者 :
  • 出版芸術社
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882932277

作品紹介・あらすじ

状況証拠から殺人の嫌疑をかけられ逮捕された妻の謎を追う夫と母の無実を信じて真相を探る小学生兄妹、二つの視点が交錯するユニークな冒険長編「灯らない窓」ほか、仁木悦子最後の作品「聖い夜の中で」を含む短編2編。どんな逆境でも明朗さを失わない子供達の純真な眼は、欲望が渦巻く大人社会の中で、ひときわキラメく輝きを放っている。

感想・レビュー・書評

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  • 前に『仁木兄弟の探偵簿-兄の巻-』を読んで、違う作品も読みたくなった作家さん。
    今回は、子供編だったけど、面白かった。


    ある団地で起こった殺人事件。その犯人として逮捕されたのは、進のママだった。しかし、ママが犯人ではないことを知っている進は、自分なりに妹の直子と一緒に調査をしていく。
    一方、父親の久は逮捕された妻に近づいた怪しい生命保険の外交員の存在を知る。その外交員は、しばらく前に起こったOL殺人事件と久の関係について調べまわっているようで…「灯らない窓」


    短編になっていて、あとの2作も子供たち目線だった。「灯らない窓」は、短編にしては少し長かったけど、最後に進と久の調査結果が繋がって、意外に複雑な事件だった。
    「聖い夜の中で」は、ラストがまるで映画のようだった。


    仁木兄弟のときもそうだが、戦後の日本が元気なときの時代背景で、今とは別世界のようにかんじる。中でも、20代後半で結婚していない女性に対する扱いや結婚しても子供がいない夫婦に対する扱い。今だったら、普通なことがシビアな世界だった。まぁ、そんな時代背景も面白く読んだのだけど。


    次は、仁木兄弟の話が読みたいな。


    2015.8.2 読了

  • 「猫は知っていた」を最初に読んだのをきっかけに、仁木悦子さんのミステリー作品の魅力にはまり、それ以後、高校時代、夢中になって文庫本で読みあさりました。いまでも、その文庫本は捨てずに手元にありますが、さすがにカバーも色あせ、中の頁も茶色く変色・・・。
    本書は、仁木悦子没後25年にして、作品がハード本で再度出版された嬉しい企画。文庫本には収録されていなかった、未発表作品や作品ノートなども、今回のハード版シリーズには収録されており、思わず買い求めました。

    この『子どもたちの探偵簿 ③夜の巻』には、小学生の兄弟、子ども達が純真な眼で、逆境にひるまず自分たちの知恵を絞って事件に対峙する姿がとりわけ魅力的な作品である「灯らない窓」「小さな矢」「聖い夜の中で」が、そして仁木悦子さんによる作品ノートが収録されています。

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著者プロフィール

1928 - 1986。小説家。ミステリーや童話を手がけ、1957年に長編デビュー作『猫は知っていた』で江戸川乱歩賞を受賞。明快で爽やかな作風で、「日本のクリスティー」と称された。1981年には「赤い猫」で日本推理作家協会賞を受賞。無類の猫好きとして知られる。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

仁木悦子の作品

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