皆川博子コレクション8あの紫は わらべ唄幻想

著者 :
制作 : 日下三蔵 
  • 出版芸術社
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本棚登録 : 49
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882934653

作品紹介・あらすじ

わらべ唄をモチーフに幻想的な8つの世界を描いた表題作、艶やかで妖しい10篇を収めた「妖笛」、単行本初収録の短篇「あやかし幻想奇譚」シリーズも収録。
そのほか、著者の貴重なエッセイも併録した充実のシリーズ8巻!

感想・レビュー・書評

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  • カメオは和風な見返り美人猫さんで、時代小説×幻想小説な短篇集を豪華収録した本作。
    「妖笛」忠臣蔵モティーフなだけに、どこかもどかしい。
    「七本桜」愛しいあの人は、本当は、今でも。
    「殺生石」ほんとうのこころを知らないのは、いつも自分。
    「二人静」義兄弟ってか衆道っていうか・・・皆川先生といえばこのモティーフだよな・・・。「松虫」アアツ『文豪ノ怪談ジュニア・セレクション 霊』でも読んだぞコレ!!・・・改めて”死なば一所とこそ思ひしに”の壮絶さに震える・・・。
    「小袖曽我」薬物自死を仄めかす幼女オチも皆川節だよな・・・。
    「夏一夜」心底あなたがいとおしい。ただそれだけ。
    「簪犬」同衾する疑似百合、うーん皆川浪漫。
    「あらたま草紙」縁あって引かれ合う男女のバッドエンド。これも皆川先生らしい作風だよな。
    「灼紅譜」宣教師×豊臣秀次×不破万作の三角関係BLって斬新すぎるでしょ・・・。いやすっげえ面白いな・・・。
    表題作は単行本で拝読済みなので割愛しますが、やっぱり薄暗くて雰囲気が好きだな・・・。
    「黒縄」皆川先生の家庭内サスペンスぽいの好きだからオオッてなった・・・。
    「悪い絵」巻き込まれる第三者・・・ってのもサスペンスの醍醐味。
    「カンナあの紅」憧れは地獄まで追いすがる。
    「歪んだ扉」舞台上にいるあの人は誰?あなたは誰?扉の向こうは、どこ?
    「アリス」魂ごと持って行かれたのだ・・・みたいなのも皆川節。
    収録エッセイはいつにも増してお茶目な皆川博子先生の日常です。親近感湧くな・・・。

  • <収録作品>
    「妖笛」
    妖笛
    七本桜
    殺生石
    二人静
    松虫
    小袖曽我
    夏一夜
    簪犬
    あらたま草紙
    灼紅譜
    「妖笛」あとがき
    「あの紫は わらべ唄幻想」
    薔薇
    百八燈
    具足の袂に
    桜月夜に
    あの紫は
    花折りに
    睡り流し
    雪花散らんせ
    「あやかし幻想奇譚」
    黒縄
    悪い絵
    カンナあの紅
    歪んだ扉
    アリス
    ・エッセイコレクション
    深夜の長電話
    手書きとワープロ
    古城
    飲まずに酔う
    出無精の旅
    嫌ひなものは嫌ひなり
    最新設備
    エジソンは唄う
    藍の夏

  • 版元の事情で暫く続きが出ていなかったコレクションの第8巻。
    単行本『妖笛』『あの紫は わらべ唄幻想』の2冊と、単行本未収録のままになっていた短編シリーズ『あやかし幻想奇譚』、そしてエッセイを9編収録。
    8巻は大半が初めて読む短編ばかりだったので嬉しかった。古本屋で見かけるたびに文庫本などをちょろちょろ買ってはいるのだが、矢張りそれには限界がある……。
    特に『あやかし幻想奇譚』は、1冊分になる前に中絶し、結局、単行本化もされていないので、読めるのは有り難い。

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著者プロフィール

皆川博子(みながわ・ひろこ)
1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ、幻想小説、歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、『恋紅』で第95回直木賞を、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞を、『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』で第12回本格ミステリ大賞を受賞。2013年にはその功績を認められ、第16回日本ミステリー文学大賞に輝き、2015年には文化功労者に選出されるなど、第一線で活躍し続けている。

「2023年 『天涯図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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