- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784882932307
作品紹介・あらすじ
本書には、アリバイ崩しの第一人者による表題の秀作ほか、真犯人の巧妙なトリックをあばく「白い手黒い手」、高慢チキな若い警部との腕くらべ「中国屏風」、奇妙な尾行で楽しませる「菊香る」等全九篇を収録。
感想・レビュー・書評
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懐かしいのは時代背景だけではないです。
『名探偵』という在り方が、懐かしく思わせます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公の私立探偵の「わたし」は、依頼に詰まるったときにバー「三番館」のバーテンに相談する。
バーテンは店から離れないままに見事な解決策を告げる。
という安楽椅子探偵の話。
容疑者となる依頼者(正確には容疑者の弁護士が依頼者だが)は無実であることが前提であるので、いかにして犯人のアリバイを崩すかが焦点になる。
非常に安定して読みやすい話でした。
よろめきドラマとか懐かしい響きですよね。 -
トリックが良かった。
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短編集。
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事件に巻き込まれた容疑者。怪しい人物には鉄壁のアリバイがあり、万策尽きた探偵の「わたし」は、三番館を訪れる――このパターンで統一されている。アリバイ崩しの倒叙ものなのだが、毎回飽きさせず無駄がなく隙がない。トリックは前例があるタイプもあるが、小道具の使い方が巧いので、読み終えたときに唸ってしまう。事件の始まりから終わりまで安心して読める。作者の本格に対するスタンスとひねりのきいたタイトルと共に、鮎川流の安楽椅子探偵を堪能した。